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アカデミー賞の行方

2006-02-27 12:43:37 | 映画
 今年で78回目のアカデミー賞は、私にはちょっと興味深いことになりそうです。

作品賞と監督賞は、
 「ブロークバック・マウンテン」アン・リー
 「カポーティ」ベネット・ミラー
 「クラッシュ」ポール・ハギス
 「グッドナイト&グッドラック」ジョージ・クルーニー
 「ミュンヘン」スティーヴン・スピルバーグがノミネートされている。
 これらの作品はどれも評判がいい。
 
 主演男優賞にホアキン・フェニックス「ウォーク・ザ・ライン」
 主演女優賞にリース・ウィザースプーン{ウォーク・ザ・ライン}
 助演男優賞にポール・ジアマッティ、ジェイク・ギレンホール
 助演女優賞にフランシス・マクドーマンドがノミネートされていて興味が尽きません。特にリース・ウィザースプーンは、「メラニーは行く」であまり印象に残っていなかったので意外に思っています。その後成長したのでしょう。
 ポール・ジアマッティは「サイドウエイ」で印象に残っていて、頭のはげた中年男ながら頑張っているようです。それから、フランシス・マクドーマンドは「ファーゴ」でオスカーをとっていて、今回のノミネートもうれしい出来事になるでしょう。

 さて、作品賞を眺めてみますと、バラエティに富んでいて、ぜひ観たいと思うものばかりです。映画データベース・サイトallcinemaからの部分的な引用になりますが、まず、アン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」は、ワイオミング州ブロークバック・マウンテンの雄大な風景をバックに、二人のカウボーイの20年にわたる秘められた禁断の愛の物語。
            
       スティーヴン・スピルバーグ(左)とアン・リー
 
 ベネット・ミラー監督の「カポーティ」は、「ティファニーで朝食を」の1958年原作者で、1966年の「冷血」を執筆する過程を描いているようです。この人もゲイであったとか。
            
            ベネット・ミラー
 
 「クラッシュ」のポール・ハギス監督は、2005年のオスカー受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いています。今度は映画を監督してノミネートされ、その作品はさまざまな人種が入り混じり、人種間の摩擦と緊張が極限にまで高まるアメリカ・ロスアンジェルスを舞台に、次々と引き起こされる“衝突”の連鎖によって運命を狂わされていく人々の姿を描いているといいます。
            
            ポール・ハギス夫妻
 
 ジョージ・クルーニー監督は、TV「ER」で一躍有名になり、いまは才能を遺憾なく発揮している旬の男です。それもそのはず、叔父に名優のホセ・ファーラー叔母にポップ・シンガーのローズマリー・クルーニー、日本では彼女の「青いカナリア」がヒットしましたが、本人は歌詞もあまり覚えていないと、日本公演のときに言っていました。芸能一家に生れたジョージ・クルーニーが監督したのは、「グッドナイト&グッドラック」放送の良心としてアメリカ国民に愛されたエド・マローの生き様を描いた本格社会派ドラマ。“マッカーシー”批判と呼ばれる歴史的事件を背景に、時の権力者に立ち向かった男たちの真実の物語。しかもモノクロ映像で撮っているのもにくい演出ですね。
            
             ジョージ・クルーニー

 スティーヴン・スピルバーグの「ミュンヘン」は、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をリアルに緊張感を伴って衝撃的に描いているそうです。新聞の映画評も高い評価を下しています。

 これらの映画を全部観たいと思っていますが、DVD化されて観られるのは恐らく今年の秋か年末になることでしょう。とにかく、3月6日が楽しみです。わたしの永年の望みは、この作品賞、監督賞に日本人の名前を見ることです。アン・リー監督が受賞すれば、アジア初になります。
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映画 法廷で対決する父と娘「訴訟(’91)」

2006-02-24 14:06:09 | 映画
 かなり古い作品です。法廷物は、好んで観るジャンルです。
             
 自動車会社を訴えた原告側の弁護士で父親役をジーン・ハックマン、大手法律事務所に勤務する娘をメアリー・エリザベス・マストラントニオが演じています。
 そして娘は、事務所を代表して被告の自動車会社を弁護します。家族の絆を扱いながら、娘の父親に対する憎悪が強く出ていないので、親子の感情が氷解する場面も余情が不足して感動がないのです。期待外れでした。
 
 アカデミー賞俳優ジーン・ハックマンでもっているようなものです。1930年生まれということですから、70歳を越えていて、’04年の「ムース・ポート」が最新の映画のようです。

 娘役のメアリー・エリザベス・マストラントニオは、米原潜救助に協力する民間深海作業チームを描く「アビス」が印象に残っています。’00年の「パーフェクト・ストーム」以降映画、テレビとも出演がないようです。主婦業に専念しているのでしょう。
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映画 人間の弱さを描くサスペンス「シンプル・プラン(’98)」

2006-02-19 13:45:41 | 映画
 少し古い作品ですが、大金を前にすると人間は、なんと弱くて残酷になることでしょう。
 その大金は、450万ドル円で5億3千万円ほどになります。これが雪の原野で、墜落した飛行機からどさっと突然出てくれば、どんな人間でも心が動くはずです。誰も見ていない、しかもこの大金の持ち主は飛行機事故で死んでいる。となれば動きますね。まさに動いて、ほとぼりが冷めるまで保管することにしました。

 まじめ人間のハンク(ビル・パクストン)、ハンクの兄ジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)、ジェイコブの友人ルー(ブレント・ブリスコー)の三人は、偶然この大金を見つけます。議論の末、ハンクが預かって持ち帰ります。次から次に、この大金があるがために問題が出てきて、ついに殺人にまで発展します。
            
左からビリー・ボブ・ソーントーン、ビル・パクストン、ブレント・ブリスコー
 
 この大金をどうするかで夫婦の諍いも始まります。妻サラ(ブリジット・フォンダ)は、最初大金を見たとき警察に届けるべきだと主張していましたが、いまはその大金を手放せなくなっています。しかも不満を爆発させます。
 「飼料店(ハンクの勤め先)に30年勤め、トム(飼料店主)が引退か死ぬのを待ち やっと昇給するの?アマンダ(ハンクとサラの子供)は、よその子の古着でガマン しろと?玩具もお古 新しいのを買えないから」
 「それ以上言うな」とハンク
 「私は 私はどうなるの?毎日8時間死ぬまで愛想笑いして働けと?図書館で本 を並べ家に戻りあなたの食事を作る。いつも同じ料理 特売で買えるものばかり レストランに行くのは特別な日だけ つつましい注文しかしない。前菜は取らず デザートは家で、それで私が幸せだと?」サラは一気に吐露します。
 ハンク「黙れ」
 「ジェイコブはどうなったのよ。生活保護を受け仕事は臨時雇いだけ、ルーは、 死んだけどジェイコブは犬といる。いつまで面倒見る気?」
 「黙れ」
 「うんざりだわ。元の生活はいや」
             
 この豹変ぶりには恐ろしくなってきます。しかし、考えてみると、このように言う奥さんはたくさんいらっしゃるのでしょう。ある意味でこれが一般的な生活ですから。別の見方をすると、健康で家族に恵まれていれば幸せという人もいるでしょう。サラもおそらくそのような一人だったのですが、大金で人が変わってしまったようです。
 100ドル札という高額紙幣にFBIは、ナンバーを全部控えていて、使えばすぐ捕まってしまうことが分かります。ハンクは暖炉に札を放り込んで燃やしてしまいます。ジェイコブもルーもいなくなり、サラともいつまで一緒に居られるかわかりません。図書館の本棚に、サラが本を戻して隙間を埋める場面は、サラの表情から結婚生活の破綻が予見できたように思います。みんなばらばらになってしまいました。

 この映画を監督したのは、サム・ライミでホラー映画「死霊のはらわた」がヒットして注目され、02年の「スパイダーマン」の大ヒットで有名監督の仲間入りをしました。1959年10月ミシガン州フランクリン生れ。
             サム・ライミ
 ビル・パクストン1955年5月テキサス州フォートワース生れ。「アポロ13」以降話題作の出演が多い俳優です。
 ブリジット・フォンダ1964年1月ロスアンジェルス生れ。祖父にヘンリー・フォンダ、叔母ジェーン・フォンダ父ピーター・フォンダという芸能一家に育ち、演技の幅を持つ実力派といわれています。01年の「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のあと出演映画がありません。
 ビリー・ボブ・ソーントン1955年8月アーカンソー州ホットスプリング生れ。この作品で、アカデミー助演男優賞にノミネートされ、LA批評家協会、放送映画批評家協会助演男優賞を受賞しています。実力のある俳優のようです。
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BSE(牛海綿状脳症)について、不思議に思うこと。

2006-02-15 11:40:42 | 雑記
 アメリカ産輸入牛肉に危険部位のせき柱が混入していて、直ちに輸入停止になりました。
 食の安全にかかわることで注目されていますが、一つ不思議に思うことはアメリカ国内で消費される肉も、輸出される肉も処理施設は同じだと思うのです。これらの問題につて、アメリカの消費者の反応が見えてきません。私が見落としているのかもしれませんが。アメリカのメディアが取り上げないのでしょうか。日本のメディアが報道しないのでしょうか。不思議に思うばかりです。

 このせき柱の部位はTボーンステーキとして人気があると聞きます。私は一度食べたいと思っていましたが、今回の危険部位ということで生涯味わうことはなくなりました。以前はインターネットで注文できたようですが、いまはだめです。残念!
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人間以外の種にも同性愛!

2006-02-11 12:45:07 | 社会
 いや、驚きました。ペンギンの同性愛のニュースには。同性愛は人間だけだと思っておりました。認識が足りなかったでしょうか?

 2月9日ベルリンからのニュースによりますと、北ドイツのブレーヤーハーフェンの動物園は、フルボルトペンギンのオス10羽が同姓同士のカップルをつくり、スウェーデンから移送されたメスとの交尾を拒否し続けているということのようです。
 この試みに対し同性愛団体からの強い抗議に、動物園側は「われわれは異性間の交尾を強制しているわけではないし、同姓同士のカップルも受け入れている。だが、一組でも異性のカップルが出来、赤ちゃんが誕生するならこれに勝る喜びはない」と言っています。
 
 同性愛団体の抗議の詳しい内容はわかりませんが、セックスの目的の一つに子孫を残すという大事なことがあります。その辺を考えると、同性愛団体ももう少し大らかに対応してもいいのではと思いますが。
 それにしてもペンギンのほかにも同性愛という性癖を持つ種(しゅ)がいるのでしょうか。また、興味の種(たね)が出てきました。
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映画 ブルース・ウィリス「ホステージ(05)」

2006-02-09 12:49:32 | 映画
 最近良質の映画を観ていない気がする。これも印象は、いいとは言えない。ある人は本の行間を読むように、正しい推測を行えば結構面白いという。その反対に二兎を追うものは何とやらで中途半端という人もいる。私は思うに、映画は分かりやすくが一番だと思っているので、中途半端という思いは強い。

 ブルース・ウィリスの役柄は、特殊部隊出身の人質交渉人ジェフ・タリーで、ロスアンジェルスの犯罪現場で人質が殺されるという失敗がトラウマとなって家庭もギクシャクしている。交渉人から退き田舎町の警察署長をしているが、ここにも人質事件が発生、ジェフが指揮を執る。
 人質事件の屋敷の主は、犯罪組織につながりのある男で、組織はTV放送を見て極秘情報を収めてあるDVDの回収に乗り出すためジェフの家族を人質に取り脅迫する。そんな中でジェフは二つの人質事件を解決しなければならないという困難を背負わされる。
              
 よく言われるように、小説も映画もオープニングとラストが大事で、読者や観客を引っ張っていく原動力になると。この映画もクレジットからアイデアが溢れぐんぐん引っ張っていく。しかし、犯罪組織がジェフの家族を人質にとってからうまく回転しなくなる。当然ラストも精彩を欠く。竜頭蛇尾とはこのことだろう。

 注目に値する拾い物があった。それは若手俳優が健闘していたことだ。犯人役のデニスに、ジョナサン・タッカー1982年5月ボストン生れ、
             
 同じくマースにベン・フォスター1980年10月ボストン生れ。
             
 人質の若い娘ジェニファーに、ミシェル・ホーン1987年2月パサディナ生まれ、160センチと短躯ながらグラマー、人気テレビ・ドラマ「ファミリー・ロー」で全米ティーンのアイドルとなる。これらの若手の成長が楽しみである。
             
 監督はフランス出身のフローラン・シリ1965年3月生れ。フランス映画‘02年の「スズメバチ」があり、銃撃とアクションが売り物のようだ。
 ブルース・ウィリス1955年3月西ドイツ生れ。西ドイツ駐留米軍人の父とドイツ人の母を持つ。元妻にデミ・ムーアがおり、各賞の受賞はないが、1989年にゴールデン・グローブの助演男優賞にノミネートがある。細かい演技が要求される役柄には不向きかもしてない。この作品で、車に乗り込んだとたん組織犯罪の男に銃をこめかみに突きつけられるシーンは、恐怖を表出しようとする努力の跡は見えた。
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映画 ジュリアン・ムーア「フォーガットン(04)」

2006-02-05 13:39:12 | 映画
 映画のデーター・サイトallcinemaで、これほどこき下ろされている映画も珍しい。「なぜ?」「どうして?」が一杯出てくるからかもしれない。

 テーマは母親の愛を描こうとしたが、描ききれていない。普通ならラストの抱擁シーンなどは、ほろりとして涙の一粒も流す場面だ。何の感興も起きない。
 映画で憂さを晴らす人もいるだろうし映画の主人公になったようなロマンティックな気持ちになる人もいつだろう。映画ファンは分かりやすくて感動を与えてくれて楽しめるという欲張りなことを考えている。この映画もラストまでテリー(ジュリアン・ムーア)の妄想と理解すればすっきりと収まる。
            
 監督は、ジョセフ・ルーベン1951年ニューヨーク生れ。ジュリアン・ムーア1960年12月ノース・キャロライナ生れ。「めぐりあう時間たち」で印象に残ったが、もう45歳になっている。若作りしているが歳を隠せていない。
 ドミニク・ウェスト1969年イングランド・シェフィールド生れ。「モナリザ・スマイル」でジュリア・ロバーツの相手役が印象に残る。
            
 アンソニー・エドワーズ「ER」ドクターも精彩がない。「ER」の仲間ジョージ・クルーニの活躍を思うと気の毒になる。「ER」のころからこの人の使い道は少ないのでは?と想像していたが。
            
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ミステリー パトリシア・コーンウェル「痕跡」

2006-02-01 09:25:09 | 読書
 元バージニア州検屍局長で現在法医学コンサルタントのケイ・スカ-ペッタと元リッチモンド警察刑事ピート・マリーノが、検屍局の建物が解体中なのを見ながら悄然と現れる。現検屍局長ジョエル・マーカスの依頼によるものだった。十四歳の少女ギリ-・ポールソンの死因についての助言を求められて。

 スカ-ペッタが滞在中、解体現場で作業員がトラクターに轢かれて死亡する事故が発生する。この作業員の衣服に付着していたものが、少女ギリ-の口の中からも発見される。こうなると検査や分析が詳細に行われる。

 姪のルーシー宅も爆発物が仕掛けられる事態になる。結局マリーノが見事解決するが、検査や分析について詳細すぎるし、不要な記述もある。犯人を捕まえるシーンは、いとも簡単に書かれていて拍子抜けする。あまり出来がいいと思わない。コーンウェルのアイデアも枯渇しつつあるのだろうか。気を入れて書いたという印象はない。
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