アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

誇り

2010年02月12日 | 読書日記 その8
「マルコムx(人権への闘い)」  荒このみ著   岩波新書
「キプリングの日本発見」           中公公論新社

マルコムxはキング牧師と対比され、戦闘的な公民権活動家というレッテルをマスコミに植え付けられ誤解された部分も多くあったのだなあと思いました。

「マルコムがみなに教えてくれた貴重な教訓のひとつは、自分の歴史を知ることでした。自分の歴史を勉強しなさい。世界を知りなさい。そのままの自分に誇りを持ちなさい。「自分が誰であり、どこから来たのかを知らなければ、将来どっちに向かっていけばいいのか分からないじゃないか」とマルコムはよく言っていました。
 自分自身の歴史を発見する過程で、合衆国に住んでいるアフリカ人、アジア人、プエルトリコ人の多くが、自分の心の中に潜む人種主義をかなぐり捨て、自分達の歴史的遺産に誇りを持つようになるのです。
 でもそこで止まってはいけない。他の人々の歴史も勉強しなさい。社会運動の歴史を勉強することで、社会の変化をいかにもたらすことができるか学ぶことができるのです」(本文より)

後者は、明治期に日本を訪れたイギリス人キプリングの日本滞在期が綴ってあります。
「「・・・日本人は技術に心を込めている。私達にはそれができない」と私は答えさらに続けた。
「そんな日本人が大真面目に憲法を制定し、近代国家を建設しようとしている!いったいこのあとどうなっていくのか見張っておくべきでしょう。
 私が思うには、世界中に憲法を持つことが許される国はたった二つで、それはイギリスとアメリカです。要するに芸術と無縁の国々です」(本文より)

それまでの日本には芸術(技術)があり、それが秩序を守ってきたとキプリングは云いたいのであろうか。
西欧かぶれになる日本を危惧し、自国にある素晴らしい文化を継承することを提唱する。

自分に誇りを感じることができるようになれば、差別主義者はいなくなるのであろう。
芸術、技術を身につけた人が多数いて尊敬されれば、法律がなくとも社会の秩序は保たれるのであるのかもしれない。

追記
技術(職人)を持った人とその人たちを尊敬している人たちは、「同じ」なんだなあと思う。
同じ人たちが作る社会は、秩序というものが介在していて文化も自然と育んでいくものと思う。

コメント
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