ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

マーヴィン・トランのソチ五輪までの日本国籍取得はほぼ絶望だろう

2012-10-30 00:00:00 | スポーツ


以前カナダ国籍のフィギュアスケート選手マーヴィン・トランが、ソチ五輪までに日本国籍を取得するというのは無理ではないかという記事を書きました。で、過日このような記事が出ました。

><フィギュア>ペアの高橋成美が左肩脱臼、GPシリーズ欠場
毎日新聞 10月25日(木)12時8分配信

日本スケート連盟は25日、フィギュアスケート・ペアの高橋成美(木下ク)マービン・トラン(カナダ)組が、高橋の左肩脱臼のためエントリーしていたグランプリ(GP)シリーズの中国杯(11月2~3日・上海)とNHK杯(同23~25日・宮城)を欠場すると発表した。

【写真でみる】フィギュア世界国別対抗戦で首位となった高橋成美・トラン組

 同連盟によると、今年4月に陸上でリフトの練習をしていた際にバランスを崩し、左肩を脱臼したという。状態が好転しないため、練習拠点のカナダから帰国して医師の診察を受けた結果、手術が必要で全治約3カ月と診断された。全日本選手権(12月21~23日・札幌)以降の出場は、経過をみて判断する。

 高橋、トラン組は、今年の世界選手権(フランス)で日本ペア初の銅メダルを獲得した。【芳賀竜也】


もうひとつこちらも。

>高橋、トラン組がGPシリーズ欠場=高橋が左肩手術―フィギュア
時事通信 10月25日(木)11時50分配信

 日本スケート連盟は25日、フィギュアの昨季世界選手権で銅メダルを獲得したペアの高橋成美(木下ク)マービン・トラン(カナダ)組が、高橋の左肩手術のためグランプリ(GP)シリーズを欠場すると発表した。
 高橋は4月の練習中に左肩を脱臼。治療をしながら今季に備えてきたが、検査の結果、「左反復性肩関節亜脱臼」と診察された。来週にも手術を受ける予定で、全治は約3カ月の見込み。
 高橋、トラン組は11月2日からの中国杯(上海)と同23日からのNHK杯(宮城県)に出る予定だった。来年3月の世界選手権代表選考を兼ねる12月の全日本選手権の出場も微妙だが、けがの場合は代表選考で特例措置もある。 



トラン自身の問題ではなく、トランの相方の女性が手術ということで、グランプリシリーズへの出場が不可になったということですね。これではちょっと今シーズンはどうこうできる状況ではなさそうですね。

>来年3月の世界選手権代表選考を兼ねる12月の全日本選手権の出場も微妙だが、けがの場合は代表選考で特例措置もある。

といったって、全治3カ月とのことですから、ろくすっぽ練習ができるはずもなく、もし特例措置で世界選手権に出たとしても、昨シーズンのような活躍はとてもできない相談でしょう。

いろいろ考えがあるでしょうが、たぶんこれでトランのソチ五輪までの日本国籍取得は絶望でしょうね。どっちみち私は、日本政府が彼の国籍取得について特段に配慮するなんて措置をとる可能性はないといって言いすぎなら(ぜんぜん言いすぎではありませんが)その可能性ははなはだしく低いと思いますが、わずかな可能性にかけるとしたらシーズンを通して大活躍するしかないわけで、今シーズンの活躍はもう絶望的でしょうから、そうすると彼の国籍取得はできない相談になるでしょう。彼が日本国籍を取得するのはどんなに遅くても2013年中でないといけないでしょうから、2013年の段階で「2012-2013シーズンは活躍できなかったが、2011-2012シーズンは世界選手権で3位になった。だから、特例として日本国籍をおくれ」と要求するわけにはいかないし、したところで相手にされないでしょう。

それは仕方ないと私は思います。そもそも日本に在住していない彼に日本国籍を取得させようなどという考えが、無理だったということです。

でもですよ、これは言っても仕方ないというレベルの話になりますが、彼に日本国籍を取得させるというのなら、もう少し下準備というか申請にも大義名分がたつような準備をしないとだめだったんじゃないのと思います。そもそもトラン自身どれくらい本気で日本国籍取得を具体的に考えていたのか疑問だし(熱望していたら、もうすこし事前にそれなりに動いていたんじゃありませんかね?)、スケート協会がかなり強引に彼をくどいたってのが実態じゃないんですか。それは仕方ないとして、それで法務省に特例措置を期待するなんて当てにならないことで話をすすめるなんて、トランからすれば「はしごをはずされる」っていうところじゃないんですか。日本は自他ともに認める国籍取得が難しい国であるわけで、いくらスケート協会のトップが(現野党所属ですが)国会議員だといったって、法務省というか日本政府がそんなに容易に国籍取得を認めるわけがないでしょう。トランからすれば「話がちがう」「だまされた」っていうところじゃなんですか。

トラン自身がどれくらい日本国籍取得による日本代表→ソチ五輪出場、なんて計画に期待していたかどうかは分かりませんが(ダメモトくらいの認識だった可能性もあります)、ほとんど当てにならない話に彼を巻き込んで、彼はとても気の毒だと思います。あえて言えば、彼が絶対ソチ五輪までに日本国籍を取れるという見通しがなければ、彼に日本国籍取得をすすめるなんてことは「絶対」やってはいけないことでしょう。いや、スケート協会はそのような見通しをもっていたのかな。それは確認できませんが、どちらにせよ当てにならない人たちです。

今回の相方の人の手術は予想していたことではなかったのかもしれませんが、個人的には「どうもなあ」です。彼は、この女性とフィギュアスケートをすることのみで日本国籍を取得する意味があるし、彼女がまともなスケート活動ができないのであれば、彼にとって日本国籍取得なんてまったく意味がありません。正直彼は、もし日本国籍が取れたとしても、オリンピックが終わって現役を引退したら、たぶんカナダ(か第三国)に帰るんじゃないんですか。日本語が得意でなく、ベトナム人とカンボジア人の血を引いている彼が日本で暮らすってのはけっこう厳しいと私は思います。

そこまで書くのもどうかと思いましたが、彼が日本国籍をとってもいろいろ厳しいと思うし、それで実際は国籍すら取れないんだから彼からすればいいように翻弄されたっていうところでしょう。関係者は、当てにならない話で彼にひどい迷惑をかけたのだから、猛省してほしいと思います。もう遅いでしょうが。

で、上と話はちがいますが、やはりオリンピックのフィギュアスケートのペアやアイスダンス、テニスのダブルスなどは、国籍のしばりをなくしてもいいんじゃない? 国旗のかわりに五輪旗を掲げればいいだけでしょう。チームスポーツならともかく本来スポーツに国籍なんか関係ないんだからさ。
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