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話題「大谷翔平、大坂なおみ、池江璃花子たちはコロナ禍の希望の星」

2021-05-29 17:00:35 | スポーツ
 大リーグ、エンジェルスの大谷翔平は、今やスーパースターだ。恵まれた体格、可愛げのあるハンサムなルックス、誰にでも好かれているように見える性格、翔平は神に感謝すべきだ。

 新聞やSNS上で大谷翔平の活字を見ない日はない。昨日なんか電車に乗っただけでニュースになっている。あのBARTという鉄道には、ダルビッシュ有も乗ったことがあったらしい。でも、ニュースにならなかった。

 大谷翔平が、アメリカ人だったら「大谷翔平を、大統領に」というシュプレヒコールが沸き上がるだろう。いずれにしても、怪我なくシーズンを終えてほしい。結果はついてくるでしょう。

 大坂なおみは、どうして子供のような発言をするのか。全仏オープンでの記者会見拒否問題だ。ジョコビッチを代表とした否定的な意見も出始めた。私も否定の立場だ。

 ダブルスタンダードというのが彼女の立ち位置のように思える。去年吹き荒れたアメリカでのBLM(Black Lives Matter)運動。これの一部は、商店での略奪も行っていた。この運動に賛同してそれを記したマスクを着用した大坂なおみ。政治的立ち位置は左翼なのだろう。その立場なら記者会見拒否発言は納得できる。

 それにしてもアメリカでのアジア人に対する偏見の横行がニュースになっているが、それに対する発言のない大坂なおみ。ここから類推できるのは、Wスタンダードの持ち主ということだ。

 さらに憶測だけど、大坂なおみには、日本人としてでなくアフリカ系アメリカ人として生きたいという願望があるのではないかとさえ思う。今現在、世界ランキング2位の日本人として品性を磨き希望の星であり続けて欲しい。

 白血病を乗り越え復活した池江璃花子。東京オリンピックでの活躍が期待される。それ以上に彼女の人間性に心を打たれる。ツイッターで彼女にオリンピックに反対するメッセージをだせとか辞退しろというのがあってそれに対して下記のツイートがあり纏めてみた。

2021年5月7日
「いつも応援ありがとうございます。
Instagramのダイレクトメッセージ、Twitterのリプライに「辞退してほしい」「反対に声をあげてほしい」などのコメントが寄せられている事を知りました。もちろん、私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。
 ですが、今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています。私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています。
 1年延期されたオリンピックは、私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。持病を持ってる私も、開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています。私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべき事を全うし、応援していただいてる方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています。
 オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。
 長くなってしまいましたが、わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」
 
 左翼系の嫌がらせが多いようで、金メダルを取るのが一番いいが、池江選手には無理をしてもらいたくない。まだまだ次がある人生だから。
 この三人は、20代。前途は洋々としている。そして数十年後、来し方を振り返るときこんなBGMも捨てがたいのではないだろうか。

 1964年シャルル・アズナヴールが発表した曲「帰り来ぬ青春Yesterday when I was young」が心地よいかもしれない。シャルル・アズナヴールとエルトン・ジョンでどうぞ!

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読書「狼の震える夜Boundary Waters」ウィリアム・K・クルーガー

2021-05-27 15:46:50 | 読書
 原題の「Boundary Watersバウンダリー・ウォーターズ国境湖沼地帯流域」は、「オンタリオ州とミネソタ州のカナダとアメリカ合衆国の国境にまたがる荒野で、スーペリア湖のすぐ西にある地域です。バウンダリー・ウォーターズは、キャンプ、カヌー、釣りをするレクリエーションや、自然の景色やリラクゼーションを求めるレクリエーションに人気の場所です」とウキペディアにある。

 このワイルドネスな森林と湖沼を舞台にアクション・ミステリーが展開される。アウトドア派と自認する人にとっては、大自然の風景の描写に魅了されるだろう。そんな大自然に身を置いてみたいと思うはずだ。しかし、現実の人の営みは骨肉相争う醜悪さに満ちている。

 女性カントリー・シンガー、シャイローが行方不明になった。FBIがオーロラの町の保安官事務所を訪れて捜査の協力を依頼する。ウォリー・シャノー所長から呼ばれた元保安官コーク・オコナーも助力を余儀なくされる。

 初版の「凍りつく心臓」で妻ジョーの浮気、コーク自身の不倫、その恋人のモーリが殺されるという苦渋を味わった。コークとジョーがそれを乗り越えたかに見えたが、いまだに別居状態が続いている。

 季節は赤と黄色と緑が織りなす燃え立つような風景から、にぶ色の空から落ちる雪と氷の世界へと移っていく。自然の穏やかさと容赦のない厳しさに直面すると、一個の人間の情感までもが変えられてしまう。それを今、シャイローが味わっている。

 その一部を文章から引用しよう。「ロックから始まってカントリーで世に出たシャノーだが、ドラッグとセックスと何百もの忘却のすべてによって逃げてきた。彼女の人生の真実。それが内部からあふれ出てきた。今死んだ男たちの荷物からとってきたピーナッツ・バターとパンは、豪華なごちそうのようだった。
 
 選べるものがないとき、どれほど小さなことで人は幸せになれるものか。まだ荒野から教訓を学んでいること、呼吸する、食べる、眠る、これらを怯えずにできる。幸せであるために、他に何もいらないのではないか。ネイティブ・アメリカンのアニシナアベ族は、富を価値あるものとは考えない。分けあうことが部族のやり方だと。

 そしてシャイローは大きな決断をした。今の財産を捨てよう。基金を作ってインディアン文化の保存のために」

 捜索に出たコークの安否が気遣われるようになった。次から次へと遺体が発見される。一喜一憂するジョー。やがて事件は終焉を迎える。再び心を通わせるようになったコークとジョーは、新しい旅立ちに目を輝かせる。

 この物語にふさわしいカントリー・ミュージックは、やはりウィリー・ネルソンだろう。88歳のネルソンが70枚目のソロ・スタジオ・アルバムとして制作した「First rose of spring」を聴きましょう。愛を語り愛を歌う。
The first time that he saw her
He knew everything had changed
Overnight, love started blooming
Like the first rose of spring

Auburn hair like a sunrise
Sweetest smile he'd ever seen
Butterflies, they danced around on her
Like the first rose of spring

Summertime would've never started
And wintertime would never end
She colored his life, opened his eyes
To things he'd never dream
Without the first rose of spring

Gave him children like a garden
They gave 'em all the love they'd need
To grow up strong, she made a home
And every year, he'd bring
Her the first rose of spring

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読書「凍りつく心臓IRON LAKE」ウィリアム・K・クルーガー

2021-05-07 16:10:29 | 読書
 コーク・オコナーは、元保安官。有能ではあるが欠点も持ち合わせている。唯一称賛するとすれば、不屈の闘志を持っていることだろう。

 カナダと国境を接しているミネソタ州オーロラ、3752人の町。ある年の12月、空はどんよりと曇り降る雪に視界は水墨画のように白と黒。ダーラ・ルポーの息子ポールが、新聞配達の途中行方不明になる。不安を抱えたダーラの依頼にコークが探し始める。
 配達先を書いたメモを片手に一軒一軒辿り最後の配達先、湖の突端にあるロバート・パラント判事の屋敷にたどり着いた。しかし、そこには判事の死体が転がっていた。ポールの姿は見えなかった。

 これが端緒となってアメリカ合衆国大統領を目指す狡猾で非情な息子、上院議員のサンディ・パラントの悪行を暴き出す。

 コーク・オコナーは、先住民族インディアンのアニシナアベ族の血が入っている母親と白人の父親との間に生まれた。従って居留地のアニシナアベとの交流もある。この物語では、大自然を知悉するアニシナアベ族の存在も大きい。

 一方で人と人との微妙な関係も描かれていて、雪と氷の世界に暖か味を与えている。とはいっても何のわだかまりもないハッピーなものではない。

 コークには、妻ジョーと三人の子供がいる。ジョーは、地元で弁護士業を営んでいる。しかし、ジョーとは別居状態にある。それはある事件がきっかけで職を追われ挫折感から家族を顧みなくなり、ジョーから離婚を迫られ追い出されたのだ。

 そんな折に出会ったのがモリー・ヌルミ。深い関係になるが、コークは背徳の行為に悩んでもいた。

 死んだロバート・パラント判事と親しかった元海兵隊員のハーラン・リットンが殺される。コークは、リットンの家の暗室から大量の写真のネガを発見する。コークが仔細に調べていくと、ジョーの浮気現場のネガが出てきた。相手は上院議員のサンディ・パラントだ。ジョーにそれを叩きつける。夫婦関係は泥沼化する。

 事態は急変する。モリー・ヌルミが凍死体で発見される。ここから物語は、アクションを伴って終局へとスピードを上げる。エンディングは、余情を伴ってコークが天にいるモリーへの思慕が切ない。
 「雪は天からまっすぐに降ってきて、夢のようにそっと地面に舞い降りる。コークは最後に一度だけサウナまで下りていき、モリーが最初は激しく憎み、その後はあれほど愛した場所から湖を眺めた。(モリーは体を鍛える一環として、サウナで体を温めてから厳寒の湖に飛び込むことをしばしばやっていた)

 コークは四輪駆動車のブロンコに戻って、後部座席から緑色の金属の鉢に植わった小さなクリスマスツリーを降ろした。いちばん上には、パイプクリーナーと白いレースを使って作った天使を飾ってある。キャビンの中には入りたくなかった。―――モリーがいなければ、そこは世界で最も空虚な場所だった。
 だから、彼はツリーを外の雪の中に立てた。“飾りはあまりうまくできなかったんだ“ “それでもいいツリーになったと思うよ“とモリーがいるかのようにつぶやく。雪がコークの顔に落ち、溶けて涙のように頬を流れていった。彼は泣いてはいなかった。もうすでに、涙は流しつくしていた。
 それに、もしモリーに自分が見えるのなら―――そんなことはないと、誰が言えるだろう。―――この朝、微笑んでいる自分を彼女に見てほしかった。だから、彼はそうした。天から降ってくるすべてのものに対して微笑んだ。
「メリークリスマス、モリー」
クリスマスツリーの枝の上に、そしてペーパーチェーンの輪の中に雪がたまり、彼が作った天使の肩の上にも静かに降り積もったとき、コークは向きを変え、歩き去った」

 こういう場面の適切なBGMは、やはりカントリー・ミュージックだろう。以前エミルー・ハリスで紹介した「Today I started loving you again」がいいと思う。
 今回はぐっとスローテンポで今は故人となったサミー・スミス(SAMMI SMITH)で聴きましょう。
 サミー・スミスは、1971年「 Help Me Make It Through the Night」でヒットを飛ばした。「一人ぼっちの夜を過ごすのはイヤだ」この曲もいい。ハスキーヴォイスでグッとくるし、このころのサミー・スミスはなかなかの美人。これもどうぞ!

 著者のウィリアム・ケント・クルーガーは、1950年ワイオミング州に生まれる。現在ミネソタ州に在住。16編の著作のうち邦訳が8編ある。


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読書「汚名TWO KINDS OF TRUTH」マイクル・コナリー

2021-05-01 10:34:50 | 読書
 二つの事件を追うボッシュ。お馴染みのハリー・ボッシュ・シリーズ。サンフェルナンド市警で働くボッシュに30年前に逮捕し死刑判決で収監中の死刑囚に冤罪の可能性が浮上。これが確定すればボッシュはすべてを失い死刑囚の代わりに捕らわれの身となる運命の崖っぷちに立っていた。

 そして直近の事件捜査は、薬局経営者とその息子射殺事件だった。その背景にはアメリカの麻薬および向精神薬取締法における麻薬で劇薬でもある鎮痛剤オキシコドンをめぐる利害の衝突が原因だった。
 それにはある組織が関与していて、影の支配者サントスを追っている麻薬取締局(DEA)の助言に従ってボッシュが潜入捜査を行うことになる。

 この作品をベースにテレビドラマ・シリーズ「BOSCH/ボッシュ」シーズン5としてアマゾンプライムで放映されている。こちらも結構面白い。

 著者のマイクル・コナリーが描くロサンジェルスは、現実に即しているので実在のレストランやカフェ、ナイトクラブ、すし店まで網羅されている。それも読みどころだと思っている。

 さらに作品からアメリカ社会が垣間見えるのも魅力。下記にピックアップしてみよう。
●カリフォルニア州の死刑囚房では、注射を打たれて死ぬよりも自殺で死ぬ死刑囚のほうが多い。

●腹違いの弟、弁護士のミッキー・ハラーとの会話
「どれくらいの頻度で警官が間違っていて、無実の人間を刑務所に送っていると思う?」とハラー。
「ほとんどないんじゃないか」と言うのはボッシュ。
「1パーセント? つまり、誰も完ぺきではありえない、そうだろう?」
「どうだろう、ひょっとしたらそうかもな」
「この国では200万人の人間が刑務所に入っている。200万人だ。もし司法制度が1パーセン ト間違っているのなら、2万人の無実の人間が刑務所に入っている計算になる。半分の0.5パーセ            ントに下げたところで、1万人になる。その数字がおれを夜眠らせないんだ。いつも言っているんだが、最も恐ろしい依頼人は無実の依頼人だ。なぜなら、かかっているものが大きすぎる」

●ビヴァリーヒルズやウェストハリウッドから見て北にあるサンフェルナンドのトルーマン・ストリートを南下しサンフェルナンド・ロードと合流する地点まで進むと、間もなくして市境を横断し、パコイマに入った。
 どこにも「ロサンジェルスにようこそ」の看板はなかったが、二つの自治体の違いは明白だった。通りにはゴミが散乱し、壁は落書きだらけだった。中央分離帯は茶色で、雑草で埋まっていた。ビニール袋が道路と並行しているメトロ線路を保護するフェンスに絡まっている。ボッシュの目には、陰鬱な光景に映った」

●死刑囚の面会リストには刑務所グルーピーと言われる女性たちの名前がある。危険が檻の中に閉じこもられている限り、危険な男に惹かれる女性たちなのだ。

●それに貰い物のバーボンウイスキーの話もある。値段が高いということなのだ。そのウィスキーは、ケンタッキー産の「パピー・ヴァン・ウィンクル」でネットでの値段は約30万円とある。

 もう一つマイクル・コナリーで忘れてはならないのがジャズだ。1934年生まれのサキソフォーン奏者で音楽プロデューサーのヒューストン・パーソン。彼は小粋な音色と豊かな表現力を持っている。

 1934年生まれのベース奏者ロン・カーター。個性的な音色と音の運びに特徴があると言われている。来日も多く親日家とも。

 詳細不明なフランク・モーガンも紹介されている。

 ボッシュは、高台にある自宅リビングの大きな窓からロサンジェルスの夜景を眺めながら、ジャズとバーボンに酔いしれる。

 それではヒューストン・パーソンとロン・カーターの「On the Sunny Side of the Street」を、バーボンがなければビールでもワインでも片手にどうぞ! 曲が終わるころにはアルコール効果で、首を振りながらリズムに乗っているでしょう。

コメント (5)
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