拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

朝ドラからカザルスへ

2023-04-19 11:30:03 | 音楽

朝ドラで主人公が「若」と呼ばれているが、これってなんの略だろう、「若大将」?加山雄三じゃあるまいし。「若殿」?主人公は町人だし。「若社長」?この時代、主人公の実家(酒造業)はまだ会社組織になってないはず。そうだ!「若旦那」だ!

その若旦那の実家の商売が「酒屋」と紹介されていた。今では、「酒屋」と言えば酒販店のことだが(ゲゲゲの女房の実家がその意味の酒屋だった)、当時、酒造業も「酒屋」と言ってたんだなぁ。

その朝ドラだが、今回、特筆すべきは劇中音楽におけるチェロの活躍である。レシー(ト長調の重音)って鳴ったときなどバッハの無伴奏チェロ組曲第1番かと思った。因みに、前作ではクラリネットがよく使われていた。それから、今の大河の主題曲では、いろんな楽器が交互にソロででてきて、なかなか聴き応えがある。

そのチェロの音が好きである。一度触ってみたいとの思いから1年半前に購入したのだが、ずーっと触ってたいと思う。チェロをやってる人は、大概、バッハの無伴奏チェロ組曲を弾きたいと思うようだが、先生についてると、先生が「まだ早い」と言ってなかなか弾かせてくれないので、どうしても弾きたい人は隠れて弾くそうだ。私には先生がいないから、そこらへんは堂々としたものである。

そのバッハの無伴奏チェロ組曲を最初に聴いたのは、子供の頃、多分FMで。カザルスの演奏だった。素晴らしい演奏で、演奏後に解説の人が「こんな名演があれば、もう他の演奏はいい、と思いたくなるが」と言うからラジオのこっちで、うんうんと頷くと、「他にもいい演奏があって」と言って、次にかけたのがヤーノシュ・シュタルケルの演奏。ほんとだ、こっちもいいなぁ、と思った(解説の人の言いなりになった素直な子供時代のワタクシであった)。

動くカザルスを初めてテレビで見たのは、有名な国連での「鳥の歌」の演奏であった。カザルスの故郷のカタルーニュの鳥はピース、ピースと鳴くのだよ、と言っていた。カザルスがスペイン内戦を避けて亡命していたことなど、当時、お子ちゃまだった私は知る由もなかった。

そのカザルスがオケを振ったときの録音を聴いたら、あまりに骨太なのでびっくりした。

私が最初に買ったベートーヴェンの「大公トリオ」のレコードは、カザルスがチェロを弾いたものだった。有名なカザルス・トリオの演奏ではなく、晩年にボンのベートーヴェン・ハウスで弾いた生演奏の録音である。

朝ドラとカザルスのつながりはかような話でごじゃり申し候。無理くりな流れではなかったでござろう。それにしても、今日は、東京は26度になる、半袖でいい!とテレビが言ってたから朝から半袖で過ごしているのだが、家の中はいっこうに気温が上がらず大変寒い。あわててセーターを着込んだワタクシである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿