拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

孤閨をかこつ・守る

2024-09-07 06:51:01 | 朝ドラ

朝ドラ「虎に翼」で寅子を演じている伊藤沙莉さんを初めて知ったのは、かつての朝ドラ「ひよっこ」の米子役。米屋の娘の役である。米子は自分の名前が嫌で「さおり」と名乗っていた。昨日のあさイチでは、是非、米子の思い出話をしてほしかったのにそれは出なかった。そう言えば、「虎に翼」に「山田よね」という役名が登場する。「米子」にしろ「よね」にしろ、親はお米に不自由しないようにと願って付けた名前だろう。

その米がお店にない。米屋にもない。新米が出るまでの辛抱だと言われてきたが、その新米の価格は銘柄によっては40%アップだと言う。このインフレの中、比較的価格が安定してると言って米に注目が集まっていたのに40%増はきつい。私は予言する。今後、米離れは一層加速するであろう(米不足でタイ米を輸入したときがそうだった)。田んぼの景色は日本の原風景であるから残ってほしいのはやまやまであるが、残念なことである。

田んぼと言えば、私が子供の頃、季節になると田んぼの蛙の大合唱が町中に響きわたっていた。稲を刈り取った後は子供達が野球をして遊ぶ場だった。「横浜市」と言っても、港のヨーコが闊歩するエリアだけではないのである。その故郷を何十年ぶりかで訪れて歩いてみたら、田んぼがすっかり住宅地に変わっていた。もはや蛙の合唱が響くことはないだろう。こんなにどんどん田んぼをつぶしてよく米が足りてるなー、それだけ米離れが進んでるのかー、と思っていたら、需給はキツキツだったのだろう。ひとたびバランスが崩れると今回のような米不足である。

ところで(落語ならここで羽織を脱ぐところである。だが枕話の方が長い)、私の靴下の片割れが長いこと雲隠れ状態で、残されたもう片っ方は孤閨をかこっていた。いったいこの狭い家のどこに隠れているのか不思議だった。ところが、ある日、猫のケージの下から見慣れないブツが顔をのぞかせている。

もしや、と思ったら当たりであった。行方不明の片割れであった。いきなり顔を出したのは、多分、最近レーザーディスクを押入から取り出すときこのケージを動かしので、そのとき引きずられたのだろう。崖崩れによって顔を出した地層から化石が見つかるごとしである。明けない夜がないごとく、見つからない靴下の片割れはない。相棒が見つかって、各々は再びペアとなって衣装ケースにしまわれることとなったが、それが彼らにとって幸せかどうかは不明である。因みに、前出の朝ドラ「ひよっこ」は、ヒロインの父が長く行方不明で妻(ヒロインの母=木村佳乃)は孤閨を守っていた。なお、「孤閨(こけい)をかこつ」は独り寝の寂しさを嘆くことであり、「孤閨を守る」は配偶者の長期不在中に残存配偶者が家を維持すること(だそうで)である。(私にとって)大変お勉強になる当ブログである。