拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

高等

2024-01-26 16:27:27 | 言葉

八王子に「100円ラーメン」の店が復活したんだと。日銀のお偉いさんはさぞやほぞをかんでいることでしょう。なにせ、物価を上げたくて仕方がない人達だから。

漱石の「彼岸過迄」に「私は高等遊民」と自称する人が登場する。「高等遊民」とは、高等教育を受けながら仕事をしないでぶらぶらしてる人のこと。「それから」の主人公も高等遊民で、仕事をしないでも一戸建てを構え、書生と女中さんを住まわせているけど独り者だった。けれど、「彼岸過迄」の高等遊民氏は、「一戸建て」「女中さん」に加えて、奥さんもいて子どももいる。そして、奥さん以外の女性と西洋料理店でお食事をしたりしてる。お金の出所はやはり親だろうか。日本の公的年金制度は1942年に始まったというから(厚労省のサイト)、明治時代にはまだなかった……つうか、件の高等遊民氏は制度があったとしてもまだ年金をもらうような歳ではない。因みに、知らない人からレストランで一緒にいたのは誰かと聞かれてときの答えが「高等淫売」。でも、これはウソで、本当は姪っ子。そう言えば、「椿姫」は高級娼婦だったわよね。「高級娼婦」と「高等淫売」は同義かしら。どちらも偉い人しか相手にしないっていうから同じかもね。

仕事もしてないのに一戸建てを構えて……って書いたけど、考えてみれば、明治時代にはアパートもマンションもなかったからね(アパートが最初にできたのは1910年)。長屋じゃなければ一戸建てに住むのが普通だったのかもね。それに、漱石の登場人物は大概借家住まいだから、「一戸建て」が「高等」の所以ではなかったのかも。そう言えば、昔の知人が結婚して水戸に住んでたことがあってね、当地では、アパートではなくて一戸建てを借りるのが普通だと言っていた。

あたし、ほら、奥地に一戸建てを買ったでしょ?でも、二束三文だけあってリフォームしないと住めないの。そこで、今、リフォームを検討してるんだけど、どこに頼んだらいいのかよく分からなくて。ガス屋さんが副業でリフォームをやってることが多くて、そっちでもいいかな、と思ったんだけど、エコキュートにしてオール電化もいいかな、と思って。でも、ガス屋さんにオール電化の相談したら怒られるわよね、絶対。

そう言えば、こないだ共産主義について、「各人が能力に応じて働いて、各人が必要に応じて受け取る世界」って書いて、でも、人間はそこまで「高等」にできてないから、さぼる人も出てくるだろうし、余分にとる人も出てくるだろう、って書いたけど、共産主義の論者もそこんとこはちゃんと分かってて、「各人が……」は人類がもっと高等になった後の話で、その前段階においては「働いた分だけ受け取る」んですって。すると、高等遊民は、働かないんだから配分を受け取ることができない。すると、餓死していなくなっちゃう。そうやって、能力に応じて働く人ばかりが残って、それイコール「人類が高等になった」で、共産主義の理想型にたどり着く、ってことかしら。すると、高等遊民はネーミングに反して高等ではない、ってことね。いずれにせよ、高等遊民は共産主義社会には存在しない種族なわけね。

「長屋」と言えばね、星飛雄馬は長屋で育ったんだった。で、「巨人の星」の続編の「新・巨人の星」で、その長屋が取り壊されるシーンをちらっと見たんだけど、あたし、「巨人の星」はしっかり全部読んだんだけど、「新・巨人の星」はちゃんとは読んでないの。だから、長屋が取り壊される前後の話がよく分かってない。読まなくちゃ。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿