宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

アセモと汗による湿疹

2014年06月16日 18時19分03秒 | 診断と治療
梅雨はどこに行ったのか・・・連日の晴れに、とまどいます
先日雨傘を買いましたが、日傘として使っています。

さて。

暑さが続くと、汗によるトラブルが増えてきます。

患者さんが
「アセモができました。」
といわれて受診されることが多くなっています。

でも。

ちょこっと・・・いえ、けっこう違うのです。

それは。

アセモは、簡単に言えば、石けんで清潔に汗を流していれば、自然に治る程度のもの。
あるいは、市販の軽い治療薬ですぐに治るものです。
きっと、シャワーでさっさと治る方は、受診されていないと思います。

一方、汗による湿疹や、アトピー性皮膚炎の汗による悪化は、汗を流すだけでは治りません。
また、汗をかわかすパウダーなどの使用は、かえって悪化します。
この場合は、しっかりとした治療が必要なので、かるいアセモとは全く異なります。

つまり、皮膚科を受診される方の多くは、アセモではなく汗の湿疹のです

この汗の湿疹は、しっかり治療しないと、汗をかくたびにどんどん悪化するので、注意が必要です
また。
水を浴びれば良くなると考えてプールに入ると、塩素消毒でさらに悪化します
お子様の場合は、汗の湿疹をかきむしって、トビヒになることも少なくありません。

さて。
ここで、汗はそんなにいけないものなのか・・というお話。

結論を言えば、汗は時と場合により、敵にも味方にもなるのです。

湿疹がひどい時は、汗は敵となり、悪化の原因です。
でも。
湿疹がきちんと治り、保湿クリームでケアをしていると、実は汗は皮膚を強くしてくれる味方となるのです

だって、冬は保湿しても保湿してもかさかさになることが多いですが、夏はアセモおかげで保湿クリームの効果がばっちりですもの。

なので、まずは、しっかりと治療しましょう。
そして、保湿ケアをおこたらず、汗を味方にできる丈夫な肌をめざしましょうね

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