昨日は、東京のお教室での初稽古でした。
京都在住中、お習いしていたS先生が一昨秋から東京でお教室を開かれたので
3月からお稽古へ伺うことになったのです。
始めての稽古場、初めてのお仲間・・・
久しぶりのS先生のお稽古に緊張と期待が弥(いや)が上にも高まります。
「何を着ていこうかしら?」
候補は二枚、桜色の無地紋付と黒地に白鳥が泳いでいる付け下げです。
格から言えば無地紋付ですが、以前にS先生から
「今日庵の稽古へ、昔、女の人は黒留袖を着て臨んでいた時代があった」
と伺ったことが脳裏に残っていて、直前に黒の付け下げに決めました。
菊模様の銀地帯にIさんから頂いた白の道明寺の帯〆で、気持ちを引き締めます。
以前のお仲間・弥生会からお餞別に頂いた袱紗と古袱紗を懐に入れて・・・。
近くの公園に咲く三叉 (みつまた) (クリックしてみて)
急に冬に戻ったような寒い日でした。
地下鉄を降り、地上へ出ると大きな交差点、方向が分からず、角のパン屋さんへ飛び込みました。
地図を出して調べてくださって、歩き出すことができました。
そこは塔頭のたくさん並ぶ大きな寺でした。
それらしき玄関を見つけ、開けると、数人の方が支度をしていました。
中のお一人がにこやかに荷物置き場、水屋、トイレなどを教えてくださいました。
懐かしいS先生が奥からお出ましになり、そこそこのご挨拶をし、
水屋へ行くと、最初の科目・且座之式の方たちが主菓子を頂いていました。
且座へ入るように言われていたので、あわてて主菓子を口に入れたのですが・・・。
桜の練り切りだったような、菓子銘も御製(浅草の・・・)も記憶にございません。
一同ご挨拶のあと、先生から新入生の紹介があり、
「暁庵でございます。どうぞ宜しくお願い致します」
床のお軸は「桃花咲春風」、長い鎖に掛けられた釣釜が優雅に揺れて、
山雲棚に黄瀬戸の四方水指が春らしい設えです。
ミモザが満開です
且座が始まり、私は花を引き東、半東はWさんです。
「且座は東だけ、仙遊は東と半東の二人で迎えつけの挨拶・・・」
と先生のお声が掛かり、やっと頭が且座の稽古へ切り替わりました。
「どうぞお花を」
Oさんが朝鮮唐津の大ぶりの花入へ山茱萸、黒椿、白椿を入れました。
黒椿は初めて拝見、黒も白も小ぶりな椿ながら大きな空間を引き締めています。
「どうぞお炭を」
Kさんが釣釜の炭手前を、私も1年ぶりの拝見です。
小下げ、大下げのタイミング、鎖の数の判断、鐶、ツル、鎖のお話など興味は尽きません。
釣釜は尾垂れ糸目筒釜でした。
「どうぞお香を」
Oさんがお香を焚くと、伽羅のような香りが徐々に漂い、ゆっくり三度聞いて楽しみました。
次は私の番で濃茶です。
4人分を練ってお出ししました。
茶碗が戻る間、炉の灰色に炉炭の大黒と真っ赤に熾った火が映えて、その美しさに見とれ、初めてのお稽古なのにほっとする瞬間を味わえたのです・・・。
これもS先生が見守ってお教えくださっている安心感からだと思います。
薄茶に代わる時、半東のWさんと肩が触れ合うタイミングが合って良かった!
でも、最後に東が退席するタイミングが分からなくなり、半東にだいぶ遅れて退席しました。
送り礼は東と半東の二人(仙遊も同じ)です。
花期の長いクリスマスローズ(別名、雪起こしとも)
そのあとも稽古は続きます・・・香付花月、入子点、午後になって後炭、大円之草、台天目、唐物・・・充実した初稽古の一日となりました。
来月のお稽古が待ち遠しいです・・・。