暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

茶事入門教室(第2回)を終えて (1)

2009年12月02日 | 茶事教室
茶事入門教室(第2回)が11月29日に無事終わりました。
私事都合により1ヶ月延期していただきました。
それにもかかわらず、一人も欠席なしで参加して頂き、
感謝しております。
新しく Iさんが加わり、お客さまが八名になりました。
ありがとうございます。

二回目は、「亭主の趣向を楽しむ」というテーマです。
9月は「竹取物語」でしたが、茶人の正月と言われる
11月ですので「炉開きの茶事」としました。

茶事の流れにのって、茶事を楽しんで欲しい・・と思いました。
懐石では千鳥の杯、また、主客の問答を味わうこと、
ご亭主のS先生のお点前、そして道具の拝見を
ポイントにしました。

お正客は「茶事教室の応援をしたいの」と参加してくださったIさん、
中正客は茶道を始めて半年?のMさん、
詰は前回のお正客のOさんです。

待合の色紙は、森下隆子さん作の「栗」の布絵です。
二回目なので席入りもスムースで、濡れ釜の風情を
全員鑑賞することができ、嬉しいです。

床の掛物は、橋本紹尚師筆の「室静茶味清」です。
「室静かなれば茶味清し と読んでおりますが、
 茶禅一味をさしている言葉のように思います・・」とご亭主。
淡々斎お好みの寿棚、水指は桶川です(写真)。

利休七則 「夏は涼しく 冬あたたかに・・」を引用し、
風炉と炉では初炭の順序の違うことをお話しました。
炉中拝見では菊炭が程よく熾り、湿し灰の風情、
炭の置き方にみんなで見惚れました。
茶人の正月の縁起物として、よく三べが使われますが、
炭斗は大き目の瓢(ふくべ)、香合は織部(おりべ)でした。
さて、もう一つは? 

懐石がすぐに出ませんでしたが、茶事ではたまにはあること、
そんな時にお正客にお助けいただいたある茶事の話をしました。

懐石のハイライト、千鳥の杯です。
二組に分けて、千鳥の杯をゆっくり体験していただきました。
ちょうどこの頃に湯が沸き、松風が聴こえてきました。
主菓子は粟ぜんざいで、柿、栗、香の物添えです。

        (つづく


茶事入門教室(第1回)を終えて

2009年10月01日 | 茶事教室
このブログでも募集させていただきました
「茶事入門教室」の1回目が終わりました。
密かに心配してくださった皆さま方へ
簡単なご報告をさせていただきますね・・・。

参加希望者が開催ぎりぎりで、やむを得ない事情で
キャンセルされた方もあり、開催を心配しましたが、
ブログを見て強力な助っ人が現れました。

私の茶事に何度も来てくださっているMさんから
お電話をいただきました。

「ブログを読んだけれど、私が参加してもよろしいかしら?」
「今回は入門教室なので、Mさんには物足らないのでは・・・」
「いろいろな茶事へ行きましたが、茶事中にはお尋ねできずに、
 モヤモヤしていることが一杯あるのよ。
 それから、貴女が教室をなさるのなら応援したいの」

・・・涙が出てきそうに嬉しかったです。
これで最少催行人数の六名になりました。
締め切りを過ぎてから、もうお一人追加応募がありました。
あとで知ったのですが、茶道を始められて数ヶ月の方でした。

三十○年から数ヶ月まで、いろいろな茶歴の方が集まりました。
年齢も二十代から七十代までいろいろです。
本当の話、始まる前は「どうなることかしら?」と案じていました。

このバラエティが素晴らしかったです。
始めての方もベテランさんも茶事を通して
共に学び合い、茶の湯の喜びを知る・・・
茶事の持つ、無限の可能性を実感しましたし、
何より私自身が教えられました。

初回なので基本的なことをお話しました。
待合から茶事が始まること、板木の打ち方、腰掛待合、蹲の使い方、
席入、懐石作法などを私の体験を交えながらお話しました。
横山さんが腕をふるわれた懐石やお菓子も大変好評で、嬉しいです。

後座ではS先生の重茶碗と続き薄のお点前で、
「竹取物語」の世界を楽しんでいただきました。


    

茶事後にMさんから手紙をいただきました。
「今回伺ってモヤモヤしていたものがはっきり見えたようです。
 S先生の優雅なお点前にうっとりし、かぐや姫になったような
 楽しい一日でした・・・。」
「良かった! そして、本当にありがとうございました」

お正客のOさま、お詰のHさま、ご連客の皆さま、有難うございました。
「私がこんなに楽しくっていいのかしら?」と思うくらい
和やかに過ごすことができました。

次回の展開が今から楽しみです。
                            

                  

茶事入門教室

2009年09月09日 | 茶事教室
今日は、「茶事入門教室」のご案内をさせていただきます。
開催が決まっておりますが、お一人でも多くの方に参加して
頂きたく思っております。

「お茶事へ行きたいけれど、敷居が高くて・・・。
 入門から教えていただけるところがないかしら?」
「お茶事での<客>の作法がわからず、
 いま一つ楽しめませんでした。基本が習いたい!」
「懐石のマナーがわからないので、一度きちんと学びたい!」

このようないろいろな声を伺いまして、基本を学びながら、
茶事を楽しむことができる茶事入門コースを開設することになりました。
茶事を経験することでお茶の心が一段と理解できるようになりますし、
一座建立のすばらしさを味わうこともできます。

私自身も初心に戻り恩師、諸先輩にお教え頂きましたことや
茶事を通じて心に残ったことを少しでもお伝えできれば 
とても嬉しゅうございます。

裏千家の茶事を基本にいたしますが、流派や茶歴にこだわらず
お気軽にご参加ください。お一人でも参加できます。
今回は入門コースですが、次回よりご希望により亭主、半東、水屋も
勉強していただけます。

今回の入門コースは全2回で1コースとなります。

日時   第1回 9月27日(日) 「お客様を楽しむ心得」
     第2回 10月25日(日) 「亭主の趣向を楽しむ」
     席入り  11時30分(集合11時)
場所   翆晶庵 (横浜市南区新川町5-29)
      横浜市営地下鉄ブルーライン 吉野町駅下車 徒歩3分
会費   お一人様 32,000円 (2回分)
定員   10名様(6名様以上で開催いたします)

[内容]
第1回
茶事の進行に合わせながら
1.待合(寄り付き)にて 2.腰掛け待合にて 3.つくばいの使い方
 4.席入り 5.懐石の頂き方 6.中立ち 
 1~6までを分かりやすくご指導いたします。
美味しいお菓子と懐石、後座では、亭主の点前で濃茶と続き薄茶を
  お楽しみ頂きます。

第2回
第1回1~6の成果を確認しながら
6.中立ち 7.後座の席入り 8.濃茶点前 9.後炭(風炉中拝見)
 10.薄茶点前 11.退席まで後座を中心にご指導いたします。
季節の移ろいを感じる道具組、美味しい懐石をお楽しみください。

「申込み・その他」
翆晶庵へ電話またはFAXにて9月19日(土)までにお申込みください。
 TEL 045(262)3489  FAX 045(261)8546

                               

        写真は「夕顔」です。