みどりの野原

野原の便り

10月20日 武庫川渓谷 アオヤギバナ ヌルデ果実・虫こぶ ツメレンゲ フユザンショウ 

2017年10月20日 | Weblog
久しぶりの廃線跡歩き。武庫川沿いには独特の植物も多く楽しみ。

西宮名塩駅から出発。
午前の降水確率は50% 雨覚悟で出発したが、ラッキーにも昼前には止んだ。

名塩は江戸時代には和紙作りが盛んで「泥を入れて作るガンピ和紙」名塩和紙で有名な紙すきの里だったとか。
泥(凝灰石の微粒子)を混ぜて漉く事により、虫害に強く変色しにくく燃えにくい紙ができる。
土取り場もあったらしい。名塩和紙は神社仏閣等の襖紙として使用されていたという。
土を混ぜた紙は漉くのも重労働で、紙すきに携わっていた人もだんだん減り、今は人間国宝の谷野武信さんの谷徳製紙所1軒のみがその伝統を守り続けているという。


途中で見た尼子谷川の白濁した水は紙つくりの土に関係するのかもしれないと思わせる。

武庫川に向かって下ると、武庫川渓谷の植物9種類が植栽されたビオトープがあった。

 
      ビオトープ   初めて見たアオヤギバナ 花はアキノキリンソウと間違えそうだが葉が細い。


なじみのないシタキソウ 花が見たいものだ。
他、キヨスミギボウシ・カギカズラ・ヨコグラノキ・サツキ・ツメレンゲ・ヒメウラジロ・ケキンモウワラビが植えられている。

いよいよ廃線跡に向かう。

輸送力アップのため生瀬~道場館にトンネルを作り複線電化した新線が敷かれ、この間の旧福知山線は廃線になった。
レールを外されただけの線路跡は公式には認められないままハイキング道として利用されていたが、整備され、h28年ハイキングコースとして一般開放された。紅葉のきれいなところだがまだ少し早い。

 
旧廃線跡 橋の手すりも頑丈に整備。 枕木の残る廃線跡。土も入れられて歩きやすくなった。

 
トンネル歩きも魅力の1つ。真っ暗で懐中電灯必携。トンネルは7か所(1つはごく短い)もあった。 
 右)鉄橋。以前は横に作られた歩道を歩いていたが、整備され鉄橋の上を歩けるようになっていた。

トンネルの中、歩くのに必死だったがコウモリがいるよと教えてもらった。

 
すぐ近くにとまっていた。可愛い! 電池で照らしてもらって写真が撮れた。
 右)もう1か所で見たもの。これも飛膜で体を隠すようにしてさかさまにぶら下がっている。

コンクリートのちょっとした隙間に爪をかけているのか。
近づいても、電池で照らしてもびくともしないので、そっと触ってみた。
それでもじっとしていたのは怖くて固まっていたのか?ぐっすりお休みだったのか?

  
    大岩 急流 激流  武庫川の流れは激しい。

 
川沿いにヌルデがたくさんあった。実の周りの白い物質(リンゴ酸カルシウム)が雨にふやけてすごいことになっていた。こんな状態のものを見るのは初めてだ。なめるとしょっぱい。

  
ヌルデシロアブラムシが作った虫こぶ「ヌルデミミフシ」虫が出たらしい穴の開いたものもある。
穴からは灰のような粉が多量に出た。この粉は虫の死骸なのか?糞なのか? 
 右)穴の開いていない虫こぶを切ってみると、翅が生えた虫がうじゃうじゃ。翅のない子虫もいた。
虫こぶの中で単為生殖で何世代も雌虫が生まれ、秋には有翅型が生まれ秋が深まると虫こぶから出てチョウチンゴケ類に2次寄生し越冬、春にまたヌルデに移るのだという。

又、虫こぶは五倍子といい、タンニンを含む。
五倍子の粉と硫酸鉄と貝灰を混合して作ったものを明治時代まではお歯黒に使用されたとか。

 
ツメレンゲはちょうど見ごろだった。足元にもあるが、高い擁壁の上方の苔の中に立派なのがあった。
花が咲いた親株は枯れてしまうという。道端にはまだこれから咲きそうなものや、子株もある。

 
       コマユミ           右)フユザンショウ 
フユザンショウは実の付いたものが多いと思ったら、日本には雄株がなく単為生殖で身をつけるということだ。

 
ナンバンギセルが見れてうれしい。ここは自生だろうから。
        右)ヒトツバハギ 実が連なっていた。葉はだいぶ落ちている。

武田尾駅で解散となる。
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