職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

わたしはよくあいさつのときに「今の自分の感情に即していえば……」という接続句をつけることがある。

2008-01-25 21:31:22 | Weblog


★きょうの岬台

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◆バタバタしていて、すっかり忘れていたのだが、生徒会誌『百花香』の原稿しめきりが、きょうだった。

 このところ生徒会誌には、年間の式辞の中で、自分の思いがいちばんこもっていると、自分が感じる式辞を文字化して掲載している。
 昨年は「2学期始業式・式辞のつづき ~魂の置き場所をさがして~」と題して、式辞の続編を書いた。
 式辞の中で「置くべき場所に魂をしっかり据えないと、いい仕事はできません。そこで、わたしは7/21~8/15まで、自分の魂を置く場所をさがしていました。ぎりぎりの8/15になって、やっとみつけることができて喜んでいます」とだけ述べ、「それがどんな場所であるかは、いつか機会があるときに式辞の続編として話すことにします」としてあったからだ。

 一昨年も、2学期始業式の式辞で、8/15にJR八戸線に乗り、陸中八木駅で下車、南に向かってゆるやかに坂道をのぼりきり、ゆるやかにくだりきり、小子内の盆踊りを見に行くというストーリーに、柳田国男の『清光館哀史』『浜の月夜』とわたしの人生を絡ませた話だった。(こう書いても、いったい何のことやらまったくわかりまへんね。スンマヘン、スンマヘン。)

 今年は2学期の終業式・式辞だ。
 2700字の式辞を1600字に縮める。


★きょうの白銀台


◆〈生徒会誌・百花香の原稿〉以前、全校朝会で、ある文化祭バザーの担当者から「この売れ残った本は廃品回収業者に引き取ってもらいますから、もし、好きな本があったら持っていってください」と言われて、わたしがその中から、わたしが最も敬愛する詩人の、今はもうどこへ行っても手に入らないといわれている幻の詩集を見つけたという話をしました。

 これがその詩集です。
 この詩集は、バザー担当者からするとほとんどゴミ、しかし、わたしからすると宝物、同じものなのにお金に換算すると100万倍近い差があります。
 全校朝会では、この話をして、「これが世の中なんですよ」とだけ言いました。
 「あとはみなさんで考えてみてほしい……」ということだったんですが、わたしはそのとき口では言わなかったけれども、実は3つのメッセージをこめていました。
 きょうはその3つのメッセージを伝えます。

◆1つ目のメッセージ。
 この本があなただと考えください。
 バザー担当者から「価値がない、役に立たない、ゴミだ」と言われました。
 でも、あなたがそう言われても、メゲないでほしい。
 それぐらいでガックリしないでほしい。
 ああ、わたしはもうダメなんだぁ~とギャギャー騒がないでほしい。
 必ずあなたの価値をわかってくれる人が世の中にはいる、絶対いる……絶対にいるということを信じて生きていってほしいというメッセージです。


★きょうの大久保地区

◆2つ目のメッセージ。
 わたしは10万円だ、100万円だと言い、バザー担当者は1円だと言っているんですが、あなたはどっちに売りますか?……と言われれば、もちろん10万円、100万円のほうに売りますね。
 でも、ひとりぼっちのとき、だれからも声がかからない……そういうときだったらどうでしょうか?
 こういうとき「ああ、ゴミでもいいや」と自分を安く売らないでほしい。
 世の中にはいろいろな誘惑があります。
 あなたを安くみて、悪いことを誘ってくる人もいます。
 そういう誘惑に負けて、自分を安売りしないでほしい……というメッセージです。

◆3つ目のメッセージ。
 では、自分の価値はまわりの人で決まるのか?ということです。
 たしかにそういう面もあるが、もちろんそれがすべてではありません。
 やはり自分の価値は自分で高めようとしなければいけません。
 この詩集だって、もともと高い価値があります。
 詩人が自分を高めようと努力した、その結晶です。
 では、自分を高めるための努力ってどういうことなのか?
 これが、4月以来、みなさんに言いつづけている「なりたい自分をデザインして、そのなりたい自分になろう」ということです。
 多少の困難があっても、ピンチがあっても、絶望せず、負けないで「なりたい自分」をめざしてがんばれ! がんばりつづけよう!というメッセージです。

 以上が、あの「文化祭バザーの話」に込めた3つのメッセージです。


★みなみ中3学年はきょうもパパママ体験学習だ


◆この2学期がスタートするとき、プールのそばで、真っ青な空を背景にひまわりの花が最後の力をふりしぼるように咲いていたのが目に焼きついています。
 あの日から、体育祭、新人戦、文化祭、2学年は修学旅行、3学年は合唱の音楽祭出場もありました。
 そして、もちろん毎日の学習・生徒会活動……と、もう信じられないくらいにいろいろなことがあって、もう信じられないくらいの速さで過ぎていった2学期でした。
 みなさんひとりひとりにとって、また先生方ひとりひとりにとって、「なりたい自分になること」を目指して努力した、充実した2学期だったと思います。

◆ただし、「なりたい自分」にまだなっていないという人も多いでしょう。
 これは当然です。
 わたしもそうです。
 今年はまだ10日ありますから、「なりたい自分」を目指してぎりぎりまでがんばりましょう。
 そのうえで12/31大晦日に、「なりたい自分」をめざして努力してきたことをふりかえり、この努力は来年もつづけよう、ここは足りなかったから改めようと新年にむけて決意してほしいと思います。
                                      〈生徒会誌用原稿以上〉

◆わたしの式辞は入学式でも、卒業式でも、始業式でも、いつも前日か当日に書くことにしている。
 だから、いつも荒っぽいのだが、これは特に荒い、いや、「粗い」というべきか。
 わたしはよくあいさつのときに「今の自分の感情に即していえば……」という接続句をつけることがある。
 今回の2学期終業式・式辞も、この接続句を冠すべきかもしれない。
 そうか、「感情に即した」から、「猛烈に思いがこもっている!」と感じたのか?

 この式辞を書きながら、あるいは語りながら、学生時代に苦しめられたエミール・ラスクの価値論を思い出した。
 「存在に対する妥当の優位」……向妥当するものと向妥当されるもの、照らすものと照らされるものとの合致統一……(>_<)


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