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読書と映画「夜に生きるLIVE BY NIGHT」小説デニス・ルヘイン著 映画ベン・アフレック監督・脚本・主演。

2023-06-14 09:34:56 | 読書と映画
 ボストン市警警視正トマス・コグリンを父に持つ、無法者と自称するジョー・コグリンの愛と暴力の世界を描いて読者を魅了する。弱冠20歳でギャングのボスの情婦エマ・グールドとの情欲に溺れるが、その彼女が自己保身のためにジョーを売る。コテンパンにやっつけられて屋外に出たところで、彼の父ボストン警察の急襲で命拾い。しかし、銃撃戦で警官を射殺したため刑務所送りになる。

 刑務所は人をより強くするのか、あるいは狡猾にするのか。ジョーは両方を持って出所した。服役中に親しくなったギャングのボス、マソ・ベスカトーレの指示を受けて動き出す。フロリダ州タンパで、ラム酒の密造・輸送・販売をはじめナイトクラブやもぐり酒場で利益を上げる。

 そして目を付けたのがカジノ。建設途中でストップしていたホテルを買収してリフォームの上利用するというもの。ところが問題が発生する。タンパ市警本部長アーヴィング・フィギスの美人の娘ロレッタなのだ。著者は次のように書いている。ふぃくらとした唇は髪と同じ赤ワイン色、眼は誠実な青、肌は朝の牛乳に浮かぶ甘いクリームのようになめらかな白という。彼女は美貌に自信があったのかカリフォルニアのハリウッドに行っが思いどうりにいかず、薬漬けになり娼婦に成り下がったが、矯正してキリスト教の伝道者としてもどったロレッタ。彼女の説教は万人に受け信者を増やしていった。当然カジノには批判的だった。あまりにも力をつけてきたため、ボスのマソから「彼女を消せ」という指令を受けたジョーだったが無視する。

 ジョーが言う無法者とは、金品を奪うが人の命は奪わない。ギャングはそうではない。もう内部抗争で殺し合いが始まるのは目に見えている。

 AIが回答するチャットGPTがすごいが、やはりもっとすごいのは生身の人間が書く文章だろう。一例としてこの本の中から引用しよう。
ジョーがタンパ市警本部長宅のポーチでアーヴィング・フィギスを待ち会話の後の文章
フィギス「ビールでもやるか? ビールそのものじゃないが、悪くない」
ジョー「いただきます」
 フィギスは家の中に入り、ビールもどき二本を持ち、犬を連れて戻ってきた。ビールは冷え、犬は老いていた。バナナの葉ほどもある柔らかい耳をした、灰色のブラッドハウンドだった。ジョーと入り口の間のポーチに寝そべって、両眼を開けたままいびきをかいた。

 ただし映画では犬は出てこない。映画でジョーを演じるのはベン・アフレック。製作者と俳優で成功している。1972年生まれ。
ロレッタを演じたのは、エル・ファニング。
アーヴィング・フィリスをクリス・クーパー。

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