『長いこと拘置所に入っていた人間が社会に復帰した時に、奇行にはしると言われるね。
バランスが崩れると、社会復帰するのに時間がかかるのかもしれないし、そのようなことを暖かく迎えられる社会というものが成熟した社会というものかもしれないね。
人はバランスをとりながら、生活を営む生き物だと思うけど、この社会が拘置所のような環境であったなら、バランスをとるのは難しそうだ。
他人の中傷やうわさ話、自分のことは置いといて同類者と一緒になって相手を貶める行為、僕はどうしてこのようなことをするのか分からなかったのだが、『奇行』としてみると理解できるんだな。
ひとつには自分の優位性を誇示したいという欲求、相手にもそれを認めさせるという欲求、相手を自分よりも先に行かせたくない欲求。
これらの欲求がバランスを崩し、攻撃性がさらに増すという悪循環が続くんだろうね。
じゃあ、どのようにしたら成熟した社会というものが作れるのだろう?
君たちは、自転車やオートバイに乗るかい?
それらの乗り物で何が大切か分かるかい?
ブレーキだろ?
エンジンやタイヤがパンクしていたら乗れないだろ、そんな時は乗らなくていいんだよ。
ブレーキが壊れていたらどうする?乗るかい?乗れるよな。
でも乗っちゃあダメなんだよ。
それと同じで、ブレーキは人間の部分でいうと「心」だよ。
「心」が壊れていたら、ゆっくりと休めばいいんだよ。
元に戻ったら、また走り出せばいいんだよ。』
あくまでも小森秀雄という人物に語らせていますので。(管理人)