阿羅漢のお言葉・・・28番大日寺門前の仏具屋さんにて
6月3日(4日目)、「リゾートホテル海辺の果樹園」を8時半に出発し、次の順に札所を回りました。
この日はお気に入りのホテル「ネスト・ウエストガーデン土佐」(高知市幡多郡入野)を予約していたので、長距離移動の日になりました。(珍しく36番青龍寺~37番岩本寺の約60キロを運転しました)
28番大日寺~29番国分寺~30番善楽寺~31番竹林寺~36番青龍寺~37番岩本寺~「ネスト・ウエストガーデン土佐」(泊)
28番大日寺の本堂(本尊は大日如来、行基が刻んだという)
(お詣り前に鐘を衝きました・・・28番大日寺)
28番大日寺・・・朝いちばんに訪れた大日寺は山中にあり、清々しい気持で鐘を衝き、お詣りしました。
大日寺門前の仏具屋さんにとても心惹かれる掛物(?)が2枚あり、店の方に
「あの掛物の言葉が何とも素晴らしく心に響きました。1枚ずついただきたいのですが・・・」
「あれは売り物ではなくカレンダーなのです。私も阿羅漢さんのお言葉がとても気に入ってあそこに貼っているのです」(注釈:羅漢とは悟りを開いた高僧を言い、阿羅漢と呼ばれ、羅漢は阿羅漢の略称)
「そうでしたか・・・残念ですが、今日はとても良いお言葉に出会いました。ありがとうございます。お呼び立てしてごめんなさい」
・・・お茶を教えていると、未熟ゆえにいろいろな迷いがあり煩悩も生じますが、阿羅漢のお言葉に出会い、そんな頭の中のもやもやが晴れていきました。
(こちらも阿羅漢のお言葉です)
(29番国分寺の趣深い本堂(金堂、重要文化財))
29番国分寺・・・聖武天皇の勅願によって建てられた土佐の国分寺、山門をくぐると、柿葺(こけらぶき)の大屋根が美しい本堂(金堂)が向うに見え、ゆっくり金剛杖の鈴の音と共に胸を膨らませて近づいていきます。創建当時の礎石が残る広い境内は静寂そのもの・・・季節の花が無言で出迎えてくれました。
金堂(重要文化財)は戦国時代に長曾我部氏によって、天平時代の建物を模して再建されました。御本尊は千手観音菩薩です。
国分寺はお抹茶が頂ける貴重な札所です。方丈の庭を見ながら、今回も薄茶と名菓「土佐日記」をいただきました。
(国分寺方丈の庭を見ながら薄茶をいただきました)
(青楓が美しい竹林寺の入り口)
31番竹林寺・・・いつもお詣りだけでそそくさと立ち去っていたので、今回は時間を掛けることにして宝物館と書院の庭を拝見しました。
宝物館には藤原時代から鎌倉時代にかけての諸仏が安置され、一つ一つ見ごたえがありました。折しも、堂本印象の「渡海文殊」が特別公開中でした。たしか竹林寺には堂本印象の障壁画があると伺ったことがあり、宝物館で「渡海文殊」を拝見できただけでも有難いご縁でした。
初めて拝見した書院の庭は国の名勝に指定されていて、北西南の向きによっていろいろな見方や楽しみ方ができるそうです。
遍路の身にはあれこれ考えずに自然を取り入れて作られた庭園を座して眺め、一休みしました。庭園も見事ですが、境内の庭は美しい緑苔に覆われていて、苔寺を思わせます。
(竹林寺書院の西庭・・・座して一休み)
36番青龍寺・・・高くそびえる石段はかつて相撲の朝青龍が上り下りして体を鍛えたとか・・・きつく長い石段先に本堂と大師堂があり、本堂に波切不動明王が祀られています。
上りはゆっくりマイペースで行けば何ともありませんが、下りは膝に来るし「もう大変!」・・・金剛杖と手すりに頼りながら慎重に下ります。
(上りは良いけれど下りが苦手・・・青龍寺にて)
(祈りと紫陽花の遍路道・・・36番青龍寺へ)
青龍寺近くの遍路道には紫陽花が美しく咲き、特に青色の紫陽花がこの道にお似合いだと思いました。八十八カ寺の石仏たちも生き生きと見えて、大好きな遍路道です。
37番岩本寺・・・御本尊さまがたくさんある不思議な札所です。四国八十八カ所中で唯一、五尊の本尊(不動明王、聖観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩)を安置しています。真言を唱えるのが大変・・・。
さらに本堂には全国の有志が描いたという天井画が彩を添え、ちょっと変わった魅力のある札所(宿坊あり)です。
(岩本寺本堂の現代アートのような天井画がユニークで楽しい!)
岩本寺から一路、この日の宿「ネスト・ウエストガーデン土佐」を目指しました。(つづく)