港区まち創り研究会(まち研)ブログ

港区の情報、まちづくり情報をお伝えします。
海外の街あるきの報告もあります。

世界の街から 120 グレートオーシャンロードを、車で走る

2015-01-18 09:38:55 | オーストラリアの街から
2004年10月、メルボルンからアデレードまで、妻と二人でレンタカーで旅をした。メルボルンからアデレードは、普通なら飛行機で行く距離だ。メルボルンに4日間滞在したあと、レンタカーを借りて、まずは、グレートオーシャンロード(Great Ocean Road、以下GOR)への途中にあるジーロング(Geelong)の町へと走った。ジーロングには、妻の友人のレスリーさんが住んでいて、レスリーさんの家に一泊させていただいた。レスリ-さんの家は、プールつき豪邸で庭の一角には日本庭園まであって驚いた。レスリーさんにジーロングの町をあちこち案内してもらい、翌日からGORへの旅を始めた。
GORは、世界で最も美しい海岸道路と言われている。メルボルンから南西に約90km,サーフィンのメッカでもあるトーキーからアランスフォードまで、約260kmにわたって素晴らしい海岸線があらわれる。南極海からの激しい風雨と波がうちつけ、長い年月をかけてできあがった自然の壮大な景観が堪能できる。
以前、カナダのバンクーバーからウイスラーへとドライブしたことがあるが、その時の車道も素晴らしく、山に囲まれて雲の上を走っているような雰囲気があり感動したが、このGORは、さすが世界で一番美しい海岸道路と言われるだけあって、素晴らしいものだった。運転していて目の前に、大海原の大パノラマが現れてくる。道路の角度のつけ方やカーブの作り方に無理がなく、くねくねと曲がって狭いところも一部あったが、とても快適な走りだった。
日本でも、伊豆など風光明媚な海岸線あるが、運転しながら景色を眺める余裕はあまりない。ハンドル操作をちょっと誤れば、崖におちそうというような危ない箇所が時々でてくる。
GOR,数カ所ある絶景ポイントでは、景色を眺めるためにしっかりしたデッキができていて、どこでも案内及び説明板が設置されていた。途中、グレート・オトウェイ国立公園に立ち寄り、温帯ジャングルの中を歩いたり、アポロベイで昼食をとったりして楽しんだ。最大の景勝地12使徒(12 Apostles)は、本当に素晴らしく、壮大な景観に感動した。もともと12はなかったそうで、波の浸食で、現在は8つだそうだ。その他ロンドンアーチ(London arch)、ロックアードゴージ(Lock Ard Gorge)の絶景ポイントも迫力あり、ダイナミックなものだった。
この海岸線は断崖絶壁が多く、難破船海岸(シップレックコースト)とも呼ばれる。この海では昔、数多くの船が難破し、多くの人が命を失ったそう。ロンドンから3か月航海してやってきたロックアード号が、険しい断崖を目の前にして難破し、乗組員乗客9割が亡くなった悲しい話もあるそうだ。
ポートキャンベルのモーテルに泊まり、町中を散策したりして楽しんだ。台所設備もついていて、感じのいいモーテルだった。
ポートキャンベルまでは、素晴らしいドライブ旅行を満喫したが、友人のいるアデレードへ急げとばかり、海岸線をはずれ、近道となるはずの内陸部の道を通ったのが、過酷な旅の始まりとなった。
内陸部は、それまでの海岸線のドライブと、全く違うものだった。見渡す限り、砂漠のような荒野が広がり、道路が一本あるだけ。殺伐とした風景の中、100kmの速度で2~3時間走って、車一台に出会うという感じだ。ここで車が故障したらどうしようと不安になった。
荒れた寂しい山を(低いけど)通り抜けたり、2~3度小さな町が(集落?)現れたが、セルフのガソリンスタンドがあるだけで、店らしいものはほとんどなかった。(現在は、だいぶ変わったかもしれないが、、)食事をするどころではなく、朝調達したパンをかじりながら、ただひたすら走った。前もって地図をよく見たり、ある程度の道路情報は得ていて、無謀な計画ではなかったのだが、景色が全く変わらない荒野を延々と走るのは、思った以上に疲れるし、不安だし、大変なことだった。朝からずっと走り、暗い中、遠くにアデレードの街の灯りが見えてきたときは、妻と二人で心からほっとしたものだ。
私の妻はもともと運転好きなので(妻のほうが、私より運転歴が長いのだ)、二人で交代して運転したので何とかなった面もあった。運転手一人では、とても無理だと思う。
今まで何度も、海外のあちこちでレンタカーを使った旅をしているが、オーストラリアの荒野での運転は、自分の人生の中で、最もハードなドライブであった。
以前、アイルランドへ行ったとき、ここは地の果てか?と思うほど寂寥感ただよう荒野を車で走ったことがあるが、アイルランドの荒野は、とても寂しいながらも詩が浮かんでくるような雰囲気がある。2~3時間も走れば、素朴な小さな町が現れるから、不安は感じなかった。
あとでオーストラリア人に聞いたら、メルボルンからGORへドライブする人は多いけれど、アデレードまで、特に内陸部を運転する人はあまりいないとのこと、勇気があるねと言われた。我ながら、さすが10年前は、かなり元気があったと思う。
オーストラリアの大地は、やはりとんでもなく広大なものだった。
ドライブの楽しさと大変さと、両方を味わった旅であった。


お世話になったレスリーさん宅、玄関アプローチ

居間の前にあるおしゃれなプール



レスリーさんは日本に住んだことあり、大の日本好き。居間&ダイニングには、日本の帯、花瓶、土瓶、こけしなどが飾ってあって、素敵でした 

庭の一角にある小さな日本庭園、この灯籠も日本から運んだとのこと

雄大な景色を楽しみながら、海岸線沿いを走る

グレート・オトウェイ国立公園、シダの原生林の散策路を歩く 

最も有名な景勝地「十二使徒」

自然が造りあげたダイナミックな景観



静かな入り江、険しい壁

風と波に削られた岩、奇岩

夕日に映える美しい景観

ポートキャンベルのモーテル

ロンドン・アーチ、以前は陸とダブルアーチでつながっていたが、1990年に陸側のアーチが崩れ、陸と離れてしまった。冷たい風が吹くデッキに立つと、南極海が近いと感じられる

自然が造りあげた壮大な景観
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コメント (1)
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