職員室通信・600字の教育学

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『現代英米倫理学』=30年ぶりに堅い表紙をひらくと、プーンと

2005-01-20 09:44:32 | Weblog

05.01.20 『現代英米倫理学』=30年ぶりに堅い表紙をひらくと、プーンと

◆地震のニュースにおどろき、廊下にあった書棚を移動した。
 書棚につまっている書物を、床におろし、ほこりをはらい、両腕でかかえて移動させるという作業は、心が騒ぐ。

 ふるえる。狂乱する。 
 
◆廊下には、部屋からはみだした書棚が3つ並らんでいる。
 これが、地震で倒れると、WCに入っていた場合、ドアが開かなくなる。
 同じように洗面所もフロも開かなくなる。
 これらの窓からの脱出は、どれも奇妙な窓の構造のため、むつかしい。
 閉じこめられると、救助を待つ以外にない。 
 
◆これは困るということで、3つの書棚のうち、1つは居間に移動。
 2つ目の文庫本専用の薄くて背が高いタイプは真ん中で切断し、上の部分を居間に、下の部分を玄関フロアーに移動。
 最後の1つはどうしても置き場がないので、現在、段ボール箱に詰めこんでいる。 
 
◆その日、最高に心がふるえたのは『現代英米倫理学』(Ⅰ巻~Ⅴ巻)だった。

 買ったのは20歳の頃。

 30年ぶりに堅い表紙をひらくと、プーンと遠い昔の匂いがした。

 当時のわたしは倫理学に熱中していた。
 規範倫理学、応用倫理学、メタ倫理学、このうちメタ倫理学がわたしにとって未知の分野だった。
 そのメタ倫理学の論文集が『現代英米倫理学』である。

 小脇にかかえ、踊るように下宿に帰った。 
 
◆ウィルフリッド・セラーズの編者序言。
 「わたしたちは、どの論文をえらぶかについてまじめに長いあいだ思案した。多くの場合、わたしたちの考えをきめることがきわめて困難であった」。ほほうぅぅぅ! 「熟慮の場合には、最終の欲望……行為の直前の欲望……が、われわれの意志とよぶものになる。」ほほうぅぅぅ! 
 
◆自分の精神状況から数センチへだてられた、翻訳調の言いまわしに「ほほうぅぅぅ!」「ほほうぅぅぅ!」と感嘆している青年は、このあと、自分がだれと出会い、だれと別れることになるのか? どこに住み、どんな仕事をすることになるのか? 要するに現在、わたしが履歴書に書いているようなことは一切、知らない。 
 
◆廊下で、その日、『現代英米倫理学』をかかえ、立ちあがったとき、わたしの身体が宙に浮いた。
 稲妻に打たれたように森、山、家々、出会った人々……、自分の生涯の光景が一瞬照らしだされて見えた。
 この光景は、わたしにとってはノンフィクションだが、青年にとってはフィクションだ。「嘘だろう?」という青年の声が聞こえた。 
 
◆写真はJR八戸線沿線・陸奥湊駅付近


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