拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

同じ変ホ長調でも(英雄と皇帝。こうもり通唱会の話もちらっと)

2020-01-23 11:24:20 | 音楽
ベートーヴェンの「皇帝」は英語圏(とその影響を受けた日本等)のみの呼称だが、ハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」は、本家ドイツ語圏でも「Kaiser Quartett」である。この曲の第2楽章は、かつてはオーストリアの国歌、今ではドイツ国歌である。私は、まずハイドンの曲があって、それがオーストリアの国歌になったのだと思っていたが、Wikiによると、始めからハイドンがオーストリアの国歌を作ることを提唱して作った曲で、それを変奏曲にしてこのカルテットの第二楽章にしたのだそうだ。私、生涯で二つ目に買ったスコアがこの曲のもの(中学1年のときだったか。因みに最初に買ったのは第九)。なんで買ったのかは今となっては不明。曲を知ってたわけではない(レコードもなかったから、曲の情報はこのスコアのみである。もっぱらスコアを読んで曲をイメージしていた)。当時ヴァイオリンを弾いていたから、弾いてやろうと思ったのかしらん。さてさて、もう一つ、本家ドイツ語圏でも「Kaiser」と呼ばれているのはヨハン・シュトラウスの「皇帝円舞曲」(Kaiser-Waltzer)。当初別の名前が付いていたのだが、出版のときに「皇帝」になったらしい。ヨハン・シュトラウスとくれば、「こうもり」!「こうもり」とくればこうもり通唱会!7月12日にやりますよー。詳細はそのうちスレにしますからね!乞うご期待!宣伝タイム終了、本文に戻る。「皇帝」ときくと「英雄」を連想するのは、これは故あることである。ベートーヴェンはナポレオンに第三交響曲を捧げようと思った。ところがナポレオンが皇帝になったのを聞き激怒して「ナポレオン」の名前を楽譜から抹消して「エロイカ」(英雄)に改題した、という有名なお話。だが、連想の所以はそれだけではない。ベートーヴェンの「英雄」と「皇帝」はともに変ホ長調。出だしがこの調の主和音で直球真っ向勝負のところが共通である(それに対して、交響曲の第一とか第九はフェイントで始まる)。ただし、「英雄」は「ジャン」、「皇帝」は「ジャーーン(ピロピロピロ……)」であるから、イントロ宛てクイズでも0.5秒待てば間違えることはないだろう(0.1秒だとお手つきになるかもしれない)。変ホ長調はいいですなぁ。リヒァルト・シュトラウスの「英雄の生涯」も変ホ長調。モーツァルトの交響曲第39番も変ホ長調。ヴァーグナーの大作、「ニーベルングの指輪」の冒頭(ライン河の底)も変ホで始まる。

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