先日とある公園で、話しかけて来た老女から、
「金蘭(キンラン)」が綺麗に咲いていたとの情報があった。
しかも、
差し込む朝日に輝くキンランが大変美しかったとの説明が、
まるで一双の日本画を思わせる程に上手だった。
私にとっては「キンラン」と言う存在を知ったのがそのときで、
同じ仲間に「銀蘭(ギンラン)」があるということも併せて知った。
ということで、
話の中からキンランの咲いているらしき場所に行ってみたが、
範囲が広すぎて探し出すことは出来なかった。
が・・・・ある日別の公園で「ギンラン」を見つけた(巻頭の写真)。
遊歩道の脇に見たことの無い白い花が咲いていて、
花を確認すると、花の形が蘭の花に似ていたので、
もしかすると、と、調べたところ、ギンランであることが確認できた。
さらに、
別の公園でも、1輪だけ蕾をつけたギンランに出会った。
キンランとギンランは、以前は里山などで普通に見られた野性の蘭だったらしく、
環境の変化や、野性蘭ブームにより採取されたために大幅にその数を減らし、
キンランは1997年に環境省の絶滅危惧II類に掲載され、ギンランも県によっては絶滅危惧種に登録されている。
つぎに、無休菊。
最近では「ペラペラ嫁菜」と呼ばれることが多いが、
別名として、ペラペラヒメジョオン, メキシコヒナギク、源平小菊などがある。
春に咲いて12月まで次々と咲いていることから「無休菊」の名前があるが、
こちらの名のほうが植物の特性にあっていると思う。
昨年秋にある公園で発見した「無休菊」は
その後の庭園管理ですべて刈られてしまったが、
今年は昨年以上に繁殖していた。
4月17日撮影。
昨年と同じ場所で、昨年よりも繁茂して蕾をつけていた。
5月4日撮影。
順調に開花し続けていて、他にも数箇所で繁殖していた。
咲き始めは白い花弁だが、日を追うに連れて赤みを帯びてくる。
赤と白といえば「源平」で「源平小菊」になったのだろうが、
桃の仲間には花桃の類と思われる「源平桃」と言うのもある。
昨年11月19日に発見時の写真。
昨年11月29日撮影の、刈取られた後で花を咲かせた無休菊。
いつまで咲いていたかまでは特定できていない。
無休菊は「無窮菊」と言う名前だったら更にロマン的だったのではとも思った。
良く遊びに行く公園が2箇所あるが、
どちらも自然公園なので、行く度に何らかの新発見がある。
不定期的に観測を続けている木や植物があり、
木の成長に伴う変化も一つの発見なのである。
新芽を出し、新緑となり、花を咲かせ、実や種を成し、紅葉し、落葉し・・・・
等々、自然を追っているとなんと1年の短いことか・・・・