MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

「よし」と「悪し」と「真菰の馬」

2012年09月16日 | あらかると

最近撮った写真の中で、
名前の特定できなかった穂状(円錐花序)の花があった。

まず巻頭の写真、
背丈は2m程度で円錐花序にはたくさんの花が付き、
ススキなどの穂よりも大きくボリュームがあり、
さらに、穂先はやや赤紫色である。

イネ科の植物であろうと、散々調べあげたが、
同じような写真には出会わず、荻や刈萱なども・・・
諦め掛けたとき「葦」の穂と似ていたので、
さらに詳しく調べてみると「葦(ヨシ)」であることが解った。

ヨシは川原に行けばどこでも見られるもので、
背丈が4~6mもありしかも幹の中は竹のように空洞で軽く、
編みこまれて日除け等に使われる「ヨシズ」などに利用されるのだが、
その背丈の先入観があったため、
2mの葦もあるのだという、まさかの結果になった。

万葉時代には「アシ」として詠まれているが、
「アシ」は「悪し」と同音だったため「ヨシ」と呼ばれることが多い。
慶事に「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことと同じで、
悪しき言葉は避けようと言う日本人の礼節がそこにはある。


次はマコモの花。


マコモといえば幼き頃「マコモの馬」を作って七夕に飾り、
七夕の節句が終わると川に流した記憶がある。
マコモは川や沼地で刈ってくるのだが、
一株が大きく野性味があり、下の写真のようにか細いものではなかった。

マコモの馬の作り方は地方によって異なっていたようで、
私の田舎(茨城県西部・旧下総の国)では「袖ヶ浦高谷のマコモ馬」に類似していた。


上記のような先入観があって、マコモも「不明の花」になっていたのだが、
ネットの中から同じような写真を発見し、マコモと特定できた。

下の写真がマコモの花。
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