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読書「ジェイコブを守るためDefending Jacob」ウィリアム・ランディ

2021-04-20 15:39:46 | 読書
 これは家族愛の物語である。舞台は、実在するマサチューセッツ州ミドルセックス郡ニュートン、ボストンの西に隣接しボストンへの通勤者の住宅地で、治安の良さで有名。
 広い公園の奥は鬱蒼と茂る樹々に囲まれ、誰もが羨む住環境なのだ。この公園には起伏のあるジョギング・コースがあって、ジョギングをしていた女性が死体を発見した。被害者は、近くに住む14歳のベン・リフキンだった。

 着衣にたった一つついていた指紋がジェイコブ・バーバーのそれと一致した。容疑者として逮捕される。ジェイコブ・バーバーの父親は、ミドルセックス地区検事局の首席検事補の立場にあるアンディ・バーバーなのだ。

 当初アンディは、捜査に参加して前歴のあるレナート・パッツに焦点を合わせていた。ところが自分の息子ジェイコブの逮捕によって停職を命じられる。妻ローリーともども今までの生活が一変する。

 逮捕されたのが地区検事補の息子ということでビッグ・ニュースとして衆目を集めることとなった。近所の冷たい視線、ジェイコブのクラスで親しくしていた母親たちのとってつけたような態度、スーパー・マーケットで密かに指される指先。当然、保釈金を積んで帰宅したジェイコブを囲む夫婦の悩み。

 何としてでも守ってやりたいジェイコブではあるが、永年秘めてきた家系の真実を伝える時が来た。まったく見捨てていた父親にもジェイコブのことを伝えておかないといけないとアンディは考える。隠していてもいずれ公にされることは確実だからだ。それは、曾祖父、祖父、父が殺人者だった。父は今も服役している。

 驚愕と落胆と怒りに包まれるローリー、戸惑うジェイコブ。これらの背景から弁護士は、ジェイコブに精神科医の診断を勧める。その結果ジェイコブには、「自己愛性人格障害NPD」と「反応性愛着障害RAD」の兆候があると診断される。上記二つの障害をひと言でいうのは難しい。自身が他者より優れていると思い込み、他者とのコミュニケーションがぎこちないとも言える。

 級友のジェイコブに対する不利な証言に加え、ポルノ小説まがいの犯行を示唆する短編が出るに及んでジェイコブの立場が揺らぎ始める。

 前半は家族、後半は法廷という本格的なリーガル・サスペンスとなっている。この物語は意外な悲劇で幕を閉じる。アンディの父が重要な役割を担うが、ややご都合主義的かなと思ったりするが、全体として読者を惹きつけてやまない作品だ。この作品は、アップルテレビでドラマ化されている。その雰囲気をこちらでどうぞ!

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音楽「インターネット放送AccuRadioのBeautiful Musicの中から素敵な音楽を……」

2021-04-17 16:38:42 | 読書
 今日は「Till there was youあなたに会うまでは」。
歌詞は、
There were bells on a hill
But I never heard them ringing
No, I never heard them at all
Till there was you
There were birds in the sky
But I never saw them winging
No, I never saw them at all
Till there was you
Then there was music and wonderful roses
They tell me in sweet fragrant meadows
Of dawn and dew
There was love all around
But I never heard it singing
No, I never heard it at all
Till there was you
丘の上に鐘があったんだ
でも、鳴っているのを聞いたことがない
そう、一度も
あなたに会うまでは……

空に鳥が見える
けど、羽ばたいたのを見たことがない
そう、一度も
あなたに会うまでは……

音楽と素敵なバラの花束が
教えてくれるのは
朝露が甘く香る草原のことを
そこには愛があふれていたけど
歌声は聴こえなかった
そう、一度も
あなたに会うまでは……

そう、心から愛せる人が現れたら人生は一変、雨の日でも晴れの気分、いつもの通勤の道も素敵なプロムナードに思える。これは青春の歌。

 アメリカの作曲家メレディス・ウィルソンによって書かれたミュージカルのための曲で、ビートルズによるカバーが有名。多くのアーティストによるカバー曲がある。

 ロッド・スチュワートの歌唱が耳に心地よい。しかし、この曲も101ストリング・オーケストラの演奏が落ち着く。初恋の彼女でも思い出しながら聴いてみましょう。

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音楽「インターネット放送AccuRadioのBeautiful Musicの中から素敵な音楽を……」

2021-04-10 20:53:58 | 音楽
 今日は、「You and the Night and the Musicあなたと夜と音楽と」。1934年ブロードウェイのショー「リベンジ・ウイズ・ミュージック」でデビュー。

 この曲は、フランク・シナトラ、ビル・エヴァンス、チェット・ベイカー、スタン・ゲッツ、キース・ジャレット、ジュリー・ロンドン、ジェイミー・カラム、レニー・ニーハウスなどのレコーディングで、ジャズのスタンダードになっている。

まず歌詞を見てみよう。
You and the night and the music fill me with flaming desire
Setting my being completely on fire!
You and the night and the music thrill me but will we be one
After the night and the music are done?
Until the pale light of dawning and daylight our hearts will be throbbing guitars
Morning may come without warning and take away the stars
If we must live for the moment, love till the moment is through!
After the night and the music die, will I have you?

「あなたと夜と音楽は、秘めた欲望が燃え上がり、私たちは一つになる。その夜と音楽が過ぎ去り、夜明けの光芒の中で心が震えている。もし、私たちが生きていくとすれば、その終わりまで愛し合っているだろうか?」という大意になるのだろうか。もう、これは大人のラブストーリーといってもいいだろう。

 ジュリー・ロンドンが歌うのは、少しテンポが速い。スローバラードが好きな私にはジャッキー・グリーソン・オーケストラ(Jackie Gleason)が雰囲気にぴったりに思える。

 ジャッキー・グリーソンは、俳優・コメディアン・ミュージシャン。1916年ニューヨーク生まれ、1987年71歳で他界。

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国際「アメリカ民主党とバイデン大統領が亡国の輩に見えてきた」

2021-04-06 13:50:58 | 国際
 わたしは日ごろ国際問題や国内政治問題について、ネット上で発信されている意見や解説の動画を見ている。例えば、参議院議員の青山繁晴さんのサイト、政府参与の高橋洋一さん、公平な意見を述べられる及川幸久さん、Harano Timesさん、張楊さん、松田研究所さんなどなど。

 つい最近見た及川さんの動画に驚いた。3月末にジョージア州議会が有権者ID法を可決したことを巡って反対の渦が回っている。象徴的なのが大リーグ(MLB)で、今年のオールスター・ゲーム開催予定地がジョージア州アトランタであったのをID法反対のために他州に移すと決定した。これはMLBのスポンサー企業100社の反対意向を受けたものと受け止められている。

 当然、バイデン大統領も「アフリカ系アメリカ人に負担をかけるものだ」と人種差別だとして反対の意向だ。これらに対して「ボストンのレッドソックスのホームグラウンド、フェンウェイ・パークでは、チケット購入、ビール購入、クレジットカード使用でIDが必要なのに投票でIDがいらないのか?」や「ジョージア州有権者法(ID法)に反対の会社の企業、自社の株主総会にはIDを要求している」という矛盾を指摘する。

 ラスムセンという調査会社によると、有権者ID法に賛成のアメリカ人は、75%、黒人でも69%だという。民主党支持者でも、50%は賛成なのだ。良識がある人なら、当然賛成するでしょう。不正があったとかなかったとかに関係なく。

 そんな中で、一方のバイデンはワクチン接種した人にワクチンパスポートを発行、これがない人は飛行機にも乗れないという差別を目論む。ただこれに賛成の人は41%で反対が50%らしい。民主党左派とバイデンは何をやっているのやら。MLB,デルタ航空、サウスウェスト航空、アメリカン航空、コカ・コーラ、デル、AT&Tが反対に名を連ねている。

 認知症気味のバイデン亡国へと突っ走っているのか。 と思わざるを得ない。

コメント (2)
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読書「ザ・プロフェッサー」ロバート・ベイリー著

2021-04-05 11:08:28 | 読書
 アラバマ大学ロースクールの教授トム・マクマートリー69歳が主人公。3年前に妻のジュリーを亡くし、自身も膀胱がんに悩まされている。

 教授は優秀な学生を多く輩出しているが、とりわけ目端が利いてそつのないジェイムソン・タイラーと大器晩成型といわれるリチャード・ドレイクの二人の対照的な人間性を見ることになる。

 その舞台は、実在するアラバマ州タスカルーサ。82号線とライムストーン・ボトム・ロードの交差点で起きた事故で、トムとリチャードに対してジェイムソン・タイラーが対峙する。

 事故は、午前10時30分ごろだった。ウィリーストーン運送の運転手ハロルド・デューイ・ニュートンは急いでいた。目的地はモンゴメリー。法定制限速度65マイル(約104キロ)で1時間半の距離。

 この会社の社長は、運転手をこき使う。顧客との約束時間が午前11時、ガソリンを満載して18輪トレーラーをスタートさせたのが10時を過ぎていた。過酷な労働への不満と二日酔いで気分は最悪、カントリー・ミュージック専門局のラジオのスイッチを入れるとジョージ・ストレイトの「アマリロ・バイ・モーニング朝までにアマリロ」が流れてきた。少しは気分がよくなった。

 ハロルドは、時間を取り戻すためにアクセルを踏み込み時速85マイル(約136キロ)まで上げた。前方に緩やかな坂があり、その先の突端だけ見える信号機が青になっていた。その角にあるテキサコのガソリンスタンドの屋根も見えていた。
 信号が赤に変わらないのを祈りながら、坂を駆け上がってみると赤いアコードが左折しようとしていた。ところがこのアコード、トレーラーを見て止まってしまった。
 必死の急ブレーキも間に合わず衝突して爆発炎上した。アコードに乗っていたのは、弁護士のボブ・ブランドショーと妻のジーニーそれに2歳の娘ニコル。この事故でトラック運転手もボブの家族も全員死亡した。

 トム・マクマートリー教授は、夜一本の電話を受けた。相手は、トムの学生時代3年間つきあっていたルース・アンだった。相談事があるというので、フィフティーンス・ストリート・ダイナーでのランチに誘った。

 かなり長い年月会わなかったルース・アンではあるが、ストロベリー・ブロンドの髪には白髪が混じっているが、緑の瞳に長い脚、引き締まったウェストは昔のままだ。トムは立ち上がって彼女を迎えた。ハグすべきか、頬にキスするべきか迷ったが、彼女から手を差し伸べてきた。

 相談事というのは、82号線の大事故のことだった。アコードに乗っていたジーニーは、ルース・アンの娘だった。警察の事故報告書にアコードが交差点を左折したというガソリンスタンド従業員の証言もあるが、娘婿のボブはそんなことをしないと強く言う。

 証拠を探すのは大変だろうし、形勢は不利ながらトムがしばらく感じていなかった男が女に惹かれるときのぞくぞくする興奮を久しぶりのルース・アンに感じ、それも後押ししたのかこの案件を地元出身のリチャード・ドレイクに委ねることを頭の片隅に浮かんでいた。というわけでし烈な法廷闘争へと展開していく。しかも相手被告の弁護士は、教え子のジェイムソン・タイラーときている。

 被告のジャック・ウィリストーンは狡猾な奴で、証人を次々と殺したり脅したりして原告側のリチャード・ドレイクも苦戦を余儀なくされる。世にリーガル・サスペンスとかリーガル・スリラーの類の小説が意外に少ないのは、読者に説得力のある物語が書けるかどうかにあるのではないだろうか。法律論を延々と法廷で展開されても、素人の読者には退屈なのだ。

 そういう意味も含めてこの作品を料理にたとえてみれば、B級グルメの範疇ではないかと思う。とはいてもB級グルメの美味しさに堪能できることは請け合いだ。もちろんハッピーエンド。

 著者のロバート・ベイリーは、アラバマ州出身。アラバマ大学ロースクールを卒業後、地元ハンツビルの弁護士を経て2014年に本作で作家デビューした。

 それでは、18輪トレーラーの運転手が聴いていたカントリー・ミュージック「Amarillo by morning」をどうぞ! この動画のジョージ・ストレイトは若いが、生まれたのが1952年で現在69歳になる。今でも人気があるそうな。
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「実に不愉快なAmazon」

2021-04-02 09:46:28 | 海外テレビ・ドラマ
 わたしは今、2004年シーズン1から始まって2010年シーズン7で終了した「コールドケース」を観ている。主演の女優も好感が持てるし、他の俳優も個性的で物語の展開も楽しめる作品だった。

 昨日まではプライム会員として無料で視聴できた。ところが今日4月1日に視聴しようとしたら、なんと1話「レンタルHD(高画質)¥250」として有料になっていた。シーズン1から全部だ。なぜだろう。

 レンタル店ならこの古いDVDなら1枚100円以下で借りられる。誰がこのドラマをアマゾンで有料で見るのか。不思議で仕方がない。まさか視聴者が多くなったので課金? 今、アマゾン・プライム会員退会を考えないといけないかもしれない。4月2日に確認したら変化がない。エイプリルフールではなかった。

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