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『そんな自分も許してあげる』(読書メモ)

秋野月美『そんな自分も許してあげる:私の社会不安障害とパニック障害』風詠社

人の前だと字がうまく書けない「書痙」という社会不安障害、および急に恐怖や不安に襲われるパニック障害。著者の秋野さんはこの二つの障害をもちながら生きている。

秋野さんが障害を持つようになった経緯や対処法について、ユニークな語り口で書かれているのが本書。

いくつかの対処法があるのだが、一番印象に残ったのは「嫌がるとそいつよけいにこっち来るの法則」。

「逃げられる場合なら逃げたっていいです。でもどうにも逃げられない場合はくるりと相手に正面を向け、「来るなら来い」のウェルカム精神を持つことが大事です」(p.76)

いわゆる「開き直り」である。

また、精神科医にもいろいろいて、「パニック発作が起こっても死ぬことはないので安心して」と言われても安心することはできないらしい。

逆に、「精神障害を発症してしまう人は心が弱いのではなく、逆に強いのです」「強いから長く我慢できてしまい、普通の人では耐えられないほどのストレスをためこんでしまから発症しやすいのです」という精神科医の書いた記事に救われたという。

確かに、こう説明されると、安心する。

程度の差こそあれ、人は障害を持っている。そのポジティブな側面を見て、開き直れば、なんとか対処できる、と思った。




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