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映画 サンドラ・ブロック「完全犯罪クラブ(‘02)」

2007-11-30 10:38:05 | 映画

              
 男子高校生二人が、謎めいた理由で女性を殺害する。“自殺と犯罪なくして完全な人生はない。非常な炎の定めによりある者は生きある者は死ぬ”

 捜査の目を逃れるために数々の偽装を凝らす。それでも二人の刑事キャシー(サンドラ・ブロック)サム(ベン・チャップリン)は追い詰めていく。
              
事件捜査と並行してキャシーの元夫の暴力による忌まわしい過去を内包しながら、二人の心の揺らぎが描かれる。
              
 このDVDには、監督の解説版も収録してありそれを見ると、原題の「Murder by Numbers」の意味について触れている。“模範的な殺人”“順序立てた殺人計画”また“刑事が順を追って犯罪を暴いていくという意味もある”という。
 私はむしろサンドラ・ブロックの心の傷を癒す手助けをしたベン・チャップリとの男女関係を描いたものと受け止めている。

 監督 バーベッド・シュローダー1941年8月イラン/
テヘラン生まれ。‘90「運命の逆転」で’91年のアカデミー監督賞にノミネートされている。
              
 キャスト サンドラ・ブロック1964年7月ヴァージニア州生まれ
 ベン・チャップリン1970年7月ロンドン生まれ。‘93「日の名残り」がデビュー作。
              
 ライアン・ゴズリング1980年11月カナダ、オンタリオ州ロンドン生れ。注目の若手スター、’04「きみに読む物語」でブレイクする。
              
 マイケル・ビット1981年4月ニュージャージー州生まれ。
              
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映画 ロバート・アルトマン監督 スザンナ・ヨーク主演「イメージズ(‘72)」

2007-11-26 11:20:56 | 映画

              
 ロバート・アルトマンは、撮影意図を「ある女性の心理 現実ではなく幻覚を見ているという心理。統合失調症の世界を表現しようと思った」と言う。
 キャスリン(スザンナ・ヨーク)は、夫が浮気をしているという一本の電話から幻覚が始まる。異変に気づいた夫ヒュー(ルネ・オーベルジョノワ)は、荒涼とした風景の中に立つ別荘に妻を連れて行き静養させる。
 しかし、症状は一向に改善されない。性的な問題を匂わせながら、私のような観客を混乱に落としいれ、訳の分からないうちに観終わっていた。消化不良と肩の凝りだけが残った。
 アルトマンの傑作だという人もいるが、私にはよく分からない。ジョン・ウィリアムズとツトム・ヤマシタの音楽がユニークで幻覚症状とのマッチングはよかったのではないだろうか。

 監督 ロバート・アルトマン1925.2~2006.11 ミズーリ州カンザスシティ生れ。TVシリーズ「コンバット」の演出を手掛け‘70年の「M★A★S★Hマッシュ」がカンヌ国債映画祭グランプリを受賞。アカデミー賞は、監督賞に5回ノミネートされるが、’05年の名誉賞のみ。
 音楽 ジョン・ウィリアムズ1932年2月ニューヨーク市フラッシング生まれ。最近では‘07「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」’06「スーパーマンリターンズ」‘05「宇宙戦争」がある。
 ツトム・ヤマシタ1957年3月京都生まれ。
 キャスト スザンナ・ヨーク1941年1月ロンドン生れ。本作で、’72カンヌ国債映画祭で女優賞を受賞。
              
 ルネ・オーベルジョノワ1940年6月ニューヨーク生れ。
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映画 ビル・パクストン、ビリー・ボブ・ソーントン「運命の銃爪(ひきがね)‘92」

2007-11-22 15:51:51 | 映画

              
 不気味な雰囲気に包まれながら凄惨な場面が展開される。レイ(ビリー・ボブ・ソーントン)とレイの女ライラ(シンダ・ウィリアムズ)それに相棒のプルート(マイケル・ビーチ)の三人がヤクの売人宅に行き、元締めの住所を聞き出すための暴力、元締め宅でのヤクのありかを聞き出すための暴力そして殺人。
 後味の悪さを伴って観客を一気にひきつける。ロサンジェルス市警の二人の刑事は、アーカンソー州スターシティのデール保安官(ビル・パクストン)の通報により当地に赴く。

 ライラは生地スターシティに戻る理由があった。ライラの母が面倒を見ている息子に会うためだった。しかもレイたちと一緒に稼いだ金を持って。この息子というのが17歳のときデ―ル保安官から処女を奪われた結果だった。デールは黒人との間に生れたライラの息子を認めようとはしない。
 このように白人と黒人の微妙な肌触りが、南部の風土を現している。追う警察逃げる凶悪犯を交互に描きテンポよく随所にサスペンスを織り込みながらラストのクライマックスへとなだれ込む。
 デール保安官のむき出しの出世欲も、六年前に片田舎の署長に就任して以来一度も拳銃を抜いたことのない身には、絶好のチャンスとうつり彼の妻が言う「刑事ものオタク」に閉口している様子がおかしい。
 この映画に出ているシンダ・ウィリアムズのどことなく漂う色香がいいが、鼻の下に薄く浮き出る黒い髭は気になる。
 ビリー・ボブ・ソーントンの銃をぶっ放す凶悪ぶりやクールな表情のマイケル・ビーチの、白い布を顔にかぶせてナイフで刺し殺すのには背筋が寒くなる。
 いずれの俳優もかなり実力派で、カール・フランクリンの言う「誰しもがホンモノの犯罪者かその筋の人間と信じてしまう」ほどで、見応えがある映画だった。
 余情を残し記憶に刻まれる犯罪映画だ。これが劇場未公開というのは、地味で殺人シーンが残酷なので見送られたのだろうと思う。
 ラストのハーモニカによる音楽も、哀調を帯びて西部劇の決闘シーンを連想させた。監督のカール・フランクリンも「真昼の決闘(High noon)を参考にしたと言っている。

 監督 カール・フランクリン1949年4月カリフォルニア州リッチモンド生れ。
              
 キャスト ビル・パクストン1955年5月テキサス州フォーとワース生れ。‘85「エイリアン2」のハドソン役で注目を受け、次第に主役を演じるようになる。
 
              
 シンダ・ウィリアムズ1966年シカゴ生れ。
              
 ビリー・ボブ・ソーントン1955年8月アーカンソー州ホットスプリングス生まれ。元々ミュージシャン、脚本家として不遇の時代を経て、本作で脚本と俳優として初出演を果たすと同時にインディペンデント・スピリット賞で作品賞をはじめ5部門にノミネートされ、監督賞を獲得ビリー・ボブも脚本賞にノミネートされた。現在は俳優業で活躍している。
              
 マイケル・ビーチ1963年10月マサチューセッツ州ロックスベリー生れ。ジリアード卒業の歌もダンスも出来る正統派の俳優
              
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映画 ダイアン・キートン、メル・ギブソン「燃えつきるまで(‘84)」

2007-11-19 13:56:46 | 映画

              
 ダイアン・キートン38歳、メル・ギブソン28歳のときの作品。刑務所長の妻ケイト・ソフェル(ダイアン・キートン)は、死刑囚エド(メル・ギブソン)に心惹かれ、鉄格子を切るためののこぎりを差し入れ看守の目をごまかすために聖書の朗読を装ったりする。そして脱獄のとき一緒に逃げる。あとは悲劇的な結末に終わる。これは実話だそうだ。

 それにしても四人の子持ちの人妻が? この辺の描写に説得力がないので、すんなりと逃避行が受け入れられない。ダイアン・キートンは、歳相応の目じりに小皺が浮いていたが、メル・ギブソンの睫毛がキートンより長くて上に向いているのには、短くて下向きの睫毛の多い日本人から見ると、なんとも羨ましいと思う人もいるだろう。この目の辺りの違いが際立つ。

 監督のジリアン・アームストロングは、1950年12月オーストラリアメルボルンで生まれている。’94「若草物語」‘97「オスカーとリンダ」’01「シャーロット・グレイ」の作品があるが、名作や受賞作品、ベストセラー小説を映画化しているが、どれも評判がよくない。力量不足かもしれない。
              
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映画 ジョン・キューザック、ケヴィン・スペイシー「真夜中のサバナ(‘97)

2007-11-15 11:07:02 | 映画

              
 ジョージャー州サバナの実在の人物をモデルに書かれた小説が、全米のベストセラーを賑わしそれをイーストウッドが映画化したのがこの映画。
 ブードー教の祈祷師が出てくるのでホラーぽいところもあり、殺人が起こって法廷場面もある法廷劇かと思わせたりロマンスも花を添えてラブーストーリーかと思わせる。結末も何かホラー的ですっきりしない。

 話というのは、大富豪になったジム・ウィリアムズ(ケヴィン・スペイシー)のところへ、出版社記者ジョン(ジョン・キューザック)が取材に訪れる。
 取材も終わって帰る前夜、ジム宅で殺人事件が起きる。出版社の帰社命令を無視して、その事件を追う。ジムは容疑者として逮捕される。勿論ジムは敏腕弁護士によって無罪になるが……
              
 この映画で主演の二人ジョン・キューザックとケヴィン・スペイシーの他にイーストウッドの娘アリソン・イーストウッドも出ていてその美貌に驚かされる。
              
             アリソン・イーストウッド
出番は少なく殺されてしまう若き日のジュード・ロウ
              
              ジュード・ロウ
 それに原作に登場して有名になったザ・レディ・シャブリのユニークさも目についた。このシャブリ、十代で自らの“女性”に目覚め、17歳の時生れ故郷のフロリダ州からアトランタへ移り、ドラッグ・クイーンとしてナイトクラブに出演し始める。
              
              シャブリ
 月に二回の注射で女性になり、1995年9月15日法的にも「レディ・シャブリ」となった黒人女性。もともと男だったから下半身の下品な表現はお手のもの。
 例えばパーティ会場のジョンとの会話。
シャブリ「ジョン 怒ってるの? 話して(Are you mad? Are you?)」
ジョン 「友達だ(We’re still friends)」
シャブリ「そう願うわ あなたって怒るとセクシー(I hope so. I must tell you something. You are so sexy when you’re mad)」
ジョン 「行儀よく(Behave yourself)」
シャブリ「指図しないで、乾杯しましょ。あたしの胸からあなたのお尻。おケツからオッパイ アソコからアソコまでいいことしてあげる(Stop telling me what to do. I want to propose a toast. From my top to your bottom. From your bottom to my top.From my middle to your middle be good. John. I just might give you a little)」
翻訳のスパーインポーズは、レディ・シャブリにぴったりだ。アソコからアソコの原文は? というわけで英文も書き出したが如何でしょう?
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読書 ロバート・B・パーカー「アパルーサの決闘」

2007-11-11 13:48:25 | 読書

              
 日本の時代小説は、日本人にしか書けないし他国の人は書こうとも思わないだろう。同様に西部小説も同じことが言える。ロバート・B・パーカーもこれで二冊目に過ぎない。
 もし西部劇映画を見ていなければ、この本を読んでその描写についていけたか心許ない。板敷きの歩道や酒場の風景、広大な牧場、列車の給水塔、コルト44やショットガンそれにウィンチェスター、丈の長い雨合羽。晴れて暑い日ざし、雨で湿った空気、風で運ばれてくる匂いすら感じる気がする。

 物語はどこにでもある話で、町を牛耳る牧場主それに対抗すべく町の役員が雇うガンマン保安官。そこに娼婦でない小賢しげな美女、それにほれ込んだ保安官。題名の通り最後は決闘でケリがつけられる。

 西部劇を見ていていつも思うのが、売るための牛を追うカウボーイやならず者を追う保安官や賞金稼ぎが屋外で食べるものはなんだろうということだった。カウボーイはほとんど豆料理を掻っ込んでいる場面が多かった。
 この本によれば、塩漬けポークや揚げたビスケットを朝から食べていた。これが毎食だからたまらない。西部劇映画を見たような気にさせられる本だった。

 著者は、1932年生れ。ボストン大学でハードボイルド作品に関する論文で博士号を取得。1973年に私立探偵スペンサーが初登場の『ゴッドウルフの行方』で作家デビュー。1976年の『約束の地』でアメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を受賞し、2002年には同賞の巨匠賞を受賞した。
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映画 クリント・イーストウッド監督主演「アウトロー(‘76)」

2007-11-06 10:26:11 | 映画

              
 建国200年記念として作られたそうだ。クリント・イーストウッド46歳の作品。アメリカで唯一の民族同士の戦争、南北戦争末期ジョージー・ウェルズ(クリント・イーストウッド)は農民だった。
              
 ある日、北軍のゲリラ小隊に襲われて妻と子供が殺される。その復讐のため一人北軍に降伏せず、捕らえようとする追っ手の追跡をかわしながら、老インディアン(チーフ・ダン・ジョージ)との友情や開拓民を襲うインディアンとの和睦。そして、妻子を殺したテリルと対峙して殺す。
 最後にジョージー・ウェールズが言う「みんな戦争の犠牲者さ」が、この映画のテーマを表している。

 監督クリント・イーストウッド1930年5月生れ。ジョージー・ウェールズも演じる。
 ジョン・ヴァーノン1932年2月~2005年2月カナダ生れ。南軍ゲリラのリーダーフレッチャー役、この人の声が柔らかい含みのある低音で、思わず「いい声だなあ」と感嘆した。すでに故人になってしまった。
 ソンドラ・ブロック1947年5月テネシー州生れ。開拓民の娘役で、強盗団に襲われてレイプされかけ、可愛いお尻まであらわにする。のちにクリント・イーストウッドと同棲するが、チョットしたいさかいから別れその後は映画界から姿を消す。
              
 ビル・マッキーニー1931年9月テネシー州チャタヌーが生れ。北軍ゲリラの小隊長役。
 チーフ・ダン・ジョージ1899年7月~1981年9月カナダ/ノースヴァンクーバー生れ。‘70「小さな巨人」でアカデミー助演男優賞ノミネート
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映画 ケリー・マクギリス、ジョディ・フォスター「告発の行方(‘88)」

2007-11-02 11:28:27 | 映画

              
 この作品でジョディ・フォスターは、アカデミー主演女優賞を受賞した。出演時26歳だった。
 ジョディ・フォスターは、サラという品行の悪いウェイトレス役で、町外れの酒場でレイプされる。サラを担当するのは、地方検事補キャサリン(ケリー・マクギリス)だった。
 弁護側と過失傷害でレイプと同じ期間の懲役刑で司法取引を行なう。怒ったサラに言われる。「あたしの気持ちが分かる? パンティを脱がされアソコを丸出しにされ、3人の男が突っ込むのを皆は拍手喝采で見物なのに。あんたは何よ、“ベストを尽くした”? まったくいい気なもんだわ! 自分の得のためにあたしを売ったわけね」

 それを聞いたキャサリンは、はっと我に返る。確かに大事なことを彼女は言った。紛れもなく日常業務として検事補の仕事をしたに過ぎない。酒飲みでヤク中のふしだらな女という先入観に振り回されて本質を見失った。
 ここから二人の女性の戦いが始まる。レイプ行為は勿論それを煽り、そそのかしけしかける教唆の罪を男たちに知らしめるために。陪審は非常に難しい判断を迫られる。二日間の陪審評議がそれを物語る。
              
 映画の壮絶なレイプ・シーンは、息を呑むと同時に嫌悪感も拭えない。ジョディ・フォスターの体当たり演技も見応えがあるが、検事補役のケリー・マクギリスの抑えた演技も好感が持てる。それに彼女にはどことなく色気を感じる。‘85「刑事ジョン・ブック/目撃者」のアーミッシュの女性が印象に残っている。

 監督 ジョナサン・カプラン1947年11月パリ生れ。最近はテレビの仕事が多いようで、「ER緊急救命室」など。
 キャスト ジョディ・フォスター言わずと知れた大女優。
      ケリー・マクギリス1957年7月カリフォルニア州ニューポートビーチ      生れ。50歳になって映画の仕事はしていないようだ。
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