職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★参観日大作戦。保護者授業アンケートで1項目でも「5=とてもそう思う」が「4=そう思う」を上回ろう!

2012-03-12 15:05:13 | 僕のモンマルトル日記

 

2012

03.12
僕は(無意識のうちに)昔の僕に会いたくなってシャガールの画集を開いたのか?


  ★きょうの夕食は馬鍋ですよ(^_^)v。

◆昨日のブログの末尾に「文芸クラブを開設し、シャガールの絵を使い、クラブ員に描写の練習をさせた時間が、自分の人生にいくつかある基点のひとつになっている」と書いた。
 考えを詰めて書いたわけではない。
 キーボード上の指が勝手に動いたという感じだった。
 ま、原稿用紙換算で10枚超に及んだブログ記事を、さっさと、しめくくりたかったのだm(_ _)m。
 しかし、あとから「基点」という語が気になった。
 「シャガールの絵を使い、クラブ員に描写の練習をさせた時間」を、僕は、なぜ、「基点」と認識しているのか?
 一般的に「基点」から「ここ」に至るプロセスには、粗く2種類ある。
 ①積み重ね(もしくは成長)のプロセス。
 ②選択(もしくは決断)のプロセス。
 結論的にいえば、僕は「シャガールの絵を使い、クラブ員に描写の練習をさせる僕」を捨て、別の進路を選択し、「ここ」に至っている。
 国語の授業観が変わった。
 教育への携わり方もすっかり変わった。
 だから、ま、粗くいえば、今、ここにいる「僕」は、「シャガールの絵を使い、クラブ員に描写の練習をさせた僕」とは違うのだ。
 3/2(金)、(ブログに書いたように)、昼休み、心が落ち着かなかったので、生徒たちと図書室でシャガールをみた。
 僕は、たまたまシャガールの画集を開き、たまたま昔の僕に出会ったのか?
 あるいは、僕は(無意識のうちに)昔の僕に会いたくなってシャガールの画集を開いたのか?
 どちらかはわからない……(*^_^*)。
 わからないが、僕は無性に、今の僕を、その「基点」に接続したくなった。

◆このブログの記述が、現実の時間の流れから大きく遅れている。
 3/1(木)に、1・2年参観日、PTA事業報告会、2年立志式、PTA役員推薦委員会等が開催されたのだが、これまでブログ記事にできたのは「2年立志式」のみ。


◆本日は「参観日」を取り上げる。

 どんな行事でもそうだが、参観日も、経営上、目標とか、目安とか、目算とか……が埋め込まれている。
 そのひとつが「保護者の授業アンケート」に関する、僕たち目標だ。

 下記のデータは、前回11/18の参観日のものだ。
 数字の%は、左から――
 5=とてもそう思う
 4=そう思う
 3=どちらともいえない
 2=そう思わない
 1=まったくそう思わない。
 
1.授業の目標やねらいがわかる授業でしたか?
 39% 42% 18% 1% 0%
2.生徒が十分に理解していると感じられる授業でしたか?
 31% 46% 20% 3% 0%
3.生徒にとってわかりやすい指示や問い、説明がなされている授業でしたか?
 31% 52% 16% 1% 0%
4.生徒は教師の話をよく聞き、授業に集中していましたか?
 35% 48% 15% 2% 0%
5.教師は生徒がわかっているかどうかを確認しながら授業を進めていましたか?
 31% 48% 20% 1% 0%
6. 生徒が自分の進度や理解を確かめながら学習に取り組んでいましたか?
 21% 49% 29% 2% 0%
7. 教師は生徒の発言をよく聞き、ほめたり、はげましたりしていましたか?
 25% 47% 25% 2% 1%
8.教師のはげましで生徒がやる気になっていると感じられる授業でしたか?
 23% 41% 32% 3% 1%
9.学習意欲を引き出す学習活動の工夫ができている授業でしたか?
 28% 49% 22% 1% 0%
10.生徒は、興味をもち、意欲的に学習に取り組んでいましたか?
 29% 47% 20% 3% 1%

◆「3=どちらともいえない」という選択肢を設けるかどうかについて、アンケートを作成するときにかなり迷ったのだが、結論として、4選択だと、保護者はプラスかマイナスかの判断をせざるをえなくなる……それを避けたいと感じる保護者もいるに違いない(アンケート作成に携わったPTA会員の意見)ということで設けることにした。
 しかし、僕たちとしては、この「3」という評価はあきらかにマイナス評価であると受けとめなければならない。
 そのことを踏まえて、アンケート結果全体をみて、僕は、この数値データから、保護者のみなさまの教師に対する「MINAMIの先生たち、がんばれよぉ~」という激励的、応援的なあたたかい視線を感じ、この点では涙がでるくらいうれしい。
 しかし、シビアに2点いえば、1つは、選択肢「3」をマイナスにカウントすれば、マイナス評価は決して少ないとはいえない。
 もう1つは、「5=とてもそう思う」が「4=そう思う」を上回る項目がひとつもない。
 ま、このデータを見る限り、僕たちの指導技術はまだまだホンモノになっていない……と判断してよいのではないか?

◆ということで、今回の参観日の目標は、1項目でもいいから「5が4を上回る結果」が出る授業をしよう……だ。





 2月末の3月に向けた職員会議・研修部の案件のなかに、
 ★参観日における保護者アンケート数値目標
 その1「授業の目標、ねらいを明確にする」
 その2「指示・発問は全員に、短く限定して述べる」
 にかかわるアンケート項目について、5が4をこえる……云々。

 また、今週の研修部の目標に、
 ★参観日の授業。指導力向上の5原則№1・№2の評価が5になるように……云々。

◆「目標」を明確にするといっても、1回、黒板に目標を書いて終わり……というのでは意味はないし、そんなことは、はっきりいってどうでもいいことだし、僕はこれまで問題にしたこともない。
 大切なのは、授業の段落のひとつひとつの目標だし、もっと大切なのは、短いひとつひとつの学習活動(作業)の目標(=趣意)だ。
 目標(=趣意)で子どもを育てようと思って授業を設計し、それを実際に展開することだ。

 回収されたアンケート用紙は
 →研修部が教師個人ごとに束ねる。
 →いったん教師個人に返し、教師個人が「課題」等をまとめる。
 →再び研修部が回収し、集計作業……となる。
 結果がまとまれば、またここにアップしたい。

◆この「アンケート結果」とも関連するので、今、来年度――――ぜひやりたいと考えていることを3点列挙する。
(1)プロ教師としての指導技術の向上(修業)については、一冊、本ができるくらいにやってきたつもりだ。
 しかし、これは「つもり」に過ぎない。
 ①だいたい、その本がまだ発行できていない。来年はぜひ発行したい。
 ②指導技術についても「やっているつもり」の域を出ていない(←僕がその「つもり」「つもり」人間の代表だ)。
 「つもり」を脱するには、きょうの参観日、今週の教務部の目標「参観日に保護者に、ほぉぉ~、ふぅ~ん」と思わせる授業ができなくてはいけないし、何度もいうが、5が4を上回る項目がいつくもないとダメだ。
 そのためには、自分は、なにがやれて、なにがやれていないのか……、なにが十分でなにが不十分なのか……、この点を明確にして、重点的に研修(修業)できるプログラムを学校全体として組み、実践を積みかさねたい。

(2)第2点は、教育課程編成時から重要な話題として協議してきた「各教科の具体的な達成目標」についてである。
 上記(1)で述べたような指導技術の向上を通して、結果として知識・技能・態度について、ひとりひとりの子どもをどのような状態に至らせるのかという具体的な達成目標の設定だ。
 こういう「目標」が、現在、ないとはいわない。
 しかし、それは、たとえばわたしの国語教師としての経験から「勘」として自分のうちにある「こういうレベルにまで到達させる」という具体的な目標とは大きなズレがある。
 同時に、保護者・生徒が求めている(だろう)それとも大きなズレがある。
 これらのズレを埋めて、「最低限、ここまでは保証しますよ」という各教科の具体的な達成目標を提示すること、これが2つ目の課題だ。

(3)3つ目は、経営の重点(2)「学校・家庭・地域のバランスがとれたトータルシステムの開発」に関わる内容だ。
 これまでも何度も何度も述べてきたことだが、現在の日本は、残念なことに、学校・家庭・地域の教育のバランスが崩れている。
 いわゆる「学校の教育丸抱え体制」状態に陥っている。
 これが日本の教育危機の元凶といっていい。
 逆にいうと、このバランスさえよくなれば、日本の教育はまだまだ大丈夫だ。
 当然のことだが、バランスが悪いままで、どんな施策を打ちだしても、ほとんど効果はない。
 改善のためのポイントを箇条書き的に3点あげる。
 1つ目は、現在、PTAが主体となり、小・中の強い連携・融合を軸に展開している学社連携・融合(すこやかみなみネット)事業の積極的な推進だ。
 バランスをよくするためには、まず学校・家庭・地域がそれぞれの立場で、自由に参画できるしくみが必要だ。
 すこやかみなみネットの実践の積みかさねが、MINAMI校区を基盤として、ここに住む地域の人びと、子どもの保護者、学校の教職員等で、協働して子どもの成長や教育のことを考え、具体的な活動を展開していく仕組みづくりにつながると確信している。

 ちなみに、きょう、市教育委員会・社会教育課が発行する、市内全保護者を対象にした広報誌が届いた。
 記事の見出しが「家庭教育は大人どうしの関係づくりから」で、記事の結びが「親も子も家庭から一歩踏み出しましょう」。
 同感だ。
 次は、その「関係づくり」のための、あるいは「一歩踏み出す」ためのしくみづくりだ。
 市教育委員会は、「しくみ」の現状がどうなっていると認識しているのか?
 どう変わらなければいけないと考えているのか?
 変わるためにはなにをどうすればいいと考えているのか?
 ホンマは、こういうことを広報誌のメイン記事にする必要があると、僕は考えている。
 期待している。

 (きょうはあとの2つは項目をあげるだけにとどめる。)
 2つ目は、教職員の学社コーディネート力のアップ(例=学校部活動と地域の社会教育的行事との調整)
 3つ目は、(2つ目に含んでもいいかもしれないが)教育に関していちばん荷を抱え込んでいる学校が、アウトソーシング計画をもたなければ事態は改善しない。
 この企画・立案・実践力をつけること。

★関連記事
職員室の経営は、町工場の経営に似て、校長は、作業の工程のすべてを知り尽くしている、たたきあげの社長

  公式ホームページへ


  WEB無人駅線ページへ




最新の画像もっと見る

コメントを投稿