暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

雪の夕去りの茶事-2 灑雪庵にて

2013年02月13日 | 茶事  京都編
初炭を終えて、一番の課題の懐石です。

一人亭主なので、20~30分ほど常より多く時間を頂戴していますが、
思うようにいったり、失敗ばかり・・・の繰り返しで、いまだ要領を得ません。
それに風邪をひいたあとなので、臭覚と味覚に自信がありませんでした。
味見役の主人に、「少し濃いみたい」と言われ続けました・・・

こだわっていることは炊き立ての一文字でしょうか。
お鍋で別炊きしています。
今日はお香の前にガスの火をつけ、
初炭で座掃きを終えたときに焦げる匂いがしたのであわてて火を止めました。
毎回おこげができるので湯斗に使っています。
一文字以外のご飯はタイマー付電気釜で炊きます。

もう一つは水でしょうか。
いつものように自転車に乗って、梨の木神社・染井の水を汲んできました。

                      
                    梨の木神社の染井

今回は、自作の懐石をお出ししましたが、
もちろん一部、市販品や戴き物を応用しています。
食材や市販品を求めて、錦市場、デパ地下、老舗をぶらつくのも楽しく、
京都をより深く知る、好い機会になっています。

懐石献立は
   向付   ケークサレ(クリームチーズ添え)・・(茶友の差し入れです)
         蕪蒸し(蕪、焼穴子、白きのこ、百合根、銀杏、山葵)
   つぼつぼ 紅白なます
   飯    
   汁    しじみ   赤味噌
   煮物椀  真蒸(海老、カニ) 手鞠麩  菜の花 金時人参  柚子
    焼物   鯛
    炊き合わせ  海老芋  鳥の丸  鶯菜
   箸洗   カリカリ小梅
   八寸   スモーク鴨ロース  プチトマト煮
   香の物  二種(タクワン、赤カブ)
   湯斗
   酒     福兎    越の寒梅    

酒の用意が遅れたり、汁椀の赤だしが上手にできなかったり、
反省点ばかりですが、美味しく充分に食べて頂けたかしら?
 
縁高で主菓子をお出しし、中立をお願いしました。

              
              「もう咲いたかしら? 裏千家茶道会館にて」

主菓子は直前まで迷いましたが、
松寿軒さんに伺って、「雪餅」のイメージのきんとんに決めました。
きんとんは白小豆、中は小豆餡、
今の季節は白いきんとんの上にピンクが乗っていて、銘は「梅一輪」です。
白小豆の味わい、餡の控えめでいて毅然とした甘味が絶妙で、
お薦めの一品です。

                              

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