BBC one(英国放送協会)、AMC(アメリカの衛星テレビ、ケーブルテレビのチャンネル)、Cuba Pictures共同制作で、ロシアマフィアの一家を描く。
父ディミトリ・ゴッドマン(アレクセイ・セレブリャコフ)は、15年前に引退したロシアマフィアの大物だった。その息子アレックス(ジェームズ・ノートン)は、家業を嫌いまともなゴッドマン・キャピタルという投資銀行をロンドンで運営している。
「ゴッドマン・キャピタルは、ロシアと取引」「投資会社が制裁対象国と取引、FCA(金融行動監視機構)が調査」ネット上でフェイク・ニュースが飛び交う。顧客が離れる兆し。
調査の結果、このニュース源はなんと父の弟ボリス(デヴィッド・デンシック)だった。抗議のため屋敷を訪れた時、叔父のボリスはロシアからの訪問者に首を切られて殺害される。それを目の当たりにしたアレックスは、全力で逃げる。叔父がなぜ殺されたのか。KGB出身のマフィア、ヴァディム・カリャーギン(メラーブ・ニニッゼ)をムンバイで爆死を企てたからだ。一命を取り留めたヴァディムの復讐だった。
好むと好まざるとにかかわらず、アレックスはギャングの抗争に巻き込まれていく。イスラエル人の海運業とナイトクラブ経営のセミヨン・クレイマン(デヴィッド・ストラザーン)やハーバードの同級生と名乗る男の出現。また、ロシアの官僚機構もまるでギャングといってもいい。ヴァディムとの手打ち。しかし、これは表向きでヴァディムの真意はアレックス抹殺だった。アレックスの婚約者レベッカ(ジュリエット・ライランス)は、アレックスの変化につて行けず距離を置き始める。
8話まである物語の随所に山があって、最終的にはアレックスがヴァディムを射殺する。バンカーのギャングが出現する。レベッカからの着信を無視するアレックス。この続きがありそうな気がする。
要するにギャング映画ではあるが、家族の苦悶も描出され、家族のドラマとも言える。地味なネクタイにスーツのバンカーが行うクライムシーンを堪能した。どこにでもいる普通の男の非情さが鮮烈。
「マクマフィア」の題名が面白い。McはマクドナルドのMc。マックを凌駕するにはどうすればいいか。経済学的考察からギャングの勢力拡大策に触れているから見てのお楽しみ。
キャスト
ジェームズ・ノートン1985年7月イギリス生まれ。
デヴィッド・ストラザーン1949年1月カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。2005年「グッドナイト&グッドラック」でアカデミー主演男優賞にノミネート。
アレクセイ・セレブリャコフ1964年6月ソ連、モスクワ生まれ。
デヴィッド・デンシック1974年10月スウェーデン生まれ。
メラーブ・ニニッゼ1965年11月ジョージア生まれ。
ジュリエット・ライランス1979年7月イギリス生まれ。