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懐かしのポップス「ロシアより愛をこめて」

2011-01-30 12:55:49 | 音楽


 映画「007ロシアより愛をこめて」の主題歌。甘い歌声のマット・モンローが歌いヒットする。映画の公開は、1964年4月。ジェイムズ・ボンド007シリーズ2作目。
              
 このシリーズでショーン・コネリーを有名にした。マット・モンローは、1930年12月1日ロンドン生まれ。1960年に「Portrait of my love」が全英チャート2位となりスター歌手の地位を確立。他に「Softly as I leave you」「ウォーク・アウェイ」「野生のエルザ(原題Born free)」などで、フランク・シナトラと声質が似ていたので「British Sinatra」とも呼ばれた。1985年2月7日54歳で病没。
            
その曲をyouTubeでどうぞ
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映画「美しい人 Nine Lives’05」劇場公開2006年7月

2011-01-29 12:59:05 | 映画

               
 ノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの息子、ロドリゴ・マルケスが監督した九つの美しい愛の切なさが描かれている。

女性服役囚が娘との面会で通話の電話の故障で話せないことに泣き喚く「娘への愛」。
          
スーパーマーケットで偶然出会った昔の恋人たち。彼には妻が、彼女には幸せな家庭の象徴愛の結晶を宿していた。
 「ぼくたちは永遠だよ。愛は変わらない。それを認めないと」しかし……人生は皮肉!「過ぎ去りし愛」。
          
突然帰ってきた姉、父親へのトラウマを抱えた姉。「父親への憎しみと愛」。
          
夫婦で友人の新居を訪問、言わない約束を友人夫婦の前で暴露。「愛は時に別の貌を見せる」。
          
障害を持つ父の部屋から母の部屋へ。それぞれの言葉を運ぶ娘。「橋渡しの愛」。
          
「君を思って自慰をしているんだよ」自殺した妻の葬儀の日、かつて愛し合った女性に言う。別室で男の求めに応じる女性「愛の復活」。
          
モーテルで逮捕された女性を見て不倫を思いとどまる女性「家族への愛」。
          
乳がんの手術室で恐れから悪態をつく妻をやさしく見つめる夫。やがて鎮静剤の効果で、夫に感謝の言葉をかける「愛の別のかたち」。
          
墓標の前で亡き娘を思う母「亡き人への愛」
          
 これらをエルビディア・カリーロ(1961年8月メキシコ生まれ)、ロビン・ライト・ペン(1966年4月テキサス州ダラス生まれ)、リサ・ゲイ・ハミルトン1964年3月ロサンゼルス生まれ)、ホリー・ハンター1958年3月ジョージア州コンバース生まれ)、アマンダ・セイフライド1985年12月ペンシルヴェニア州アレンタウン生まれ)、エイミー・ブレナマン(1964年6月コネチカット州ニューロンドン生まれ)、シシー・スペイセク(1949年12月テキサス州ミッドランド生まれ)、グレン・クローズ(1947年3月コネチカット州グリニッチ生まれ)が演じる。

監督ロドリゴ・ガルシア1959年8月コロンビア、ボコダ生まれ。
          
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映画「キャデラック・レコードCadillac Records ’08」劇場公開2009年8月

2011-01-26 11:47:53 | 映画

               
 「最初に女が下着をステージに投げ入れたのは“ブルース”って音楽だった。白人女が投げ始めたとき、“ロック”という名に……そこに至るまでには多くの人が絡む様々なドラマがあったんだ」のナレーションに導かれながらR&Bがバックに流れる。

 1941年シカゴ、レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)は、恋人の父親から罵倒されながらも黒人街でクラブを始める。
 一方、ミシシッピー州では農民のマディ・ウォーターズ(ジェフリー・ライト)が掘っ立て小屋で民俗学者に協力して自身のギター演奏を録音していた。
 この二人の運命の出会いから、ブルースはロックン・ロールとなり、エルビス・プレスリーがその頂点を極めた。

 これらの流れの中でローリング・ストーン、エリック・クラプトン、初期のフリート・ウッドマックに多大の影響を与えたといわれる。そして何よりこの映画は、心地よいリズムに酔いしれるひと時を与えてくれた。

 特に印象に残ったのは、エタ・ジェイムズ役のビヨンセ・ノウルズだ。2009年のオバマ大統領就任式でエタ・ジェイムズのヒット曲「AT LAST」を歌い、本作でもしっとりと歌っている。黒人にしては整った顔立ちの美人。

           
           
           
           
           
監督
ダーネル・マーティン1964年1月ニューヨーク、ブロンクス生まれ。

キャスト
エイドリアン・ブロディ(レナード・チェス役)1973年4月ニューヨーク、クイーンズ生まれ。’02「戦場のピアニスト」でアカデミー主演男優賞受賞。
ジェフリー・ライト(マディ・ウォーターズ役)1965年12月ワシントンDC生まれ。’94ピューリッツアー受賞作品「Angels in America」でトニー賞、ドラマデスク賞、アウター・クリティックス・サークル賞を受賞。
 演じたマディ・ウォーターズ(1915~1983)は、白人向けのレコード・チャートの上位に登場するクロスオーバー・アーティストととして知られる。

ビヨンセ・ノウルズ(エタ・ジェイムズ役)1981年9月テキサス州ヒューストン生まれ。ゴールデングローブ賞にノミネートされたヒット・ミュージカル「ドリームガールズ」などのエンタテイナーとして有名。
 エタ・ジェイムズは、1938年LA生まれで、現在も現役。ほかに、コロンバス・ショート(リトル・ウォーター役)、モス・デフ(チャック・ベリー役)など。
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海外テレビドラマ「ダメージ DAMAGES シーズン1 ’07」

2011-01-24 09:21:46 | 海外テレビ・ドラマ

              
 パティ・ヒューズ(グレン・クローズ)は、エレン・パーソンズ(ローズ・バーン)を入るにはかなり難しいこの事務所に簡単な面接で採用する。この法律事務所が取り組んでいる大仕事は、倒産に絡む疑惑の解明だった。

 それはアーサー・フロビシャー(テッド・ダンソン)が相手だった。フロビシャーの弁護士レイ・フィスク(ジェリコ・イヴァネク)とパティは、火の出るような駆け引きを展開していた。
 
 そして、徐々にパティの正体が明らかになったいく。エレンを採用した裏には、エレンの恋人デービッド・コナー(ノア・ビーン)の姉ケイティ(アナスタシア・グリフィス)が重要証人であることを掴んだからだった。
 やがてケイティのボーイフレンド、グレゴリー(ピーター・ファシネリ)の死亡でケイティの価値がなくなると同時に、エレンの仕事は見習いがやるようなものになり、自発的な仕事の報告には、指示された仕事だけやればいいと怒鳴られる。口答えをすると「出て行け!」とクビを宣告されてしまう。

 グレゴリーは、重要な証拠物件として自らの告白をテープに残していた。それらはケイティのバッグに入れられた。パティにとっても、フロビシャーにとっても勝つか負けるかの最重要物件だった。

 両者はそのテープを血眼になって探し始める。ケイティからそのテープを受け取ったデービッドが内容を確認して、エレンの携帯にメッセージを残す。自宅浴槽でデービッドの死体を発見したエレンに殺人の嫌疑がかかる。

 保釈金を出したのはパティで、テープを要求されるがエレンは、自身の嫌疑を晴らしてくれればテープを渡すと約束する。パティは、見事にその約束を果たした。パティの事務所に戻らないエレンの前に現れたのは、FBIの捜査官だった。

 こうなるとシーズン2がどうしても観たくなるのが人情。裏切りや殺人、冷酷な仕打ち、自殺とおぞましい事件に絡め、パティの狡猾で意地悪な策士ぶりに怒りすら覚える。
 考えてみれば、これは製作者側の意図の勝利で、ドラマが順調に走り始める。それに加え、パティの着るファッションも垢抜けしていて60代の女性でも魅力的に見せることが出来ると思わせる。実にうまい計算だ。
 媚薬を飲まされたように魅了されてしまう。一級のエンタテイメントだ。
          
          
          
          
キャスト
グレン・クローズ1947年3月コネチカット州グリニッチ生まれ。
ローズ・バーン1979年7月オーストラリア、シドニー生まれ。
テッド・ダンソン1947年12月カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。
アナスタシア・グリフィス1978年3月フランス、パリ生まれ。
ジェリコ・イヴァネク1957年8月スロヴァキア生まれ。
ノア・ビーン1978年8月マサチューセッツ州ボストン生まれ。
ピーター・ファシネリ1973年11月ニューヨーク、クイーンズ生まれ。
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映画「ブラックサイト Untraceable’08」劇場公開2008年4月

2011-01-21 12:40:40 | 映画

               
 インターネットの負の部分、とりわけダークな殺人を見世物に変えるという薄気味の悪いお話。両腕を吊り下げられ、両足もくくられて硫酸が注入される。それは、ネット中継されアクセス数が多いほど死期が早まるという仕組み。

 それらを探し出して摘発するネット犯罪捜査官ジェニファー(ダイアン・レイン)が、犯人を追い詰める。が、犯人に先を越されて自身がその生贄にされようとする。

 頻発するネット犯罪、機密の漏洩、詐欺、脅迫などに警鐘を鳴らしているように見える。ダイアン・レインが、出演当時42歳か43歳だろうけど意外に老けて見える。生活の疲れというものが現れているように思われた。やはり女優は、美しく輝やいていないと価値が半減する。

          
 
           
           
監督
グレゴリー・ホブリット1944年11月テキサス州アビリーン生まれ。

キャスト
ダイアン・レイン1965年1月ニューヨーク生まれ。’02「運命の女」でアカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ、’03「トスカーナの休日」がヒット。ゴールデングローブ賞にも2年連続ノミネートされたいる。
ビリー・バーク1966年11月ワシントン州べリングハム生まれ。
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映画「ザ・クリーナーCLEANER ’07」劇場公開2009年2月

2011-01-19 15:32:30 | 映画

              
 殺人現場や自殺の現場のあとを何事もなかったかのようにクリーン・アップする。ネットで調べると日本にも事件現場清掃会社がある。警察や葬儀社ではこれらのことは扱わない。

 元警官のトム(サミュエル・L・ジャクソン)は、そんな清掃会社の社長をしている。警察からの依頼がファックスで届く。生憎社員が出払っていてトム自らがその邸宅に赴く。
 リビングの白いソファのコーナーとその後ろの壁に血しぶきが飛び散っていた。翌朝、返却を忘れたその家の鍵をポケットに発見する。

 返却しに行ったが、そこには大勢の子供たちとこの家の女主人アン(エヴァ・メンデス)がいて怪訝な顔をするだけで話が通じない。依頼してきた警察に確認するが、そんな刑事はいないとつれない返事。一体どうなっているんだ! 

 トムは警官仲間で親友のエディ(エド・ハリス)に相談する。ところが事件は意外な展開を見せ始める。心に響く映画でもないし、溜飲が下がることも無い。演技派の二人の俳優を使いながら平凡な作品にしてしまった。
           
           
           
           
           
監督
レニー・ハーリン1959年3月フィンランド生まれ。’90「ダイハード2」に抜擢され、’93「クリフハンガー」などのヒット作品がある。

キャスト
サミュエル・L・ジャクソン1948年12月ワシントンDC生まれ。’91「ジャングル・フィーバー」でカンヌ映画祭助演賞を受賞。’94「パルプフィクション」で注目され’95「ダイハード3」で地位を確立。
エド・ハリス1950年11月ニュージャージー州テナフライ生まれ。’95「アポロ13」でアカデミー助演男優賞にノミネートされるなど演技派として活躍。
エヴァ・メンデス1974年3月テキサス州ヒューストン生まれ。
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映画「96時間 Taken’08」劇場公開2009年8月

2011-01-17 11:37:09 | 映画

              
 自分の娘がパリで人身売買組織に誘拐され、96時間以内に探し出さないと、永遠の別れを告げることになる。そんな窮地に立ったのは、元CIA捜査官ブライアン(リーアム・ニーソン)だった。

 娘を取り返そうとする男の憤怒は、留まるところを知らない。娘キム(マギー・グレイス)と電話で交信中事件が起きブライアンの指示で観察した少ない情報を元に犯罪組織を追及していく。
 とにかく、法というものを無視した破天荒のアクジョンが展開される。銃撃、猛スピードの車の疾走=しかも 逆走する。格闘=頸の骨や腕の潰れる音。なんともすさまじい。

 オークションで女を競売する男を追い詰めたブライアン、娘の行方を吐かせたあと全く躊躇せず銃弾を浴びせる。映画とはいえこの男を生かしておくような展開にすれば観客は金を返せと怒鳴り込むだろう。
 その男が死んだ時、なぜかほっとして溜飲が下がる思いだった。観客を味方につけて暴れまわるブライアン。感情移入した観客は、娘を取り戻したブライアンに喝采を送る。日ごろの鬱憤を少しはこれだ晴らすことが出来るだろう。
         
         
         
         
         
         
監督
ピエール・モレル1964年5月フランス生まれ。

キャスト
リーアム・ニーソン1952年6月イギリス、北アイルランド生まれ。’98「シンドラーのリスト」でアカデミー主演男優賞にノミネートされる。
マギー・グレイス1983年9月オハイオ州コロンバス生まれ。
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映画「サブウェイ123 The Taking of Pelham 123’09」劇場公開2009年9月

2011-01-15 12:40:18 | 映画

              
 ニューヨークの地下鉄、ペラム駅午後1時23分発の列車が乗っ取られる。ライダー(ジョン・トラヴォルタ)を首班とする男たち。その列車は、一両を残して切り離される。

 犯人の要求は、100ドル紙幣で1000万ドルを1時間以内に届けること。時限に遅れた場合は、1分毎に人質を殺すという脅迫だった。
 通信司令室のガーバー(デンゼル・ワシントン)がその応対に当たる。警察や市長もやってきて、1000万ドルを引き渡す決定が行われた。

 この手の映画では、結末はおおよそ見当がつくもので、案の定ライダーはガーバーによって射殺される。特に目新しさはなく物語の展開に苦心しているように思えてならない。
 現金輸送のパトカーが、タクシーに激突したり、そのパトカーが大破して、伴走していた白バイが手分けしてバッグを運ぶ。猛スピードで走るパトカーや白バイ。ただそれだけで緊迫感に欠ける。

 犯罪映画には、ある種の挽歌が漂うが、それがなかった。ライダーとガーバーとのやり取りに、人間的な側面を描けばまた違ったものになったかもしれない。
          
          
          
          
監督
トニー・スコット1944年6月イギリス、ストックトン生まれ。’86「トップガン」がヒット。

キャスト
デンゼル・ワシントン1954年12月ニューヨーク州マウント・バーノン生まれ。’01「トレーニングデイ」でアカデミー主演男優賞受賞。黒人俳優としてシドニー・ボワチエ以来の二人目。ジョン・トラヴォルタ1954年2月ニュージャージー州イングルウッド生まれ。
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映画「結婚の条件Book of Love’04」劇場未公開

2011-01-13 11:13:08 | 映画

               
 妻から年下の男とセックスをしたと告白されたら、あなたならどうするだろうか? 女子高で歴史教師をしているデイヴィッド(サイモン・ベイカー)と妻のエレイン(フランシス・オコナー)は、田舎町のアイスクリーム・ショップのアルバイト店員16歳のチャット(グレゴリー・スミス)と知り合う。

 親しくなるにつれチャットを夕食に招く。楽しい夜が過ぎていきワインの酔いで寝込んでしまったデイヴィッド。残されれ二人が話し込むうち、いきなりチャットがエレインにキスをする。

 別の日の昼中チャットが訪ねてくる。エレインとチャットは、激しいセックスで午後が過ぎていく。その事実を告白されたデイヴィッドは、学校のトイレで号泣する。表向き現さなかった一面だった。三人三様の苦渋を抱えた。
 結局最後は、別々の人生を歩むというありきたりの結末だった。何も映画にしなくてもいいようなストーリー展開だった。
           
           
           
 このエレインを演じたフランシス・オコナーの化粧に、女は化けるという言葉がよく分かる変身を見た。女はいいなあ! 化粧でいくらでも誤魔化せるんだから。というのが唯一の感想だった。
           
           
監督
アラン・ブラウン

キャスト
フランシス・オコナー1967年6月イギリス、ウォンタージュ生まれ。
サイモン・ベイカー1969年7月オーストリア、ランセストン生まれ。
グレゴリー・スミス1983年7月カナダ、トロント生まれ。
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映画「エグザム EXAM ’09」劇場公開2010年7月

2011-01-11 13:10:55 | 映画

              
 究極の就職試験。ブルーの洒落たスーツに糊の利いたワイシャツ、臙脂に黄色の細かいペーズリー模様のネクタイ、顔が映るくらい磨き上げられた黒靴。髭の剃り跡も生々しくコロンの香り、口元はホワイトニングの真っ白な歯並び、長い睫毛の精悍な目元、サッパリと整った顔立ちの男。

 淡いピンクかと思われる色合いを秘めたビジネス・スーツ、清楚な白いブラウスの胸元は、谷間を少し窺わせる程度の開き具合のブロンドの女。
 こういう人間を見ると人はどのように感じるのだろうか。教養があって優しい思いやりに満ち、いつでも手を差し伸べますよという我らの味方と思うだろう。

 この就職試験ではそんなものは一切通用しない。窓のない密室で激しい生存競争が繰り広げられる。最終試験の受験者は、8人。男女半々、国籍もまちまち。ただ、守らないと失格になるルールが存在する。

その1、試験監督または警備員に話しかけてはならない。
その2、自分の試験用紙を破損してはならない。
その3、部屋から出てはならない。

 与えられた時間は、80分。試験監督は、注意事項を告げてデジタル時計を押した。79:59 1秒経過。答えは一つ。試験用紙は、まったくの白紙。何も書いていない。全員が戸惑う。
 一人の受験者が、用紙に何かを書いた。警備員は、つまみ出した。用紙を破損したとみなされた。

 一体どうすればいい? 全員が試されていた。徐々にエゴがうごめく。外見なんて何の役にも立たない。たった一つの椅子を求めて、一つの答えを模索する。一体どういうことなんだ。謎が増幅する。
 受験者のみならず、観客も動揺しうろたえる。最後に銃弾に倒れた男とブロンドの女が残る。時間切れだ。

 試験監督が入ってきて言う。
「細胞の急速な再生、薬の力だ。ウィルスを全滅させ変異を治す」
「魔法の弾ですね」ブロンドが言う。
「大勢の命を救う。こうした突破口が、予期せぬ事態を招く。耐え難い板ばさみだ。この薬は必要だが、1回の生産量は限られる。決断力のある賢い管理者が不可欠だ。人の話しに耳を傾けつつ、詳細に気づける者、かつ仲間への思いやりがある者だ。どうだ?」
ブロンドに向かって言う。

 確かに、真の人物を発掘するにはこのようなテストが有効かもしれない。これを監督したスチュワート・イゼルダインは初作品をこのような斬新な切り口で観客に迫る。、キャストも有名どころではないが、斬新なテーマで密室だけのシチュエーションという限られた動きの少ない場面設定に、うまくミステリアスなスリルを織り込んで出来上がりは見事。
            
            
            
            
監督
スチュワート・イゼルダイン1971年6月イギリス、サリー生まれ。
               
キャスト
ルーク・マブリー1976年3月ロンドン生まれ。ほか
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