春を迎えて、お百姓さんは、
「さァ、始めるぞ!」
と、田植えをして、うきうきしていたことを書いた。
世界の郷土料理をお届けしているうちに、季節が変わった。
田植えができる喜びから→手を入れ→収穫への期待となった。
すっかり秋になって、実り、稲刈りが始まり、そして、脱穀が終わった。
お百姓さんの1年で最大の喜び、収穫をお伝えしたい。
北海道へ行くと、黄金の穂がついていた(9月2日)。
電車が通ると、鳥は驚いて逃げる(苗穂で)。
しかし、“かかし”や“スズメおどし”はない。
札幌から旭川まで続く田んぼを、電車から眺めたが、
かかしもスズメおどしも見つからなかった。
「どうせ、かかしもスズメおどしも効かない。
少しは、スズメにも分け前をあげよう。
スズメはイネも食べるが、害虫も食べてくれているんだ」
という、北海道のお百姓さんのやさしい思いやり?
広大な田んぼでは、電車が、かかしの役割。
松本では、早い稲刈りは9月12日にみた。
稲刈り機を使い、
ハゼかけをする。
ハゼかけによる自然乾燥は人手仕事だ。
コンバインで刈り取りをしていた(9月15日)。
「デキは、どうですか?」
「まぁ、平年並みといったところじゃないですか」
と、お百姓さん。
――よかった、よかった……天候も味方し、手をかけたのが実った。
ハゼかけの乾燥が終わって、脱穀をしている(9月26日)。
「乾燥するのに、どのくらいかかるんですか?」
「5日から1週間ほどです。
本当は、きょう脱穀したくなかったが、あしたから雨になるから」
と、脱穀するお母さんと、棒を片づける息子さんが応えてくれた。
天候と相談しながらの脱穀である。
そのとおり、翌日は雨だった。
――お百姓さんは、天候に敏感だ!
「デキは、どうだったですか?」
「稲の束を持つとわかるが、今年は、やや軽かったかな……」
「ハゼかけをして、乾燥して、脱穀するのは、手間ひまかかるから、
自分たちが食べる分だけにしている。“ハゼかけ米”として、
高く売れればハゼかけをするが、特別高くならないから。
販売の規制がゆるくなったから、ネットでハゼかけ米や、
産地直送米として販売したり、契約する農家もあるが、手間がかかる」
母ちゃんと勤めの息子さんの農業では、むりなようだ。
「コンバインは簡単で、刈り取って、脱穀して、
農協へ納めると、人工乾燥して、精米する。
だから、うちの田んぼも、ここから先は、コンバインを使った」
トラックから先の田んぼが、すでにコンバインで収穫したあとだ。
「自然乾燥したほうが、人工乾燥よりも、うまいですか?」
「人工乾燥した米は食べたことがないから、味はわからない」
「米はもうからない……赤字です。
食糧の自給率が40%以下といわれているから、続けているが、
いいことは、自分たちが食べる分が、
自分の土地で、できるということですかね。
それに、親せきに配ると大喜びしてくれるから。
おいしいと、毎年当てにされている……1年1度だけですが」
「収穫した米は、どうやって保存するんですか?」
「もみをつけたまま保存して、食べるときに、そのつど精米する。
コンバインで収穫して、一度に精米したときは、
低温保存(1℃)しなければならない。そうしないと、
乾燥してヒビ割れるし、カビが生える。
もみをつけたままだと、家で保存できる。ヒビ割れがない。もみが湿度を保つから」
――毎日食べているご飯だが、知らないことが多いなァ。
手を休めながら、応えてくれたお百姓さん、ありがとうございました。
大昔から続いてきた、日本の営みを見せてもらいました。
お百姓さんによって、美しい自然が日本に残っている。
「やっと終わった! 秋祭りが迎えられる」
と、ホッとしている顔になっている。
まずまずのデキ。それに、
おいしいご飯をたべることができるのは、
自然から、お百姓さんへのプレゼントだ。
「さァ、始めるぞ!」
と、田植えをして、うきうきしていたことを書いた。
世界の郷土料理をお届けしているうちに、季節が変わった。
田植えができる喜びから→手を入れ→収穫への期待となった。
すっかり秋になって、実り、稲刈りが始まり、そして、脱穀が終わった。
お百姓さんの1年で最大の喜び、収穫をお伝えしたい。
北海道へ行くと、黄金の穂がついていた(9月2日)。
電車が通ると、鳥は驚いて逃げる(苗穂で)。
しかし、“かかし”や“スズメおどし”はない。
札幌から旭川まで続く田んぼを、電車から眺めたが、
かかしもスズメおどしも見つからなかった。
「どうせ、かかしもスズメおどしも効かない。
少しは、スズメにも分け前をあげよう。
スズメはイネも食べるが、害虫も食べてくれているんだ」
という、北海道のお百姓さんのやさしい思いやり?
広大な田んぼでは、電車が、かかしの役割。
松本では、早い稲刈りは9月12日にみた。
稲刈り機を使い、
ハゼかけをする。
ハゼかけによる自然乾燥は人手仕事だ。
コンバインで刈り取りをしていた(9月15日)。
「デキは、どうですか?」
「まぁ、平年並みといったところじゃないですか」
と、お百姓さん。
――よかった、よかった……天候も味方し、手をかけたのが実った。
ハゼかけの乾燥が終わって、脱穀をしている(9月26日)。
「乾燥するのに、どのくらいかかるんですか?」
「5日から1週間ほどです。
本当は、きょう脱穀したくなかったが、あしたから雨になるから」
と、脱穀するお母さんと、棒を片づける息子さんが応えてくれた。
天候と相談しながらの脱穀である。
そのとおり、翌日は雨だった。
――お百姓さんは、天候に敏感だ!
「デキは、どうだったですか?」
「稲の束を持つとわかるが、今年は、やや軽かったかな……」
「ハゼかけをして、乾燥して、脱穀するのは、手間ひまかかるから、
自分たちが食べる分だけにしている。“ハゼかけ米”として、
高く売れればハゼかけをするが、特別高くならないから。
販売の規制がゆるくなったから、ネットでハゼかけ米や、
産地直送米として販売したり、契約する農家もあるが、手間がかかる」
母ちゃんと勤めの息子さんの農業では、むりなようだ。
「コンバインは簡単で、刈り取って、脱穀して、
農協へ納めると、人工乾燥して、精米する。
だから、うちの田んぼも、ここから先は、コンバインを使った」
トラックから先の田んぼが、すでにコンバインで収穫したあとだ。
「自然乾燥したほうが、人工乾燥よりも、うまいですか?」
「人工乾燥した米は食べたことがないから、味はわからない」
「米はもうからない……赤字です。
食糧の自給率が40%以下といわれているから、続けているが、
いいことは、自分たちが食べる分が、
自分の土地で、できるということですかね。
それに、親せきに配ると大喜びしてくれるから。
おいしいと、毎年当てにされている……1年1度だけですが」
「収穫した米は、どうやって保存するんですか?」
「もみをつけたまま保存して、食べるときに、そのつど精米する。
コンバインで収穫して、一度に精米したときは、
低温保存(1℃)しなければならない。そうしないと、
乾燥してヒビ割れるし、カビが生える。
もみをつけたままだと、家で保存できる。ヒビ割れがない。もみが湿度を保つから」
――毎日食べているご飯だが、知らないことが多いなァ。
手を休めながら、応えてくれたお百姓さん、ありがとうございました。
大昔から続いてきた、日本の営みを見せてもらいました。
お百姓さんによって、美しい自然が日本に残っている。
「やっと終わった! 秋祭りが迎えられる」
と、ホッとしている顔になっている。
まずまずのデキ。それに、
おいしいご飯をたべることができるのは、
自然から、お百姓さんへのプレゼントだ。