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読書「ラスト・トライアルLAST TRAIAL」ロバート・ベイリー著2021年刊

2022-06-25 16:28:08 | 読書
 「誰も私を助けることはできない」と言うのは、元ストリッパーのウィルマ・ニュートン。元トラック運送会社の経営者だったジャック・ウィリストーン殺人の容疑で逮捕される。すべての証拠がウィルマを指し示していた。

 その弁護を引き受けたのがアラバマ州では超有名なトーマス・ジャクソン・マクマートリー。彼はアラバマ大学ロースクール教授を務めていたこともあって、アラバマ州タスカルーサ地方には多くの教え子が司法界で活躍している。

 このウィルマ・ニュートンの案件にも担当検事パウエル・コンラッド、保安官事務所の捜査官ウェイド・リッチーは、トーマスとごく近しい関係にある。  
 さらに教え子の一人ではあるが、トーマスを嫌う裁判所判事ブラクストン・ポー。

 こういう状況では、結果によって親愛や友情の破綻が目に見えている。背中の痛みから親しい医師の診断を仰いだところ、肺がんが骨に転移していて余命6か月という。マクマートリーは、この裁判を「最後の裁判」と決意、全身全霊を打ち込む。

 著者は細心の配慮で見事な結末を描いて見せる。売れる作家の真髄を見た気がした。

 前回読んだロバート・ベイリーの「黒も白のはざま」にもあったように、この本でもカントリー歌手やロックの歌手が適所に現れる。エルビス・プレスリー、ウィリー・ネルソン、ロバート・ジョンソン、ジャニス・ジョンブリン、ジェリー・リード、タニヤ・タッカー、ジョージ・ストレート。

 今回聴いていただくのは1972年にヒットしたタニヤ・タッカーの「Delta Dawn」。タニヤ・タッカーは、1958年10月テキサス州セミノールに生まれる。現在63歳の現役。

Delta Dawn, what's that flower you have on?
Could it be a faded rose from days gone by?
And did I hear you say he was a-meeting you here today
To take you to his mansion in the sky?

She's forty-one and her daddy still calls her "baby"
All the folks around Brownsville say she's crazy
'Cause she walks downtown with a suitcase in her hand
Looking for a mysterious dark-haired man

In her younger days they called her Delta Dawn
Prettiest woman you ever laid eyes on
Then a man of low degree stood by her side
Promised her he'd take her for his bride

Delta Dawn, what's that flower you have on?
Could it be a faded rose from days gone by?
And did I hear you say he was a-meeting you here today
To take you to his mansion in the sky?

Delta Dawn, what's that flower you have on?
Could it be a faded rose from days gone by?
And did I hear you say he was a-meeting you here today
To take you to his mansion in the sky?

Delta Dawn, what's that flower you have on?
Could it be a faded rose from days gone by?
And did I hear you say he was a-meeting you here today
To take you to his mansion in the sky?

Delta Dawn, what's that flower you have on?
Could it be a faded rose from days gone by?
And did I hear you say he was a-meeting you here today
To take you to his mansion in the sky?
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医療「右慢性硬膜下血腫と診断されて……1」

2022-06-20 18:29:21 | 医療
 手術説明書には「検査の結果、頭蓋骨内の脳の表面に血腫が貯留していることがわかりました。血腫が脳を圧迫してさまざまな症状を引き起こします。自然治癒することもありますが、現状の血腫量ではそれは見込めません。放置すれば、最終的に意識障害となり、死亡することもあります。

 血腫を手術で除去することにより、良好に治癒することが期待できます。その手術名は「穿頭(せんとう)血腫ドレナージ手術とある。   
 具体的には前頭部の生え際に局所麻酔をして3cmほどの皮膚を切開し、頭蓋骨に約1cmの穴をドリルであけて、そこからやわらかい管を血腫腔に入れて洗浄します。術後は管をそのまま留置して閉創すると1-2日かけて血腫が流出して除去されます。検査で確認後、管を抜去します」とある。
 
 なぜこんなことになったのか、いきさつを書きます。2022年5月6日自宅リビングで物を戸棚に上げるために食卓の椅子を使い、降りるときに格好つけて後ろ向きに飛び降りた。そのとき転倒、後頭部を強打、自分の年齢が思い出せない一時意識障害になる。数秒で回復したが。

 後頭部の強打についてネットで検索すると、激しい頭痛や嘔吐の症状その他異常があればすぐに医療機関にとある。私は何もないのでそのまま放置。

 一日置きのウォーキングを日課としているが、5月下旬、ウォーキング中、ふらつきが出てきた。健康管理には非常に口うるさい私の娘の圧倒的な助言で、住まいの近くの中央病院脳神経外科を受診。それが5月26日。案の定、脳内に出血があった。次回予約6月23日、服薬ケタスカプセル10mgの処方。

 脳内ではかなり進行しているようで、ウォーキングでのふらつきに加え、頭の右側が痛くなってきた。そこで5月6日再受診。CT検査の結果、出血が止まっていない。担当医は手術を勧める。私は逡巡した。そこで5月16日CT検査の結果で決めようとなった。

 その5月16日、出血が増えている。手術を即断。この中央病院では手術ができない。従って他院への紹介になる。紹介された先は、千葉メディカルセンターだった。ここは私がジョギング中に転倒して脱臼、救急車で運び込まれた病院なのだ。

 6月16日に息子の運転で病院へ。救急外来ということで、その日の夕方手術。手順は上記の通りなのだが、この手術は局所麻酔なのですべてが耳に入るし感じる。局所麻酔といっても局所に液を垂らして塗るという感じだった。さらに大きな音でびっくりしたのが、約 1cmの穴をドリルで開けるときだった。

 手術よりもつらかったのは、術後動けないのでベッドで寝るしかない。絶対安静。トイレにも行けない。尿瓶に頼る。紙おむつを穿かされる。すべて若い女性の看護士がやってくれる。俎板の鯉だから仕方がないか。それにしても若い女性なのに、肉体的魅力のない高齢者の下半身の世話、感謝する気持ちしかわかなかった。

 一夜明けて6月17日、CT検査、管の抜去。山は越えた。ようやく紙おむつともお別れ。自分だ歩いてトイレに行ける。これがどれだけ嬉しいか、経験しないとわからない。

 リハビリで歩く訓練をしていたが、翌土曜日6月18日に退院。これは元気であれば退院してもいいということなので強制ではない。通常は1週間ぐらいの入院なのだろう。

 私は病院で寝不足になっていてトイレもいちいち看護士の許可がいるのが嫌で退院を求めた。歩けばふらつく中、無事退院した。お風呂に入れるのはうれしいが、ふらつきや夜の食欲のなさが目下の悩み。

 そんな今日、退院して三日目、私の家から中学校の校庭が見える。コロナの流行期には、校庭は連日寂しさに包まれていた。それが今日はどうだろう。校庭には生徒の元気な姿が見える。その姿を見ながら、ふと思ったことがある。

 中学生だから15歳前後だろう。私の15歳。太平洋戦争の終焉が近づいていた。そのときから77年の長い時間が過ぎた。この子たちの77年後の世の中は、どうなっているのだろうか。

 私の体験でも栄養失調を抱えながら、一日一日をどう生きるかという悲惨な時期もあった。色んなマイナス要素も考えられるが、一つ確実に言えることは医療技術や医薬品の発達はとどまることはないだろうということ。私が受けた手術も、薬一発で解消ということにならないか。人生120年。どう生きるか、いつの時代も苦労は絶えない。そんなことを考えている私は、90歳と3か月。

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