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映画「トゥルース 闇の告発The Whistleblower’10」劇場未公開

2012-01-31 11:38:52 | 映画

              
 国連平和維持活動の裏に世にも汚い人身売買に手を染めていたとは信じられない。これはその告発の映画だ。

 ネブラスカ州リンカーンで警官の職ついているキャシー(レイチェル・ワイズ)は、離婚して夫のもとに一人娘を残していて、娘の近くの警察署への転勤を希望していた。しかし、州の裁定はノーだった。
 上司に苦情を言っていたとき10万ドルの報酬の話があるといわれる。それが国連平和部隊への転進だった。

 この国連部隊は、イギリスに本拠がある民間の軍事会社が組織したものだった。キャシーは、ボスニアへと旅立つ。お馴染みのブルーのベレー帽と白色塗装のジープに黒くUNとペイントされているのは善意の部隊のはずだった。
 ところがボスニア・ヘルツェゴビナ・サラエボでは犯罪者集団といってもいい状態だった。

 キャシーが調査のファイルを密かにイギリスに持ち出しBBCにすべてを公開した。映画は少し暗い印象で進んでいく。銃撃やカーチェイス、爆発などのアクションは一切ないが、観る者を捕らえて離さない。事件が公になった後も関係した人間のうち一人も訴追されなかった。それは、国連の訴追免除の規定のためなのだろう。
 国連の現地高等弁務官(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)の国連部隊員の免責ではないという主張も届かなかった。これが劇場公開に至らなかったのは何故なのか。訴えるものがあると思うが。
          
          
          
          
          
          
          
監督
ラリーサ・コンドラキ トロント生まれの女性監督。
キャスト
レイチェル・ワイズ1971年3月ロンドン生まれ。
デビッド・ストラザーン1949年1月サンフランシスコ生まれ。
ヴァネッサ・レッドグレーヴ1937年1月ロンドン生まれ。
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映画「ラスト・ターゲット The American ’10」劇場公開2011年7月

2012-01-26 09:40:05 | 映画

               
 ジョージ・クルーニーが珍しく悪役を演じる。珍しくと言ったが初めてではないかと思う。殺し屋の注文を受けて銃を製作する男を演じる。

 冒頭、雪の山小屋で愛し合ったあと雪原に出る。銃弾が掠める。相手の男を仕留め、女に「警察に電話しろ! 急げ!」と言いながら女が向きを変えたとたん後ろから射殺する。
 非情で残酷で孤独なこの男ジャック(ジョージ・クルーニー)は、警察沙汰なんて考えもしないこと。身の危険は避けて通り迫った危機は暴力と銃によって片付ける。

 ある日、女の殺し屋から銃の注文を受ける。その銃の製作中に娼婦クララ(ヴィオランテ・プラシド)と出会う。この運命の出会いがジャックにこの稼業から足を洗う決心をさせる。

 殺し屋の組織は、おいそれと承諾するわけがない。ジャックは狙われる。村の中で頭目と相撃ちになり、ジャックは腹に銃弾を食らう。朦朧としてクララの待つ場所へ車で急ぐ。

 幸せを掴みかけた男と女。手が届く寸前にそれは流れ去った。イタリアの小さな村。マックもケンタッキー・フライド・チキンもファミレス・ガストもない素朴な田舎の村。
 村の一本の道は、山肌を縫ってくねくねと延びる。静かな中に徐々にサスペンスが盛り上がるはずなんだが、いま一つそれがない。
 娼婦クララのヘア丸出しの裸体がなければ退屈な映画だったかもしれない。ジョージ・クルーニーファンには、よかったのかもしれないが。
         
         
         
         
         
         
監督
アントン・コルベイン1955年5月オランダ生まれ。
キャスト
ジョージ・クルーニー1961年5月ケンタッキー州レキシントン生まれ。
ヴィオランテ・プラシド1976年5月ローマ生まれ。
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海外ドラマ「 24Twenty Four ファイナルシーズン」

2012-01-23 20:37:50 | 海外テレビ・ドラマ

              
 ついにジャック・バウアーの最後の正義が完遂される。アメリカのテイラー大統領(チェリー・ジョーンズ)が力を入れてきた和平協定調印のため、カミスタン・イスラム共和国大統領オマール・ハッサンがニューヨークを訪れていた。

 一方、ジャックは娘のキム家族と同居するためロサンジェルスへ旅立とうとしていた。ところが銃撃で傷を負った情報屋が「ハッサン大統領の暗殺計画がある」という情報を持ってジャックに助けを求めてきた。CTUに連絡した結果がせっかく引退を決意したのに事件に深くかかわっていく。

 ロシア・マフィアの影もちらつき、CTUは、かつてマフィアに潜入捜査をしたFBIの元捜査官ルネ・ウォーカー(アニー・ワーシング)に再度潜入捜査の依頼をする。それを聞いたジャックは強く反対するが、ルネの意志が固くしかもなにか思いつめて危険な感情を秘めているように思われ、ジャックはルネとパートナーを組むことをCTU支部長ヘイスティングス(ミケルティ・ウィリアムソン)の許可を得る。そのときヘイスティングスは「この事件の解決まで手を引くな」と条件を出す。

 ハッサン大統領の和平に反対する過激グループがニューヨーク・マンハッタンで核爆弾の爆破と引き換えにハッサン引渡しを要求してきた。多くのニューヨーク市民の犠牲を除くためハッサン大統領は自らその要求に応えた。しかし、CTUの追跡も実らず処刑現場を見る羽目になる。それでも、何とか過激派グループの殲滅には成功する。

 一件落着しジャックはルネと愛の時間をすごす。ルネが「私には誰もいないし行くところもない」と言ったとき「いや、俺がいるよ」とジャック。ルネは心持ほっとした表情を見せる。そんな経過が二人を結ばせた。
 今、満ち足りた二人の時間、ジャックはキッチンでコーヒーの準備をしていた。そのとき、窓ガラスにびしっと言う音がして、振り返ったジャックが見たのはルネが倒れている姿だった。ルネは帰らぬ人となった。

 ルネが狙われるということは、ロシア・マフィアと関係があることを示唆していた。これを境にジャックは豹変する。殺戮マシーンと化した。まるで夜店の射的場のようにころころと人が死んでいく。

 いずれも悪いやつらだから一向に構わないが。しかし、クロエ・オブライエン(メアリー・リン・ライスカブ)は心配している。そのうちにジャックは、黒幕が元大統領のチャールズ・ローガン(グレゴリー・イッツェン)とロシア大統領だという情報を引き出す。ジャックはロシア大統領狙撃に向かう。

 クロエは単身ジャック説得に向かう。クロエの説得に翻意したジャック。あくまでも和平協定に執念を燃やすテイラー大統領。そこへ政界復帰をもくろむチャールズ・ローガンに操られジャックを抹殺しようとまでしたテイラー大統領から自身の間違いを認め法の裁きを受けるという言葉とジャックには国外へ出たほうがいいと助言を与えた。

 そしてジャックはクロエに言った。「クロエとはじめて会ってから、こんなことになるとは思いもしなかった。キムのことは頼む。ロシアから狙われかも知れないから。ありがとう」

 CTUの事務所のクロエと無人偵察機の映像との別れのシーン。「24」で初めて涙が流れた。クロエの涙も。クロエはジャックが好きだったのかもしれない。そんな余情の残る場面だった。

 それに、ジャックは心底優しい男だ。ルネが殺されたとき、死を賭して正義を貫くと同時に、ルネの無念を晴らそうとする。愛に命を賭ける。まさに男の行く道だろう。ああ、これで私も好きなクロエ・オブライエンともお別れだ!
              
              
              
              
              
              
              


キャスト
キーファー・サザーランド(ジャック・バウアー)
メアリー・リン・ライスカブ(クロエ・オブライエン)

アニー・ワーシング(ルネ・ウォーカー)
チェリー・ジョーンズ(アリソン・テイラー)
アニル・カブール(オマール・ハッサン)
グレゴリー・イッツェン(チャールズ・ローガン)
ミケルティ・ウィリアムソン(ブライアン・ヘイスティングス)
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海外ドラマ「 24Twenty Four シーズン7」

2012-01-19 13:02:40 | 海外テレビ・ドラマ

              
 今回もテロリストに脅迫されるアメリカ。相変わらず政権内にいるスパイ。CTUが解体されて今回は、FBIの出番。

 トニー・アルメイダ(カルロス・バーナード)が生きていて国内のテロ組織に加担しているらしいと言う情報で、公聴会で証言していたジャック・バウワー(キーファー・サザーランド)は、FBI捜査官ルネ・ウォーカー(アニー・ワーシング)の依頼を受ける。
 二転三転するストーリに加え今回はジャックが生物兵器の病原菌に犯され症状を抑える薬をうちながらの大活躍である。
           
           
           
           
           

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映画「127時間 127 Hours ’10」劇場公開2011年6月

2012-01-15 11:11:34 | 映画

              
 アウトドア派でクライマーのアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)。岩の割れ目を降りるとき、手にかけた岩が滑り落ちて右手がその岩と岸壁に挟まれてしまう。この岩は頑固でよそよそしくふて腐れているようにびくともしない。さあ、困った。茫漠たる広野に置き去りにされたと同様に偶然でも人と会うことは絶望的だった。

 アーロンは一人暮らしで母からの電話にも出ないし、ガールフレンドの電話にも出ない。留守電任せで車に飛び乗り、夜の国道をブルー・ジョン・キャニオンへ向けてアクセルを踏んだ。

 こういう場面は私の大好きなシーンで、私も登山に熱中していた頃はアーロンと同様にナイトランで目的地に向かったものだ。何が良いかといえば、車に一人で煩わしさもないし、好きな音楽を聴きながら、がら空きの国道を疾駆する快感は仕事の疲れを癒してくれる。
 ガール・フレンドといちゃつくのもストレスを癒してくれるが、山の持つ自然の霊気にはそれらを超えるものがある。

 ブルー・ジョン・キャニオンへの入り口には車2台とテントが二張り。その間に車を乗り入れ、車中で仮眠。これも私のやっていたこととそっくり。翌朝、キャニオンを目指すがここが私とは大違い。
 キャニオンまで35キロを起伏のある広野をMTBでぶっ飛ばす。思わず「ああ、いいなあ!」とため息が出る。私にはもう出来ないことだから。

 この映画を技術論的に見るのもいいだろう。でも私には、どうも過去の憧憬が甦ったような気分になったらしい。それに気に入ったセリフがあった。アーロンは、ソニーのデジカメ、キャノンのビデオ・カメラを持ってどこでも何でも撮る癖がある。ラストで切り離した腕が岩に挟まった様子をデジカメで撮るぐらいだからね。

 手首から先が青く変色して壊死の様相が見える。レザーマンらしき万能ナイフで腕を斬るが、まったく斬れない。死ぬかもしれないと覚悟を決めてビデオにコメントを入れる。
「決して中国製のナイフは買わないように。これは母からのプレゼント」かつての安かろう悪かろうの日本製品を思い出させる。いまや世界中で安くて悪い製品の代名詞が「中国製」になったのかも。

 そして、おろそかにしてはいけないのが、行き先を告げずに出かけることだ。いつ、何処へ、そしていつ帰る。もし、谷間に落ちて途方にくれたくなければね。私にとって青春の血がたぎった映画だった。
           
           キャニオンへの入り口
           
           さて、出発
           

           
           
           
            
           
           切り離した自分の腕をパチリ!
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読書「かくれさと苦界行」隆慶一郎

2012-01-11 10:50:45 | 小説

              
 「吉原御免状」のその後である。吉原惣名主西田屋三代目・庄司又左衛門を名乗る松永誠一郎。宮本武蔵から伝授された二天一流の名手。

 惣名主(そうなぬし)とは、自治的・地縁的結合による共同組織で、その指導的立場を言う。平たく言えば遊里の親玉だろうか。

 老中酒井忠清が、その御免状を狙って裏柳生の義仙を使って奪取しようとする。荒木又衛門まで絡んでくる。
 誠一郎には、幻斎 という唐剣の遣い手である参謀がいる。剣の達人にまとわりつく心象が物語の展開に従って納得させられるのも著者の力量か。つまり、数多くの敵を倒し味方も失った。やむを得ないとはいいながらも心の重荷として居座っている。剣豪は剣で死ぬ。
 ましてや、93歳になる幻斎にとっては、愛妻の腹の上で死ぬなんて、最低の死に方と心得ている。

 物語はクライマックスに到達する。荒木又衛門と幻斎の果し合いだ。ともに嬉々として死の決闘に赴く。そして立会人は、松永誠一郎。スーパースターの揃い踏みといったところか。

 そして、剣の達人は性技も達人で、幻斎なんて93歳なのに吾妻という20代の女を狂喜させている。荒木又衛門の巨根、松永誠一郎の女を狂わせるソフトな愛撫。なかなかの芸達者な連中ではある。

 こればかりではない、著者の薀蓄あるところも垣間見える。西洋の処刑と東洋の処刑の違い。
 引用すると「憎しみのあまり、あるいは見せしめのために、肉体を切り刻んで殺すというのは西欧流のやり方である。いわゆる『鉄の処女』などという処刑用具を見ると、これでは即死である。
 東洋の処刑は違う。その特徴は、何よりも生かしておくことにある。無理にも死なせないのである。ペニスを切り取って寿命の尽きるまで生かしておく宦官(かんがん)の罰。手足を切断して手当てを加え、生きながら甕(かめ)に入れ、厠(かわや)の底の置いたという西太后(せいたいこう)の処刑。立つことも坐ることも、勿論寝ることも出来ない檻に入れて獣なみに餌を与え、一生飼い続けるという罰の方法もある」想像しただけでも背筋が凍る。

 そして吉原の女については「吉原の太夫は、売る女であって、売られる女ではない。そして己を売るのは、惚れた場合だけなのである。つまり太夫は恋の相手であって、単なる情交の相手ではない。
 客としては太夫に恋をし、何とかして太夫にも恋させなければ、断じて肉体関係には入れないことになる。一旦、恋の関係を築けば永年の伝統によって磨き上げられ繊細化された性技が来る。恋という精神的要素に、この絶妙巧緻な肉体的快楽が重なるのである。そこにこそ吉原の太夫たちの『処女の及ぶところにあらず』という絶大な自信のよってくるゆえんがあった」

 松永誠一郎は、過去に高尾、勝山という女に惚れられた。そして、性技を仕込まれたのである。そして、剣士の決闘には死の美学が漂う。
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海外ドラマ「 24Twenty Four シーズン6」

2012-01-06 11:53:40 | 海外テレビ・ドラマ

                

 シーズン5でデイビッド・パーマー元大統領が暗殺されるが、その黒幕がなんとジャック・バウワー(キーファー・サザーランド)の弟グラハム・バウワー(ポール・マクレーン)だった。それに父親のフィリップ・バウワー(ジェームズ・クロムウェル)も大統領殺しやテロに加担しているというすさまじい家庭環境。ジャックだけが正義を貫こうとする。なんとも複雑な展開だ。

 脚本を書いている人は、さぞかし混乱し元に戻すのに苦労したのではないだろうか。毎回山場を見せなければならないし脚本が大変だなあ! と観ていて思ってしまう。今回もテロのお話でデイビッド・パーマーの弟ウェイン・パーマー(D・B・ウッドサイド)が大統領を務める。いつものようにホワイトハウス内の対立が、CTUに影を落としジャック・バウワーの独断とも言える行為で事件に光明をもたらす。

 次に期待をさせる作り方だから、どうしてもハマってしまう。CTUのメンバーに支部長のビル・ブッキャナン(ジェームズ・モリソン)とクロエ・オブライエン(メアリー・リン・ライスカブ)以外に魅力的な俳優が見当たらない。それにしても毎回テロというのも新味がないとも言える。

 もう一つジャックがよくやる、引き金に指をかけて両手で銃を構える。相手を屈服させるポーズで、大声で恫喝する。CTUに拘束されて(往々にしてホワイトハウスの命令が多い)抜け出すときに、いわば同僚の捜査員にもやってのける。しかも、ジャックは結果を出して、のちにCTUのチームを指揮することもある。これで、捜査員の信頼を得られるだろか。荒っぽい脚本と言うべきだろう。
 それにしても、アメリカの俳優は雲霞のごとくいる。一部を除いてハリウッド映画ではチョイ役どころか?
           
           
           
           
           
           
           

キャスト
キーファー・サザーランド(ジャック・バウワー)
メアリー・リン・ライスカブ(クロエ・オブライエン)
ジェームズ・モリソン(ビル・ブッキャナン)
D・B・ウッドサイド(ウェイン・パーマー)1969年7月ニューヨーク市クイーンズ生まれ
ジェイン・アトキンソン(カレン・ヘイズ)1959年2月イギリス生まれ、ブロードウェイのトニー賞に二度ノミネートされる。
ポール・マクレーン(グラハム・バウワー)1961年1月ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ
ジェームズ・クロムウェル(フィリップ・バウワー)1940年1月ロサンジェルス生まれ。’95「ベイブ」でアカデミー助演男優賞にノミネート。
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