拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

Der du/ルチア・ポップが歌ったエリア

2023-12-02 13:12:08 | 音楽

例の音楽横好きの友達の横野好夫君がどっかの合唱団で「エリア」って曲を歌ってるんだけど、歌詞が奇っ怪だ奇っ怪だって言うの。奇っ怪なのはあんたの顔でしょ、と思ったんだけど、一応見せてもらったら「Der du deine Diener machst zu Geistern,und deine Engel zu Feuerflammen」って歌詞で、ああ、このパターンね、たしかにこれは奇っ怪よねって思った。意味は「下僕を霊にし、使いを炎とするあなた」だってことは想像がつくんだけど、これを関係代名詞で表すんなら「Du,der……macht」でしょ?「Der du……machst」って文法的にはどうなのかしら。「こういうのもある」で済ますのはなんか気持ちが悪い。はっきりとした説明がほしい、どっかで見た覚えがある、と思って「Der du 関係代名詞」でググりました。通り一遍の関係代名詞の説明しか出てこない。しかも、検索エンジンったら「du」を見なかったことにしてる(検索エンジンって、ときどき見なかったことにしますよね。わざわざメーカー名を入れてググってるのに他のメーカーの商品が出てきたりとか)。こうなったら頼りは「あれ」(阪神の優勝ではない)。30年前に買ったドイツ文法の解説書。本の厚さが1センチしかないんだけど(5ミリって書こうと思ったけど、定規で測ったら1センチはあった)、知りたいことがだいたい書いてある良書。その関係代名詞の項を見る。すると「先行詞がduの場合は、duを関係代名詞の後に繰り返すことが多い。その場合、関係文中の動詞の変化はduに対応したものになる。つまりDu,der du……stとなる」だって。これね。件の歌詞では頭の「Du,」(先行詞)が省略されてるけど、これこそ、実例としてそういう省略もある、ということにしときましょう。まあ、このネタはウケないでしょうけど、日本のどこかでこの構文で悩んでる人の一助になるかもしれないから是非書いてくれって横野君が言うから書いてあげた。

実は、この歌詞は、もう一つ奇っ怪なことがあって。元は旧約聖書の詩篇104番なんだけど、そのドイツ語訳の中で「Der du」の構文を使ってるルター訳では「der du machst Winde zu deinen Engeln und zu deinen Dienern Feuerflammen」(風を使いとし、炎を下僕とするあなた)になってるの。日本語訳も同じ。エリアの歌詞は「下僕を霊にし、使いを炎とする」だから内容が入れ替わってる。作曲者のメンなんとかさんが変えちゃったのかしら。分からないから、変えちゃったってことにしときましょう。

因みに、横野君は30年以上前に、「エリア」を生で聴いて、そのときソロを歌った歌手の中にルチア・ポップって人がいたんだって。ポップス歌手みたいな名前だけど、クラシックの歌手なんだって。で、横野君、そのポップの大ファンなんだって。で、レコードのジャケットを見せてもらったら(CDじゃなくてレコードなのは、そっちの方が顔が大きく写ってるから)、あら、たしかに可愛い顔してる。横野君って面食いなのかしら。自分の顔は奇っ怪なのにね。あれ?そう言えば、横野君、ベロベロバー(みたいな名前の歌手)が好き!って言ってなかった?って聞いたら、どっちも同じくらい好きなんだって。因みに、ベロベロバーとルチア・ポップは同郷だそうよ。あたし、ルチア・ポップは知らないけどお馬さんのレモンポップは知ってる。明日のG1レースに出るから買おうかしら。



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