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映画「モダン・ラブ~今日もNYの街角で」愛の短編集

2019-10-27 16:08:43 | 海外テレビ・ドラマ

 1話約30分の8話からなる心温まる愛の小品。

第1話 アパートメントのドアマンと住人の若い女性との交流が微笑ましい。若い女性をクリスティン・ミリオティが、ドアマンをローレンティウ・ポッサが演じる。

第2話 ニューヨーク・タイムズの記者ジュリー(キャサリン・キーナー)がインターネット・デートサイトを運営するジョシュア(デヴ・パテル)にインタビュー。意気投合した二人は、置き去りにした恋を語る。
 置き去りにした恋とは、彼が約束の時間に空港に現れなかったとか、初恋の彼に偶然出会い彼が離婚して独り身だったのが魔が差して寝たことで、今の彼が去って行ったということを。

第3話 躁状態と鬱状態が反復する双極性障害を患うレキシー(アン・ハサウェイ)が失恋。心から信頼できる友人に病気を告白することで心の安定を得る。そもそもこの物語よりもアン・ハサウェイのファッションが話題になった。

第4話 倦怠期の夫婦。カウンセラーからの助言でテニスを始める。ラケットで打ち返すラリーが夫婦の絆を深め、悪天候が迫る中でもラリーが続く。ティナ・フェイとジョン・スラッテリーの共演。

第5話 ガラスでひどいケガをしたロブが病院へ。付き添ったヤスミン。それがお互いの弱い面をさらけ出す場所にもなった。ジョン・ギャラガー・jrとジュリア・ガーナー。

第6話 パパのような男性を夢見る娘。うぶな娘と下心を持った中年男のかみ合わない愛。シェー・ウィガムとオリヴィア・クック。

第7話 ゲイのカップルがホームレスの女が生む子を養子に。アンドリュー・スコットとジェーン・アレクサンダー。

第8話 老境の出会いは、別れが早い。1話から7話までのスナップショットが入る。ニューヨーク・タイムズのコラムに基づくロマンティック・コメディ・作品集。アマゾン・ビデオ2019年10月18日より配信中 

  
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映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」と「バイス」奇しくもディック・チェイニーが双方に登場

2019-10-18 15:48:22 | 映画
「記者たち 衝撃と畏怖の真実」
 2003年3月、アメリカはイギリス、オーストラリアそれに工兵部隊を派遣したポーランド等との有志連合によって、イラクに軍事介入したいわゆるイラク戦争を主導した。これの背景には、2001年9月11日アメリカで起きた同時多発テロがある。

 当時のジョージ・W・ブッシュ大統領は「これはアメリカへの宣戦布告だ」と断定、犯人捜しを強行に進めた。ブッシュの支持率も上がりニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの大手はこぞって政権を支持する記事を書いた。

 カリフォルニア州サンノゼが本社の地方紙ナイト・リッダー社ワシントン支局編集長ジョン・ウォルコット(ロブ・ライナー)は、冷静に真実を追う姿勢を示していた。二人の記者、ジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)をブッシュ政権に張り付けていた。

 編集長のウォルコットは、真実を報道するために必ずウラを取れと厳命する。ブッシュ政権は、戦争への道を歩み始めていた。副大統領のディック・チェイニーがたびたびメディアに登場して開戦への地ならしをしていた。

 2002年1月の一般教書演説で、ブッシュ大統領は「イラクが大量破壊兵器を所有し、テロを支援している」と断言する。しかし、ウォルコットや二人の記者は、懐疑的だった。そしてディック・チェイニーの「大量破壊兵器がある」を嘘だったとリークしたが、流れはイラク戦争に向かっていた。

 のちにランデーとストロベルは、上院プレスギャラリーから、「レイモンド・クラッパーは、アメリカで最も尊敬されるジャーナリストの一人」と言われるレイモンド・クラッパー賞が贈られた。

 さらに2008年7月24日ジョン・ウォルコットは、ストーン報道の自由賞でのスピーチで「高度な文明社会とは、報道の誠実さと明晰さの重要性を意識的に尊重する社会であり、報道の内容が正確かどうかに疑いを持てる社会です」とあり、今のアメリカや日本に求められていることでもある。

 さらに映画のエンディングに「彼らの記事こそ真実だったと世界は知った。17年間、米軍は紛争地帯で闘っている。2兆ドル、今までにかかった戦費。3万6千人以上米兵の死傷者。100万人、侵攻によるイラク人の死傷者」とある。
   
 ちなみに、ナイト・リッダー社は、ジョン・ナイトとハーマン・リッダーが1974年に創立した新聞社。地方紙とは言いながら堂々たるビルディングの社屋がある。2017年制作 劇場公開2019年3月
        
監督
ロブ・ライナー1947年3月ニューヨーク市ブロンクス生まれ。

キャスト
ウディ・ハレルソン1961年7月テキサス州ドランド生まれ。
ジェームズ・マースデン1973年9月オクラホマ州生まれ。
ジェシカ・ビール1982年3月ミネソタ州エリー生まれ。
ミラ・ジョヴォヴィッチ1975年12月旧ソ連(ウクライナ)キエフ生まれ。
トミー・リー・ジョーンズ1946年9月テキサス州生まれ。
ロブ・ライナー

「バイス」
 悪徳や邪悪を意味するバイスと副・次・代理を意味するバイスがある。この映画の場合、副大統領の意とともに悪徳も内包するから面白い。

 その主人公は、ジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務めたディック・チェイニーなのだ。酔っ払い運転で捕まるくらいのだらしない男だったが、ドナルド・ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)の言葉に心酔して政界に係ったのがそもそもの始まり。そしてディックの尻を叩き続けるのが妻リン(エイミー・アダムス)だ。

 男は家族を食わせていると思っているかもしれないが、実態は女(妻)に操られているに過ぎない。可哀相にハツカネズミのようにくるくると回る檻を止められないのだ。

 そのためには、大統領選に出馬するブッシュに副大統領の権限の拡大を約束させる必要があった。まんまと成功して、イラクに大量破壊兵器が無いにも係わらず「有る」と言い張りイラク戦争に突入した。

 この点をインタビューで突っ込まれてどう答えたか。
問「国民の3分の2がイラク戦争はムダだと、アメリカ人とイラク人の命を犠牲にする価値があるのかと」
答「だから?」
問「国民の声に耳を貸しませんか?」
答「ああ、それでは踏み外してしまう。進むべき道を。感じているとも私を責める声も非難の声も、だが私は平気だ。愛されたきゃ映画スターになれ。世界は見ての通りだ。この現実に対処せねば、世界には怪物がいる。我々は見た。3000人もの罪もない人々が、奴ら怪物によって焼かれ死ぬのを、なのに非難か」開き直るチェイニー。

 確かにアメリカは攻撃された。しかし、嘘までついて始めたイラク戦争で米兵の死者4550人。2001年以降、米兵の自殺率31%上昇。イラク戦争によるイラクの民間人の死者60万人以上。イスラム国による死者推定15万人。シリアとイラクでは、テロによる民間人の死者2000人以上というのがエンディングにある。これをどう考える? 戦争は必要悪かもしれないが、あまりにも犠牲が多すぎる。2018年制作 劇場公開2019年4月
   
監督
アダム・マッケイ1968年4月ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。

キャスト
クリスチャン・ベイル1974年1月イギリス、ウェールズ生まれ。2010年「ザ・ファイター」でアカデミー賞助演男優賞受賞。

エイミー・アダムス1974年8月生まれでコロラド州キャッスルロックで育つ。

スティーヴ・カレル1962年8月マサチュウーセッツ州生まれ。

サム・ロックウェル1968年11月カリフォルニア州生まれ。2017年「スリー・ビルボード」でアカデミー賞助演男優賞受賞。

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映画「グリーンブック」感動、感涙、文句なしに後味がいい

2019-10-14 16:56:22 | 映画

                                       

 これは事実を基にした映画。教養豊かな黒人ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)とがさつで黒人嫌いの男トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)が、アメリカ・ディープサウスを演奏旅行しながら相互理解を深めていく。

 1960年代、人種差別が当たり前の時代。イタリア男のトニーも黒人嫌い。妻のドロレス(リンダ・カーデリーン)は、トニーとは真逆の博愛主義者。帰宅したトニー、二人の黒人にジュースをすすめるドロレスを見る。何かの修理が終わったみたいだ。去っていった二人の残したガラスのコップを、トニーは屑籠へ捨てる。後で屑籠の中を見たドロレスは、コップを拾い上げる。

 ドクター・シャーリーは、クラシック音楽の影響を受けた実験的なジャズを演奏する。ピアニストのほか作曲家でもあり、しかも名誉博士号を二つも持つことからドクター・シャーリーとも呼ばれた。

 トニーは用心棒をしていたナイトクラブ「コパカバーナ」が改装工事で一時閉鎖になるため働き口を探しているとき、知人の紹介でドクター・シャーリーと面接しろと勧めてくれた。

 トニーは、ドクターだからてっきり医者だと思って、それらしきものを探すがその番地にはない。あるのはカーネーギー・ホールだった。とりあえずカーネーギー・ホールに入ってみた。無人の客席が広がるばかり。係らしき人に聞くと、ドクター・シャーリーは上の階に住んでいるとのこと。

 先客の面接者の後、部屋に入ると美術品らしきものや王様の玉座もあって、そこへシャーリーは座る。シャーリーの条件は、運転手、用心棒、こまごまとした身の回りの世話で週給100ドル。トニーは、こまごまとした身の回りの世話抜きで100ドルと言い残して帰宅する。

 トニーとドロレスがくつろいでいるとき、シャーリーから電話があり、妻に変わってくれという。電話口のドロレスは、丁寧な応対で静かに聞く。終わって「8週間トニーが留守でも問題ないか」という電話だったという。しかも週給は125ドルとも。

 運転手兼用心棒のトニーが、ステージネーム、ドン・シャーリーを後部座席に乗せて、メンバーのヴァイオリン奏者とベース奏者の車が追尾して、いざディープ・サウスへ。

 イタリア男のトニー役を絶妙に演じるヴィゴ・モーテンセン。言葉遣いや態度が洗練しないトニーに文句を言いながら、孤高の存在のような男を演じるマハーシャラ・アリ。

 白人専用のレストラン、黒人は試着できない服飾店、白人専用のバーに紛れ込み袋叩きにあいそうになったシャーリー。一方、黒人専用のバー。そのバーでシャーリーは、バーテンダーの求めに応じてショパンの練習曲作品25-11を華麗に弾いて喝采を浴び、バー専属のバンドと即興のジャズ演奏で盛り上がる。(この場面は、実に楽しかった)

 トニーは、妻との約束の手紙を書く。「どこそこに着いた」「ケンタッキー・フライド・チキンを食べて美味しかった」それを見たシャーリーは、「私の言葉をそのまま書け」という。

 受け取ったドロレスは、詩的で心のこもったラブ・レターのような文章に感激する。その手紙を女友達に読んで聞かせる。友人たちの顔は、夢を見るように心が動かされているようだ。

 意地悪警官と親切な警官の登場もあったりして、トニーたちは最後の公演を終えクリスマス・イヴに間に合うように帰路に着いた。ずーと雪降る道を運転してきたトニーは「疲れて前もよく見えないから、モーテルで休もう」というがシャーリーは頑張って行こうという。

 ニューヨークのトニーのアパートの前に車は着いた。運転席から降りてきたのは、ドン・シャーリーだった。後部座席では、トニーが毛布にくるまれていた。起こされて歩道に降り立ったトニーは「寄っていくかい?」「いや、いいよ。おやすみ」

 久しぶりの家は、クリスマス・イヴのパーティ真っ最中。BGMは、「Have Yourself a Merry  Little Christmas」をフランク・シナトラが歌う。(声に張りのあるシナトラで、いいときのレコーディングだろうなあ)

 俄然クリスマス気分が盛り上がっているとき、ドアをノックしたのはシャンパンのボトルを持ったドン・シャーリーだった。親しげに歓迎するトニーの姿を見たドロレスは、偏見をなくしたトニーを確信して微笑む。紹介されてシャーリーとハグした時、耳元で「手紙ありがとう」と囁く。ドロレスの観察は、すべてを見抜いていた。

 ちなみに題名の「グリーンブック」は、黒人専用のホテル、モーテル、バー、レストランなどを紹介したガイド・ブックのこと。2018年制作 劇場公開2019年3月

 ドン・シャーリーのヒット曲、「Water Boy」とフランク・シナトラの「Have Yourself a Merry Christmas」をどうぞ!

Don Shirley Trio - Water Boy

Frank Sinatra Have Yourself A Merry Little Christmas Lyrics

                     

                     

                     

 

監督
ピーター・ファレリー1956年12月ペンシルベニア州フェニックスヴィル生まれ。

キャスト
ヴィゴ・モーテンセン1958年10月ニューヨーク市マンハッタン生まれ。

マハーシャラ・アリ1974年2月カリフォルニア州オークランド生まれ。

リンダ・カーデリーン1975年6月カリフォルニア州生まれ。

 

 

 

 

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映画「まともな男 NICHTS PASSIERT 」まともな男と思うのは本人だけ

2019-10-09 16:19:53 | 映画

                

 世界のどこの国でも10代、15歳から20歳までの女の子には手を焼かされる。それに巻き込まれて挙句の果てに相手の車を崖から突き落とすという悲劇に突き落とされるサラリーマンのトーマス(デーヴィト・シュトリーゾフ)。

 もともと酒癖の悪いトーマス。泥酔して同僚と喧嘩、その勢いで車を相手の車にぶち当てた。これは妻マルティナ(マリン・エッゲルト)にも内緒でセラピストに「酒もやめ、まともな男になった」と自ら宣言した。

 ティーンエイジャーの娘を持つトーマス夫妻。結婚して20年程、ともに40代を迎えて倦怠期の真っ最中ではあるがハンドルを握るトーマスの目には快晴の冬空、青い空がまぶしい。スキー場に向かうトーマスは、上司(ベアト・マテティ)の娘ザラ(アニーナ・ヴァルト)をピックアップするために待合場所へ。妻も娘ジェニー(ロッテ・ベッカー)も不満。家族水入らずの休暇に他人なんてというわけ。妻は小説を執筆中で静かな環境を求めていた。それでも宮仕えの哀しさ、上司のご意向には逆らえない。

 着いた山荘は雪に囲まれ電気がつかない。トーマスは管理人の家までまた車を走らせた。管理人の親父は息子セヴェリン(マックス・フーバッヒャー)を修理に向かわせる。何度もこの山荘に来るトーマスの娘ジェニーとは顔なじみ。電気も点いて温かい光が夕食の席を満たす。ジェニーが「セヴェリンに誘われているから町に行きたい」という。母親のマルティナは、強く反対する。ザラが「うちの親は気にしないわ」とまで言う。

 「母さんがダメといってるからダメ」とトーマス。この言葉にマルティナが反応。「いつも私が悪者ね。じゃあ、あなたが決めなさいよ」(子供の前で夫婦喧嘩をするというどこにでもある風景ではあるが、やめたほうがいいと外から見ると思う。この場面に限らず脚本がいい。トーマスがOKを出すまでの会話の流れが自然だった。)トーマスは、OKを出した。(映画だからこういうことになるのだろうが、現実にはティーンエイジャーを酒の席に出すべきではないと思うが)

 約束の12時に店の前に着いてみるとわが娘のジェニーだけがいる。ザラが見当たらない。探し回った挙句見つけたのは、公衆電話の床にうずくまっているザラだった。飲みすぎて苦しいんだろうかと事情を聞く。「セヴェリンにやめてと言ったのに無理やりセックスされた」なんてこった! ザラは内緒にしてくれと言う。トーマスも、許可した責任もあり、しかも上司の娘となれば内密に事が進めが何も起こらなかったことになる。

 ところが十代の女の子は、思いが猫の目のように変わる。警察に届けるのは嫌だと言っていたのが、届けたいと言ってくる。それはトーマスにとってもまずいことなので、翻意させるようやんわりと執拗な警察の事情聴取などを話す。その効果があったのか分からないが、ザラは説明内容を書き出してから届けることにすると言った。

 ホッと胸をなでおろすトーマス。ところがこのレイプ事件がどんどんと悪い方向に向かう。結局、前記の車を崖から突き落とすことになる。小雪のちらつく寒い夜という状況から、警察は運転ミスによる転落と決めつけるだろう。たった一つの秘密が悲劇を招く。帰りの車の中は、何事も起こらなかったかのように、それぞれの世界を漂っているようだ。

 ドイツ語の原題「NICHTS PASSIERT(何も起こらなかった)」は、やや皮肉な気がする。トーマスの心には、重い十字架を背負わされてしまったからだ。2015年制作

     
     

監督
ミヒャ・レヴィンスキー1972年12月ドイツ、カッセル生まれ。

キャスト
デーヴィト・シュトリーゾフ1973年10月日東ドイツ生まれ。

マレン・エッゲルト1974年1月西ドイツ、ハンブルグ生まれ。

アニーナ・ヴァルト出自未詳 

ロッテ・ベッカー1998年12月生まれ。

マックス・フーバッヒャー1993年スイス生まれ。

シュテファヌ・メーダー出自未詳 

ベアト・マテティ1972年6月スイス生まれ。

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海外テレビドラマ「ウェスト・ワールド」映画「スイッチ・オフ」でのエヴァン・レイチェル・ウッド

2019-10-06 16:02:19 | 映画

                      

 美人女優にしばらく虜になった。その美人女優は、エヴァン・レイチェル・ウッド。白い肌のスラリとした肢体にうりざね型の顔、上品な小さな唇に青い瞳は魅惑的ではある。彼女を観た「ウェスト・ワールド」から映画「スイッチ・オフ」につながる。

「ウェスト・ワールド」は、SF作家、映画プロデューサー、映画監督、脚本家、テレビプロデューサー、医師の顔を持ち、全世界で1億5千万部もの作品を売ったベストセラー作家のマイケル・クライトンが1973年に初監督した作品。マイケル・クライトンは、テレビドラマ「ER」や映画「ジュラシック・パーク」でお馴染みの人。砂漠に建設された巨大遊園地「デロス」。そこは西部開拓時代のガンマン。中世ヨーロッパの騎士、帝政ローマの豪傑という三つの体験ができるテーマパークなのだ。

その映画からスピン・オフしたテレビドラマの「ウェスト・ワールド」は、ロバート・フォード博士(アンソニー・ホプキンス)が創設した西部開拓時代を満喫できるテーマパークとなっている。そのテーマパークに暮らすのは、ホストと呼ばれるアンドロイド(人造人間)だ。テーマパークに入る人はゲストで、入場料はかなり高額。その代わりに何をしてもかまわない。気に食わないといってホストを撃ち殺してもいい。

 ホストはリアルな人間と寸分違わない。エヴァン・レイチェル・ウッドは、ドロレスという名のアンドロイドだ。アンドロイドはすべてが管理されている存在。スタッフのリアルな人間が、タブレット端末で自由にホストをコントロールする。しかし、これも長続きしない。ホストが自由を求めて反乱を起こす。先頭に立つのがドロレス。

 多分、近未来にアンドロイドの実現可能性に疑問を挟む余地はないだろう。近年のAIロボットの発達をみていると、リアルな人間に近いアンドロイドを作りたいと思う研究者も多いはず。実際のところ、食べず眠らず病気にならず、故障だけが要注意の人間の存在は、危険な場所、夜間の仕事、超重労働の仕事、戦場での慰安婦などの用途が数えられる。そして戦争そのものがアンドロイドの代理戦争になりかねない。そんなことを連想させたドラマだった。2020年にはシーズン3も公開予定らしい。2016年、2018年制作

               

         

監督
ジョナサン・ノーラン1976年イギリス、ロンドン生まれ。

キャスト
アンソニー・ホプキンス1937年12月イギリス、ウェールズ生まれ。

エド・ハリス1950年11月ニュージャージー州生まれ。

エヴァン・レイチェル・ウッド1987年9月ノースカロライナ州生まれ。

ジェームズ・マースデン1973年9月オクラホマ州うまれ。

ジェフリー・ライト1965年12月ワシントンDC生まれ。

                       

エヴァン・レイチェル・ウッドの出演映画「スイッチ・オフ」は、緊急停止装置が作動し発電所の機能が停止、次々と電力網がシャットダウン、3億人に被害が及ぶ大規模停電となる。3億人と言えば、アメリカ合衆国の人口そのものだ。街に行くのに徒歩だと3日間かかるという深い森の一軒家に住む父と姉妹。父はチェーンソーで太ももを切り失血死を遂げる。残る姉エバ(エヴァン・レイチェル・ウッド)と妹ネル(エレン・ペイジ)が必死に生きようとする。

 しかも、ネルのいないときにエバはレイプにあう。ショックが大きく食べ物もが喉を通らない。陰鬱な時間が過ぎていく。そんな時エバが妊娠していることが分かる。相手はあのレイプ犯の男だ。ネルは、発電機を動かしてパソコンで妊娠中絶を模索する。ところがエバの答えは、「子供を産む。誰も殺したくない」

 雷雨の夜中、異様な音で目覚めた二人。屋根の梁が崩れ落ちた。ここは危険と森の中の小さな小屋へ。その小屋で姉妹は出産という命の誕生に立ち会う。男の子が生まれた。一軒家に戻ったエバは、「ここには住めない。子供を育てるには危険すぎる。燃やしてしまおう」残っていたガソリンを撒いて火をつけた。その光を背にネルとエバと子供は森の小屋へ。壮絶なサバイバルの終わり。

 この映画の原作は、1997年刊 ジーン・ヘグランド著「森へー少女ネルの日記」である。「突然、電気も電話も使えなくなり、町へ行っても食料やガソリンが手に入らなくなった。大きな戦争や災害が起きたためだという噂が流れていたが、本当のことは誰もわからない」という状況設定になっている。

 従って映画では、停電事故で被害人口3億人、停電は1年以上も続く設定になっている。そうではあっても、父親の失血死にネルとエバは、穴を掘って埋めるが、宗教的儀式が一切ない上に姉妹の別れの言葉もない。(違和感を感じる)

 そして出産。子供を育てる。これには問題がはらんでいるように思える。正しい選択だったのか。疑問を残した。成長した子供が「僕のお父さんどんな人だったの?」の問いに、どう答える。姉妹の絆と不測の事態を生き抜くサバイバルと人間愛。

 主役は、エレン・ペイジでエヴァン・レイチェル・ウッドは、準主役といった役どころ。批評家は、物語よりも二人の女優の演技を高評価している。このエヴァン・レイチェル・ウッドは、1998年のデビューでベテランといえる。韓国の国技「テコンドー」の黒帯を持っている。2015年制作

                       

監督
パトリシア・ロゼマ1958年8月カナダ、オンタリオ生まれ。

キャスト
エレン・ペイジ1987年2月カナダ、ノヴァスコシア州ハリファックス生まれ。

エヴァン・レイチェル・ウッド

 


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