日々適当

hibitekitou

3/9のAppleのイベント

mac |2022-03-09

ということで3/9のイベントを思い出してみます。
Apple TV+のコンテンツの充実を示し、iPhone SEの新型が発表されました。SoCにiPhone 13と同じものを搭載してきたことで、iOSコンテンツのスタンダードがA15 Bionicを基準にする時代になる準備ができたというところでしょう。iPhone 13と13 Proは新色の追加が行われ、個人的にiPhone 11 Proの緑色を使っている関係上、追加された新色が緑色なのは喜ばしいです。まあ買わないけど。買うのはiPhone 14以降っす。

んでiPad Airの新型。こっちもSoCがM1に置き換えられてます。結果としてProを選ぶ理由がProMotionとストレージ容量とカメラ性能とThunderboltってことになるわけで、M1を搭載する前のiPad Proを使っている私がそれを使っている用途を考えると、Airで本当に十分ですって内容になっております。ProはM2の発表と同時に新型リリースですかね。

で、Macに関する内容に続いていき、M1 Maxを超えるM1 Ultraを発表しますが、"ULTRA"の文字が出たとき変な声が出ましたw M1 Maxからどんなふうに強化するのだろうという思いに、M1 Max二つを繋げましたという実に馬鹿正直な回答をしてきたよう見えるM1 Ultraは、その正直さゆえに分かりやすく魅力的です。
もちろんこの性能を生かすためにはアプリケーションの対応も重要で、いくつかのアプリケーションがApple Siliconに対応したことを見せてくれるのですけど、動画で示されたのはAbleton Live, Adobe AfterEffects, Vectorworks, Cinema4D/Redshift, Boris FX Sapphire, CLOでした。CLOってツールは知らなかったのですけど、ファッション・アパレル系の衣装のシミュレートをするツールみたいっすね。本物の服を作る時に利用するツール?。まあこれらがApple Siliconに対応し、M1 Ultraのパフォーマンスを利用できるってことっすな。(注:M1 , M1 Pro , M1 Max., M1 Ultraそれぞれにコードを書き分ける必要はないのが売りであり、AppleSiliconにアプリを対応させ最適化するのが大事ってことっすね)

そして、Mac Studioが発表されました。分厚いMac mini。M1 MaxとM1 Ultraを搭載するこのマシンとMac Pro 2019やiMac 2020との比較のグラフを見せてくれます。Mac Pro 2019の28コアモデルよりCPUは60%速くRadeon Pro W6900Xとの比較では80%速いって言ってます。実に魅力的に見えてきます。そんなパフォーマンスの発表の後、それを使用したシーンの映像になりますけど、これ見ると、Mac Studioがその厚みのせいで意外と迫力ある存在感を机上で示すかもなぁとかちょっと思いました。このシーンで少し気になるのは、ビデオ編集において8Kコンテンツを扱っていることを示しながら、それを表示する環境はどうするのだろうというところです。おそらく、Mac StudioのUSB-C端子からHDMI 2.1への変換アダプタを介しても8Kモニタへの8K出力はできないだろうと思われ、どうするのかなと。

そしてStudio Displayが発表されます。iMac 27インチモデルを廃止するためのモニタと感じさせました。27インチ 5KディスプレイというのはiMac 27インチモデルから差はあまり感じませんが、A13 Bionicを内蔵することでカメラとオーディオの処理をこのモニタの中で行うようになったらしいです。この処理にMac本体のパワーは使わないってことですかね。カメラと一緒にマイクアレイも搭載していることから、そしてそれを接続するMacのほとんどは大変に静かであることから、上質なビデオ通話が実現するかもしれません。まあその分結構お高いのですけどね。

そしてこれら製品群の最後に「残る製品はあと1つ、Mac Proのみです。しかしそれは別に日にしましょう」と述べたのはなかなかにファンの心をくすぐります。Mac Studioを超える性能と拡張性が期待されるMac Proが果たしてどんな姿になるのか。WWDCぐらいですかね、正体が明らかになるのは。

ということで、Macに関するなかなかにエキサイティングな発表会となった今回のイベント映像は、日本時間午前3時から開始でしたけど、M1 Ultraの発表以降眠気を感じることなく、興味深く少し興奮して観ることができました。なかなか良い発表会でしたね。

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Mac Studio!

mac |2022-03-09

AppleがMacの新しい製品を発表しました。
Mac Studio[Apple] です。本当にこの名前で登場したよ、という気分です。

イベント映像ではそれが搭載する新しいSoCであるM1 Ultraの発表から始まりました。M1 Maxを二つ繋いだM1 UltraはM1 Maxを凌ぐ性能を示すわけで、上記Appleのページに記された各アプリケーションのパフォーマンス結果によると、まずCPU性能は

Houdini FX 19.0.524のnarrow band FLIP simulation scene
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.52倍の性能(iMac 2020の最強構成を1とした時のM1 Maxが2.5、M1 Ultraが3.8)
Photoshop 23.1.1で色域指定、レンズ補正、浅浮彫り、ガラス、遠近法ワープのフィルタを使用
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.14倍の性能(iMac 2020の最強構成を1とした時のM1 Maxが2.2、M1 Ultraが2.5)
Vectorworks 2022 のパブリッシュコマンドを使ってRenderworksでレンダリングされた3Dビューポートを含むシートレイヤーを7ページのPDF文書に書き出すテスト
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.23倍の性能(iMac 2020の最強構成を1とした時のM1 Maxが1.6、M1 Ultraが1.3)

となり、GPUは

Final Cut Pro 10.6.2にて8KのProRes 422メディアを含む複雑な5分のプロジェクトのレンダリング
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.43倍の性能(iMac 2020の最強構成(Radeon Pro 5700 XT)を1とした時のM1 Maxが5.0、M1 Ultraが3.5)
Compressor 4.6.1にて5KのApple ProRes RAWメディアを含む3分のクリップ(5,760x3,240解像度、毎秒24フレーム)をApple ProRes 422にトランスコード
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.68倍の性能(iMac 2020の最強構成(Radeon Pro 5700 XT)を1とした時のM1 Maxが4.5、M1 Ultraが12.6)
Adobe After Effects ベータ版 22.3.0 上で Boris FX Sapphire 2022.01 を使用した様々なエフェクトを適用した10のコンポジションを含むビデオプロジェクト
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.3倍の性能(iMac 2020の最強構成(Radeon Pro 5700 XT)を1とした時のM1 Maxが2.0、M1 Ultraが2.6)
Cinema 4D R25.117とRedshift 3.0.65 にて1.32GBのシーンのレンダリング
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.18倍の性能(iMac 2020の最強構成(Radeon Pro 5700 XT)を1とした時のM1 Maxが2.2、M1 Ultraが2.6)
DaVinci Resolve Studio 17.4.4 にて24fpsのUHDプロジェクトを使用したエフェクトレンダリング
M1 Max搭載Mac Studioに対しM1 Ultra搭載Mac Studioは1.80倍の性能(iMac 2020の最強構成(Radeon Pro 5700 XT)を1とした時のM1 Maxが1.3、M1 Ultraが2.3)

となります。HoudiniやAfterEffectsのAppleSiliconネイティブ対応ってところに目が行きますが、2倍とは行かずともパフォーマンスの向上を実感できる速度差は生まれてそうです。ワットパフォーマンスが大変に優れているというアピールをしていますね。CPU性能についてM1 MaxがIntel Core i5-12600Kと比較して65%少ない消費電力で同じぐらい、M1 UltraがCore i9-12900Kと同じ消費電力で90%高い性能を示しピークパフォーマンス時は100W少ないと言ってます(ピーク性能はCore i9-12900Kの方がちょっと上?)。GPUについてはM1 MaxはCore i9-12900KとGeForce RTX 3060 Tiの組み合わせと比較して3分の1の消費電力で同じぐらいのピークパフォーマンスを出し、M1 UltraはCore i9-12900KとGeForce RTX 3090の組み合わせで200W少ない消費電力でそれ上回るピークパフォーマンスを示すと言ってます。ただ実際のアプリケーションでの比較ではソフトウェアの作りに依存するでしょうし、実際、Redshift 3DではおそらくGeForce RTX 3090にM1 Ultraの演算速度は負けます。

M1 Maxの10コアCPU・32コアGPUとM1 Ultraの20コアCPU・48コアGPUの価格差が16万円ほど、64コアGPUにすると27万円ほどになりますから、MaxにするかUltraにするかは値段差とパフォーマンスの伸びを天秤にかけて検討することになりましょうか。
もっとも、Ultraにはもう一つ重要な要素があって、それがメモリ搭載量です。標準の64GBのユニファイルドメモリに加え128GBを選ぶことができる。GPU演算でこれだけのメモリを使用できるとなると、分野によっては非常に有力な選択肢になるのではないかと思われます。GeForce RTX 3090のメモリに乗らない大規模なシーンのレンダリングになった時、M1 Ultraの方が結果が早く出るということはあるかもしれません、知らんけど。

動画の編集ではあるいは圧倒的な性能を示すのかもしれず、8K ProRes再生はM1 Maxでは9ストリーム、M1 Ultraでは18ストリームとなっており、まあ内蔵の8TB SSD(7.4GB/s)があっての性能でしょうけど、実現するのはすごいなと。ちなみにここでいう8K ProResは8192x4320ピクセルの30fpsのProRes 422だそうです。8Kテレビの解像度よりも大きいのでご注意ください。

この強力な演算能力をMac miniと同じフットプリントで実現するために高さがMac miniの2.6倍と分厚くなってて、その上半分が冷却のための構造となっているようです。ファンがついている。しかしほとんどの作業において音は聞こえないレベルに抑えられるようで、安心して目の前に置いて作業を行えるかもしれません。

増設はMac mini 2018と比較して前面ポートが増えているという印象で、前にThunderbolt 4に対応したUSB-Cコネクタが2つとSDXC(UHS-II)が1つあるというのは大変にありがたいかもしれません。と言いますか、今まで背面にしかなかったMac miniやiMacと比較して使い勝手が向上しているのは間違い無いでしょう。結果、Thunderbolt 4端子は6つついていることになります。HDMIがやっぱり4Kまでにしか対応してなさそうでそこは残念なところ。ネットワークは10Gb EthernetとWi-Fi 6に対応するようで、ここの高速化も抜かりないです。

というわけで、モニタ出力解像度以外(8Kテレビへの出力は相変わらずサポート外?)悪くいうところが見つからない内容を持つように思えるこちらのMac Studioは、一緒にリリースされるStudio Displayと組み合わせることで27インチiMacやiMac Proの後継としても位置付けられるように思われます。Mac Studioは5Kのモニタ解像度を持った27インチディスプレイですけど、A13 Bionicチップを搭載して高品位なスピーカーとセンターフレームに対応した広角カメラを駆動させて、iMacと同様の体験を実現できるようになってます。
199800円からと大変にお高いので普通の人は別のディスプレイを買うんじゃないかと思いますけどね。これが2台のMacから使用できるとかだったらあるいは自分は検討したかもしれないが。

そんなわけで、自分で検討する場合、M1 Ultraの499800円からというのはやはり手が出ないので、M1 Maxを狙いなんとか50万円に抑える構成にすると思われます。
一方で職場にはMac Pro Late 2013がまだ現役で稼働してて、しかしいい加減ガタが来始めている機械が多くなってきている現在、その乗り換え先にM1 UltraのMac Studioってのは有力な選択肢になりそうです。たぶん、当時のMac Proと同じような価格帯かそれより若干高い価格で導入できる。Mac Pro 2019は使える構成にすると100万円を超えていたので選択肢にすることができなかったので、そんな人たちが今飛びつているんじゃないでしょうか。ちなみにMac Studioは20コアCPU・64コアGPUに128GBメモリ、8TB SSDという最強構成にしても939800円におさまり、だいぶリーズナブルに感じられるかもしれません。気がするだけで、個人ではとても手が出ないけど。

ということで個人的にはMac StudioをM1 Maxの上位構成(64GB)と4TB SSDにしてApple Careをつけた470600円のをカートに入れて、さてどうしようかと思っているところです。

<追記>

M1 Maxの構成。日和った。</追記>

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