Taing Ky(仮名)と従弟はタイで庭師として働く約束だった。しかし実際は漁船での労働を強制された(8月29日IRIN)
毎年困窮した多くのカンボジャの男たちがタイでのましな賃金という約束に吊られて家を離れる。しかし、実際は南シナ海のタイ漁船で働くことになるのだ。「良い金になると聞いた」Taing Ky 37歳で5人お子持ちはプノンペンの南西200㎞にあるKampot州の出身であるという。6か月ののちインドネシアの北方のBenjina 島で水揚げの際船から脱出をし、地元当局に保護された。
数千のカンボジア人男性が彼らの意思に反して遠洋漁船搾取的な労働条件を強いられている。そこは当局による法の強制力も届かない。ビルマ人も同様であることが多い。「まさに奴隷だ。それ以外の表現はみあたらない」と国連人身売買対策局UNIAPのコーデネーターLim Tifhはいう。
<搾取:その数は数千人に及ぶ>
国際機関ILOによればおよそ12万5千人のカンボジャ人がタイ国内で合法的に就業この中には2.5万人の漁師を含む。しかし合法的入国コストは法外な金額となりその機会も減少。タイでは正式書類のないカンボジャ人が増加、その多くは人身売買によるといわれている。
違法入国でタイから追放されたカンボジャ人の数は2009年には89,096人におよびうち2万人が人身売買によるとされると国連のUNIAPによる定点サーベイランスは伝えている。
タイから追放されたカンボジャ人漁民の約31%は人身売買された人々であると。彼らは1年におよびタイから乗船し洋上にいるためその追跡は困難である。「これは大問題である。我々が受け取る報告は氷山の一角に過ぎない」 「実数はもっと大きい」とLim Tith氏はいう。.問題はマレーシアからインドネシア水域にも拡大、そこではさらに事例が報告されている。今年だけでも25件になるという。
<トラウマを抱える>
20時間労働、食物の剥奪、暴行、脅迫などから逃れられれば幸せである。多くの場合漁船側は武装している。「船長は銃を持つ、働く以外に選択の余地はない」と生還者は語る。消耗品とみなされて海に投げ込まれることもあるほど劣悪である。「虐待経験のトラウマ化けもある」児童と女性に対する法的支援プログラム(LSCW)のMom Sok Char はいう。「数か月に及ぶ強制労働であればそれは十分考えられる」こうした人々は心理的支援を求めることもない。
「さらに多くの人々が犠牲者となっている。カンボジャ政府は非常に懸念している」COMMITの会長San Arun女史はいう。もはや女性や児童に対しての問題だけではない」とし、地域的な人身売買対策の必要を訴えている。.
<タイの行動が求められる>
今月早く、人身売買被害者に関する国連の特別報告者で女性児童担当のJoy Ngozi Ezeiloはタイ政府に呼びかけた。「人身売買に対する戦いを効率的に行い不当な労働を強いられている日人々の人権保護にあたるべきだ」 「タイはその根源、移動、目的地として重要な課題に直面している」と国連の担当官は12日間の調査の後語った。
「強制労働は農業、建設、漁業分野でその数を増している」と彼女はいう。(以下省略)
写真:女性よりも男性の人身売買被害が多い。