拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

テンパク先輩

2017-05-22 09:39:31 | 日記
日曜日の競馬中継の前にやってる「ザ・ノンフェクション」は、凋落久しいこのテレビ局の番組としては出色。一週間前は競走馬の生産牧場の話だった。夫婦だけでやってる牧場。だが起きる事件は悪いことばかり。ようやく走る馬が出たと思ったら重賞レースでまさかの「落馬」。「よりによって落馬~?」と頭を抱える夫婦。「落馬」でがっかりするのは馬券を買った人だけではない。因みに、障碍レース(陸上競技のハードル走みたいなもの)ではよく落馬する。そして、私は、中学時代、障碍レース……ではなくハードルの選手(馬ではない)だった。で、その牧場、いよいよ食っていけなくなり、妻はパートに出て、牧場の仕事は夫だけでするようになり、ますます大変。それでも、昨年は生産馬が結構がんばったおかげで奥さんがパートを辞めて牧場に戻ってこられた。今、競馬界には、巨大な生産牧場グループが君臨しているが、こういうがんばってる零細牧場もあるのだ。で、その番組、昨日は徳之島から同じ料理屋で板前修業をするために上京したシゲキくんとマホちゃんの話。真面目で意識が高いマホちゃんは最初からがんばりまくるが男社会の壁にぶつかりまさかのリタイア。故郷には帰れず母のいる和歌山に行く。一方、シゲキくんは先輩からのいじられキャラとなって結構いい調子。特に店のホープ(そうか!「ホープ」って「hope」だったんだ、と今さら。スターウォーズの第1作の副題は「a new hope」)のテンパク先輩とは兄弟のように仲良くなった。そのテンパク先輩が実は他店から引き抜きにあっていて、で、シゲキくんに「この店にいてもいいように使われるだけだぞ」と悪魔のささやき。こういうことを言う人がいるものだ。絶対それに乗ってはいけないのだが「勘違い」してそれに乗っかるシゲキくん。先輩を追って店をやめてしまった(勘違いはしてしまうもの。私も覚えがある)。ところが、新しい店がうまくいかない。そしたらテンパク先輩が「お前はもう少しあの店に残ってた方がよかった」。え~っ?シゲキくんでなくても耳を疑う。それどころではない。テンパク先輩は結婚を機に新しい店をやめてしまった。完全にはしごをはずされた感じのシゲキ君。一方、和歌山でレジ打ちのパートをしていたマホちゃんは一大決心をする。それは最初にやめた店に戻ることだった(そうなればよい、とおじさん(=私)も思っていたよ)。一度挫折を経験してるせいか、マホちゃん、今回は肝が据わった感じ。さて、日本中の視聴者を敵に回したテンパク先輩はどうしたかというと、居酒屋の調理場にいた。これまで経験したことはすべて糧になると、あきれるほど前向き(ネット民の興味は先輩に集中)。「置いてきぼり」をくったシゲキくんの店にもぼちぼち常連客がついてきた。いやー、波瀾万丈ですねー、ってまだ二十歳前後だもんね。いーーーーーーっくらでもやり直しがきくもんね。っという感じで、若者から勇気をもらって人生巻き返しを図るカンレキ直前の青年のつぶやきでありました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿