暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

口切の茶事を2回しました・・・・2016年11月

2016年12月13日 | 茶事・茶会(2015年~自会記録)

                        
  遠山は遥か奥深く遠けれど・・・
  ゆっくり歩んでいきたい


今年も残りわずかとなり、年内にどうしても書いておきたい茶事があります。

口切の茶事を11月19日(土)と27日(日)に頑張って(?)2回しました。
近頃あちらこちらと故障がちの我が身を省みると、少しでも元気なうちに皆さまを我が家の口切の茶事へお招きしたい・・・と発心したからであります。

                        
    後座に荘られた茶壺

19日のお正客は茶友Sさま、6年前にSさまの内口切の茶事へお招きされて以来、いつか私も口切の茶事をしてみたい・・・と密かに憧れておりました。
やっとお招きすることが出来て、もう感無量でした。
ご連客様は日頃親しくしている方ばかりで、次客Hさま、五葉会のお仲間の三客Yさま、四客Kさま、五客Yさま、そして詰は社中のN氏です。

                        
 柏葉あじさいと西王母 (11月19日)

27日のお正客は京都の茶友Sさま、8月にお伺いすると
「あいてます!!その日!是非参席させて下さいませ!」とのことで、京都から駆けつけてくださり感謝感激です。
三客Nさまと四客Tさま、京都へ出かける寸前のNさまの茶事を懐かしく思い出しながらお招きしました。
次客Oさま、五客Iさま、詰Yさまは暁庵と稽古に励んでいる東京教室のお仲間です

                         
 ニシキギと白玉椿 (11月27日)

懐石は佐藤愛真さん、前回に続いて腕を振るって頂きました。

                        
  煮物椀 (銀杏のすりながしです)
                        
 炊き合せ (愛真さん自製のひろうずが絶品でした)

そして、亭主をサポートする半東ですが、19日は社中のベテランFさんに半東を、27日は社中の新人Kさんに半東見習いをお願いしました。

こうして全ての役者が揃い、口切の茶事の幕が二度上がったのですが・・・・。
茶事にアクシデントはつきもので、それをどのように乗り越えるのかが亭主の課題と重々承知していましたが、一番の課題は私の足指の怪我でした。
爪先立ちが大変で、お点前や懐石の運びなどお見苦しかったことと思います。
半東のお二人に助けられ、19日はFさんに懐石と薄茶を、27日はKさんに薄茶をお願いして乗り越えました。
それでも、それらの状況を全て飲み込んでお客さま方は口切の茶事を楽しんでくださったようで、それが何より嬉しく、私も幸せなひと時を過ごしました・・・。

今回ほど、お客さまからのお手紙が待ち遠しく、嬉しかったことはありません。
それで、19日の茶事のYさまと27日の茶事のSさまから頂戴したお手紙の一部を掲載したいと思います。
心から感謝を込めて・・・・

                        

 Yさまより
いちょうの黄葉が美しい季節になりました
先日は口切の御茶事有難う存じました
それぞれ物語のあるお道具と美しいお点前での大変美味なお濃茶
経験豊富な御連客様との愉しい会話と
まことに御茶事冥利につきる時を過ごすことができました
心から感謝申し上げます
暁庵さまのお茶に対する思いを少しでも知りたいと、
五葉会の門を叩かせて頂いた私としましては貴重な経験でした
やっと御茶道の入口に立った私です  どうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます
御足の具合はいかがでしょうか
くれぐれも御身大切になさってください   Yより

     



 Sさまより
露地の落葉がはげしく掃除に途方に暮れています
先日は口切の茶事へのお招き ありがとうございました
口切は大寄せとか稽古でしか経験がなく 今回横浜まで寄せて頂いた甲斐があり
全体の流れもよくわかり勉強になりました・・・と申しますより何より楽しかったです

「茶壺を準備するところからして大変そうやな」と、とても自分はできないと常々思っていた口切りをあのようにするするされるとは驚嘆です
封印の和紙をじょりじょり切る所作はどきどきするとともに何だか楽しい作業のように思えました
半袋までお手作り、詰茶も自分でとお聞きしこれまたびっくりです
「簡単よ!」とおっしゃいますが、身近にそういうことをこなされている方がいない身にとっては
「それって自分でできるなんて知らなかった!!」と目からウロコでした。

                    
  暁庵も大好きな「古染の向付」 

思い入れのあるお道具 社中N氏蔵の垂涎の古染の向付  大きな大きなふくべの炭斗
ぎんなんのすり流しの煮物椀が素晴らしかった印象に残る懐石 いずれも心にのこります
黒楽茶碗「不老門」に再会できたのも嬉しかったです
炭もよく熾って炉の中を覗くのが楽しいくらいでした

「遠山無限碧層々」のお軸の遠山が茶の湯の深い深い山で、
奥まで行きつかないという思いは私も同じです
それでも先を行かれる暁庵様のあとを追ってさらに分け入りたいと思った茶事でした
ありがとうございました      Sより



(独り言・・・
 私が言うのも変ですが、とてもステキで楽しい口切の茶事でした。
 それも全てお客様のお客ぶりのおかげと感謝しております。
 とっても楽しかったので、またまた「茶事したい病」にかかりそうです。
 皆さま、ありがとうございました )    やっと

 


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