職員室通信・600字の教育学

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安彦忠彦氏「学習指導要領」の罪とは?

2006-01-04 06:06:36 | Weblog

06.01.04 安彦忠彦氏「学習指導要領」の罪とは?

◆仕事始め。
 出勤している教職員と新年のあいさつを交わしたあと、ひとつひとつ教室をまわる。
 3年生は学習会。
 1・2年生は部活動。
 卓球、科学、合唱、テニス、バスケ。
 玄関ロビーに、スーパーで買った鏡餅が飾られている。
 橙の上にセットされている、小さな扇がなんだか勇ましい感じがする。

◆1月のスケジュールの確認、年賀状の整理、入試事務(成績一覧表、推薦願書)の点検。
 午後5時から、みなみ公民館で、みなみ地区新年祝賀会。

◆祝賀会までに少し時間があったので、現代教育科学1月号「『学習指導要領』戦後60年の功罪」を読む。
 どの論文も興味深く読んだので、4つ、5つしか読めなかったが、次の箇所が気になった。

■安彦忠彦氏
 三「学習指導要領」の罪とは?
 (前略)もう一つは、日本人の家庭や地域から、教育をすべて学校に取り込む方向を促し、社会の教育力を奪ってしまった、という点である。これは第一の点とも関係して、戦後も学校の教育こそが常に進んでいて妥当なものとする通念を生み出し、「教育のことは何でも学校の先生に」との態度を国民の間に広めた、と言ってよい。「学習指導要領」の法的拘束力の強かった時代は何でも学校がかかえ込むような事態となり、現在はそれが破綻した状態にある。
 今日では、規制緩和によって、あらためて「学習指導要領」の「試案」的性格が強められているが、それを学校現場で支える力のある教師が、昭和50年頃までにいなくなり、せっかくの施策も効果がすぐには出ていない。


◆気になったという第1点は、学習指導要領が「教育のことは何でも学校の先生に」との態度を国民の間に広めた……という箇所だ。

 わたしはこれまで学校の教育丸抱え体制を強める方向に作用したのは次の3点(の融合作用)だと考えていた。

①学校中心自治民育体制。
 昭和7年文部省訓令「学校少年団」
 昭和16年「大日本青少年団」
 昭和20年5月22日戦時教育令=「学徒隊」
 このいう流れのなかで、いわば「学校中心自治民育」体制が確立していったのだが、この戦前の学校イメージが、敗戦後も保持されたこと。

②教育爆発現象。
 高校進学率が昭和20年代〈20%〉→昭和50年代〈90%〉と急カーブを描いている。
 受験のための狭義の学力観に地域・家庭も追随していったこと。

③地域社会構造の変化。
 職住分離・核家族化が進行したこと。

 安彦忠彦氏が指摘する、「学習指導要領」が教育をすべて学校に取り込む方向を促し、社会の教育力を奪ってしまったという角度で考察をしたことがなかったので、実はまだピンときていない。
 いい視点を提示してもらったと思っている。

◆気になった第2点は、「『学習指導要領』の『試案』的性格が強められているが、それを学校現場で支える力のある教師が、昭和50年頃までにいなくな」った……という箇所だ。

 教育現場の直中にいるわたしのような人間から反論があることは想定の範囲内で書かれていると思うので、あえて反論はしないが、やはりとんでもない誤認識といえるだろう。(こういう認識がある限り、教育の改革は進まない。)
 文科省は、「せっかくの施策」がすぐに効果があがらないことは、いや、5年先も、10年先も効果があがるはずがないことは、十分予見していたはずである。
 「せっかくの施策」が効果をあげるためには、現場が待ち望んでいる「もうひとつ別な施策」を同時に展開しなければならない。
 当然、このことも文科省は十分に認識していたはずである。
 ま、現時点ではどうしてもグチッぽくなる。
 弁解っぽくなる。
 だから、もうこれ以上、ゴテゴテ言うことはやめる。
 さあ、新年会だ!

◆国歌斉唱、市民憲章唱和、主催者あいさつのあと、来賓祝辞。
 八戸市長 小林 眞氏
 市議会議長 荒川重雄氏
 衆議院議員 大島理森氏(秘書代読)
 衆議院議員 田名部匡代氏
 参議院議員 田名部匡省氏
 ここまでで40分間。
 祝辞のあとほとんどお帰りになったが、ひとり残った荒川氏といろいろ話す。
 行政のこと、人生のこと、教育のこと、事業のこと……。
 荒川氏の話のストーリーに、実にドラマチックにわたしの大切な人物たちが絡んでいるのが不思議だった。
 長編小説を読むように引き込まれていく自分を感じた。
 雪が激しくなる。

◆トップ画像は「ひとつひとつ教室をまわ」っているときに見つけた。

 終業式の式辞のなかの「『人の陰口は絶対に言わない』『他のためにがんばる』『夢をもつ』という豊かな人間性の条件を3つ話しました。4つ目、5つ目は、きょうの学活で学級担任の先生から聞いてほしい。担任の先生は、『これが4つ目、これが5つ目』と言わないかもしれません。ただ、きょうは大切な日ですから、担任の先生は気持ちをこめてみなさんに話すと思います。その話の中から、みなさんが、『4つ目、5つ目』を見つけ出してほしい」を受けて、学級担任が「4つ目」「5つ目」と展開してくれたのだろう。
 1000万円の宝くじが当たったのと同じくらいうれしい。


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