memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

外来魚がマダラの代わりに 英国

2011-09-11 16:42:09 | 水産・海洋

淡水産外来魚がマダラ、八ドックといった脅威にさらされている海産魚にかわり英国の貯水池で養殖されることになるかも知れないと科学者らはいう。(8月27日 Telegraph)

研究者らはアジア産淡水外来魚を英国の晩の食卓に持ち込む努力をしている。それらの魚の種類にはハクレン、メコンナマズなども含まれ果断ではあるが旨い魚といしてマダラ、サケ、マスなどの代替えになる。すでにBournemouth大学の研究者らは目隠しテストで食味について合格しているという。

100人の消費者にテストをしたところ、39%がメコンナマズpangasiusを16%がコイを43%が伝統的なマダラを選んだという。Big headed carpコクレンはコイの一種であるが東アジアの池では100ポンドにも成長する。その身はピンク色で研究者らはマスやサケの代わりに使えるのではないかと考えている。Silver carp ハクレンは中国で養殖され、pangasiusはメコン河のナマズである。その両者とも白身であり、マダラの格好の代替え魚となる。

それらの魚は植物性の餌を捕食することから環境には優しい。つまり養殖のマスやサケのように海産の小型の天然魚を必要としない。養殖のサケやマスは動物性の餌を捕食するので海でとれた魚からペッレト餌料として与えられる。2.2ポンドの養殖サケマスの生産には9ポンドの天然魚を必要とする。貯水池などでの淡水魚の養殖は同時に水路を塞いだり水に毒を与える植物や水草の除去にもつながる。
研究者らは今英国の貯水池で外来淡水魚の試験を行おうとしている。Bournemouth 大学の生態保護部門の研究リーダーであるSean Grahamは

「我々は淡水環境で持続性のある養殖可能な魚種の確認をおこなっている」と。「海産魚についてはすでに開発されつくしている、また養殖魚にあってはサケマスの場合その餌となる魚に圧力を与えている」 「我々の研究では消費者らが代替え魚を認め、実際にその味に満足している場合もある」(以下省略)
写真はコクレン

フェリーが沈没    タンザニア

2011-09-11 00:01:31 | 海事
定員過剰の船がタンザニア沖で沈没、600人のうちおよそ370人が死亡または行方不明という(9月10日AP/ islandpacket)

フェリー M.V. Spice Islandersは大幅な定員オーバーで一部の客はダルエスサーラム港の出港時、乗船を拒否したと生存者のAbdullah Saied.は語る。本船は潮の速く深場の海のタンザニアとPemba島の間で10日午前1時ころ沈没した

およそ230人が救助され、40人は遺体で発見されたと Mohamed Aboud大臣が語った。千を超える人々がザンジバルのStone Town の岸壁に集まり情報を待っている。ある男性は彼の姉妹、妻、孫を含む親族25人を失ったと叫んでいる。多くの人々は同様に泣き叫んでいる。7人の遺体が流れているのを見たと目撃者のAbdirizak Jumaはいう。

多くの人々は定員オーバーで出港させたことを怒り、政府当局者の解任を要求している。緑の丘陵にとんだPemba島はダイビングの適地として
世界中からダイバーを呼んででいる。

本船は1967年ギリシャで建造された。概要は下記のとおり:
The ship was 60.00 metres (196 ft 10 in) long, with a beam of 11.40 metres (37 ft 5 in). She was assessed at 836 GRT, 663 NRT, 225 DWT. The ship was propelled by two Poyaud 12VUD25 diesel engines, of 1,560 horsepower (1,160 kW)


“African Queen”にいまだ希望あり   タンガニーカ湖

2011-09-11 00:00:37 | 水産・海洋

LIMBA号ほどの歴史的バラストを持つ船はほかにはあまりないだろう。この汽船はいまだタンガニーカ湖を毎週の水曜と金曜日を横断している。この船がドイツの戦艦として建造されてから一世紀がたった(8月30日BBC Belin)

その時代それはアフリカの植民地争奪戦の駒であった。この船はAFRICAN QUEENによって沈められた戦艦のモデルであった。この船は自沈したのちに引き揚げられた。蒸気機関駆動の船は映画の中では同名で扱われ、出演はハイミスとしてのKatharine Hepburn と荒くれ船長としてHumphrey Bogart が演じた。そして今、船はアフリカで最も長い湖のフェリーとなっている。常に数百二人の乗客と様々な梱包荷物それにカゴを積んでタンザニアのkigomaからザンビアのMpulungu の間の湖水をかき回している。しかしどのくらい長続きするのか?ガタガタのへこみのある船体、この船の運航をしている会社はドイツ政府に改修支援を申し入れた。この申し入れの根底にはドイツの歴史がある。この汽船はかつてカイゼル皇帝の砲艦であった。

<猫と犬>
運航会社の報道担当はBBCに語った。「我々はドイツに改修での援助を申し入れた。財政的制約のためだが、いまだ確たる回答は得ていない」
このLiemba号はその人生において1913年Graf Goetzenとして活動した。本船は北ドイツのEms河の Papenburgで戦艦として建造された。皇帝カイゼル自身が帝国の野望を促進するために建造を命じたものという。その Graf Goetzen号は分解されて、500個の木箱に入れられ、ハンブルグから東アフリカのDar es Salaam に輸送された。そしてそこからは山越えをしてタンガニーカ湖にまで運ばれた。そこにはドイツ、英国、ベルギーなどの植民地が目白押しであった。英国のはこの船のプレゼンスを簡単には受けとらなかった。「責務と伝統として英国海軍は水のあるところどこであれ敵に対抗、船を浮かべる」ロンドンは2隻の砲艦を同じく困難な方法で送った。

英国の船は南アに送られ可能な限りは大陸を鉄道を利用、そのあとは2000人お尽力でジャングルを切り開きながら北上、敵国主義競争の行われている湖に到着。ところでこの2隻は当初はCATとDOGと命名されていた。しかしそれはあまりに軽薄であった。当時のロンドンの海軍提督は軽薄ではない。そのかわり今度は子供が使うフランス語で同じ意味のMimi とToutoとなった。

<必須の役割>
植民地のライバルとの競合はその後続いた。ドイツはKigoma港を放棄、船が英国の手にわたることを避けて、彼らの船Graf Goetzenを自沈させた。

<MV Liembaの諸元>
• 1913建造
• 1916 自沈。タンガニーカ湖の海底に鎮座して数年後引揚げられた
• 1927 フェリーとして運航
• C S Forester の小説The African Queen の砲艦Luisaのイメージのもととなり、1951年ハリウッド映画化
• 世界最古のフェリーとして船主が誇りを表現

Goetzenは10年近く海底に鎮座したのち引揚げられた。驚くことに機関はわずかな修理で機能を回復した。多分、自沈させたドイツの機関士が可愛い赤子がふたたび再生できるようにグリースを塗り保護したのではないかと思われる。
誰が船を引き揚げたのかはわからない。ベルギー人かそれとも英国人か。ともあれドイツの砲艦は英国の手に落ちた。明らかに英国海軍は東アフリカを探検したドイツの行政官であるGustav Adolf von Goetzen伯爵の名をつけるわけにはゆかない。そこで名前はLiemba とつけられその後もそのままである。手入れをすれば船はさらに長持ちするだろう。財政支援の要請はLower Saxony地方政府、ベルリンの連邦政府によって認められていない。

ドイツ大統領も発言している。Christian Wulff 大統領は本船は“特異な歴史をもち”東アフリカの人々に“必須な役割を果たした” タンザニア政府も救済の声をあげている。修復のための検討はドイツの関係当局により行われたがそのコストはあたらしく建造するよりもお金がかかるという。でも新しい船は歴史によるへこみやふくらみはないのではないか。