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コスタリカの通知表2018年

2019-06-30 00:01:05 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
コスタリカの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
コスタリカのPISA2015は、54位→ランクF

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
コスタリカの2017年の国際特許出願件数は、75位→ランクE

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
コスタリカのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
コスタリカのパルム・ドール受賞は0、→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
メキシコの文化遺産1は、109位→ランクF

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
コスタリカのFIFAのランキングは、25位→ランクC

2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
コスタリカは、北中米の出場枠 3.5を競った。
北中米の4位は、アジア5位と大陸間プレーオフに回る。
コスタリカは、出場権を獲得した。メキシコ、パナマとともに。
7回連続出場していたアメリカは、出場枠に入らなかった。

ロシア大会では、
スイスとは引き分け、セルビアとブラジルに敗れた。
決勝トーナメントに進出ができず、ベスト16にはならなかった。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
コスタリカの国民総生産GDPは、77位→ランクF

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
コスタリカの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「コスタリカの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       コスタリカのPISA2015は、54位→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       コスタリカの国際特許出願件数は、75位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       コスタリカのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       コスタリカのパルム・ドール受賞は0、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       コスタリカの文化遺産1は、109位→ランクF ⇒ 0点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       コスタリカのFIFAのランキングは、25位→ランクC ⇒ 3点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       コスタリカの国内総生産GDPは、77位→ランクF ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       コスタリカの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         コスタリカは4点

レーダーチャートで見る、
コスタリカの通知表 2018年」。


コスタリカは、中央アメリカで、
東はカリブ海、西は太平洋に面している。
国土は日本の7分の1、九州と四国を合わせたほど、人口は500万人。
サッカーと野球が盛んで、運動力/サッカーは、好成績である。

高温多湿を嫌う「コーヒー豆」は、
カリブ海と太平洋の間の中央高地で、
高温多湿を好む「バナナ」は、カリブ海側の平地で栽培される。

コスタリカ人は、自国の産業を、
Morning Industry”と言っていた。「朝食産業」と訳した。
コーヒー、バナナ、砂糖は、朝食の材料で、コスタリカの産業である。
コーヒーは、アラビカ種。病害虫に弱いが、風味と味わいがある。
世界の6割はアラビカ種。残りは、ロブスタ種。苦味、渋みがあるが、
収穫量が多く安い。アラビカ種とのブレンドに使われたり、
缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われる。

アラビカ種の生産量を見る。

アメリカ農務省(USDA)、World Markets and Tradeから。

1位ブラジル、2位コロンビア、3位エチオピア。
アラビカ種はエチオピアが原産。
コスタリカは12位。
 コスタリカでは、法律でアラビカ種の生産を定めている。

一人当たりのコーヒー消費量を見る。輸出国。

国際コーヒー機関(ICO)、2018年7月から。

1位ブラジル、2位コスタリカ、3位ベネズエラ。
ブラジル、コスタリカは、生産量も多いが、消費量も多い。

コスタリカでは、独自ブランド、ブリットBrittを作っている。
コーヒー豆の栽培から収穫、豆挽き、乾燥、焙煎(ばいせん)、
梱包まで、全ての作業を、コスタリカで行う。

首都サン・ホセで、コスタリカ人との昼食。
テラスで、快適な陽射しと、そよ風を受けながら、
チキン三昧は、ロースト、蒸す、そして、詰め物。
食事のあとは、当然のようにコーヒー。
「コーヒー豆の栽培から焙煎まで、コスタリカ純正です」
と言うから、ワクワクする!
ウェートレスが、コーヒーのセットを、
テーブルまで運んできて、目の前で煎(い)れる。

木のスタンドの、下にはカップ、
上には、フランネルの袋にコーヒーの粉。

最初に、少しのお湯を袋の粉にそそいだ。しばらく蒸らした。
それから、お湯を注ぐ。泡が立つと、ウェートレスは、
スプーンでつっついて、ねじり回した。いい香り!
アロマがただよってくる。

ドリップが終わると、フランネルの袋をスタンドから抜いて、
ねじるようにしてコーヒーを、カップに絞り出した。
さて、味は……? うまい!

コスタリカ人は砂糖を入れた、スプーンで3杯。
甘いと思うが、砂糖の産地だから、タップリとある。
目の前で淹れるパーフォマンスは、コスタリカ以外では、
経験がない。コスタリカは、コーヒーに自信を持っている。

日本人は、どのくらいコーヒーを飲むか?
一人当たりのコーヒー消費量 2013年。輸入国。

国際コーヒー機関(ICO)、2018年7月から。
2014年からは、EUをひとくくりにしたから、
2013年は、国別の最後のデータ。

1位ルクセンブルク、2位フィンランド、3位ノルウェー。
ヨーロッパ勢が上位11位までを占める。
12位アメリカ、14位イギリス、15位チュニジア。
日本は13位。アジアのコーヒー好き。

「コスタリカでは、1890年にコーヒーが、輸出の90パーセントを占めた」
と、コスタリカ人は言う。
「経済はうるおって、コスタリカは近代化された」
「首都サン・ホセには、パリを見習って、
 国立劇場ができ、図書館ができ、博物館、病院ができた」

「しかし、第1次世界大戦で、コーヒーの輸出は激減した」。
「さらに、コーヒー豆の輸出価格は、1960年に比べて、
 25パーセントまで下落してしまった」
「ブラジルが、生産量を増やしたほかに、新たに、
 ベトナムやインドネシアが栽培して 輸出した。
 コーヒー豆がダブついて、価格が下落した」

「それで、朝食産業から脱出したい。
 パイナップルやメロン、観葉植物が、輸出できるようになった。
 日本には、ポインセチアをクリスマス用に輸出している」
「ほかに、半導体、医療製品が育ってきている」
「アメリカの半導体会社、インテルを誘致できたことが大きい」

「コスタリカは、平和と友好の国を目指して、
 1949年に平和憲法を制定して、軍隊を廃止した」
「軍事費を0にして、教育や福祉に回して、国民の生活を向上させてきた」

軍事費 と GDPに占める公的教育費を見る。

軍事費の順位は、161か国。
GDPに占める公的教育費の順位は、154か国。

軍事費は、1位アメリカ、2位中国、3位インド。
コスタリカの軍事費は0、159位。
ほかに軍事費0、159位は、アイスランドと、パナマがある。
日本の軍事費は、161か国中で9位。

GDPに占める公的教育費を見ると、
コスタリカは8位、7.43%。
日本は、115位、3.47%。
 日本の教育費3.47%は、OECD加盟国では最低。
 非加盟国を入れても、154か国中で115位は、極めて低い。

コスタリカの教育費は、GDPの7.43%。これを、
国家予算で見ると、20%以上を充てている。

「国立大学の授業料はタダ、要塞より学校を、
 兵士より学生を、警察官より先生を増やしている」
当時の大統領オスカー・アリアスに、
ノーベル平和賞が授与された(1987年)。

アメリカの半導体企業インテルは、1998年に、
ファン・サンタ・マリア国際空港近く、
フリー・ゾーンに工場を建設した。製品をアメリカへ空輸している。


インテルが、中南米の半導体の生産拠点として、
コスタリカを選んだのにはわけがある。
安定した政治、それに、フリー・ゾーン制度という、
税制の優遇措置の地域を設けて、強力な誘致をした。
低迷している繊維工業に代わる、新たな工業を興したい。

半導体の生産には多量の水を使うが、豊富な地下水がある。
コスタリカは教育水準が高くて、コスタリカ大学は、
ハイテク技術者の供給基地になる。

それに、コスタリカは、安全である。
銀行は、鉄柵で囲われていなかった。
腰に拳銃の、警備員はいなかった。
誰でも、自由にロビーに入れた。
広々としていて、業務の窓口のほかに、
業務マシーンが展示室されていた。

コスタリカは半導体のほかに、医療機器の誘致にも成功して、
ハイテク産業の輸出額は、2002年には24%となり、
バナナ9%、コーヒー3%を抜いて、トップである。
現在、インテルの製造部門は撤退している。

「コスタリカを中南米のハイテク産業の集積地とする」
という大統領のスローガンは成果がでている。
それに、「観光開発の奨励策」があって、
観光産業が育ってきた。

「気候が一年中温暖で、カリブ海と太平洋に面したビーチにはリゾートがある」
「国立公園や自然保護区が国土の25%を占める環境保護国である」
「距離的に近いアメリカ人のほかに、世界の観光客が、
 自然を楽しみに、訪れている」

地球環境を保護する、京都会議が開催された、1997年。
二酸化炭素の排出量を削減して、
地球温暖化を防止しようという「京都議定書」は、
自然保護区の実態から警鐘を鳴らす、コスタリカの提案である。

「ヒメウミガメの産卵を見ることができる、ジャングルのツアーもある。
 映画ジュラシック・パークは、コスタリカで撮影された」
「自然環境を保護するエコツーリズムが盛んで、
 ツアー・ガイドが、少人数でツアーをする」

コスタリカは、中央アメリカで、
平和と友好の、魅力のある国造りをしている。
産業構造を、朝食産業から、ハイテク産業に切り替えた。
平和憲法で非武装。軍事費を0にして、教育費に回している。
環境保護国で、エコツーリズムは、世界のお客さんを呼び寄せている。
それに、アラビカ種のコスタリカ純正のコーヒーがある。
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