万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

政治とシンボル・カラーの問題

2019年05月29日 14時06分45秒 | 国際政治
各国の国旗の配色には、それぞれ意味付けがなされており、赤、青、黄、緑、黒、白といった原色がしばしば使用されています。共産主義のシンボル・カラーは、暴力革命に際して流された夥しい血の色から‘赤’であるとされており、おどろおどろしいイメージでありながらも、ソ連邦の国旗や中華人民共和国の国旗の色は赤を基調としています(なお、中国の国旗の五星紅旗の星の黄色は‘光明’を表すらしい…)。その一方で、‘赤’とは、邦訳すれば‘赤い盾’となるロスチャイルド家の家名に因むとする説もあります。

 本日、何故、このような政治とシンボル・カラーについて記事を書くのかと申しますと、EUの分極化が強まったとされる今般の欧州議会選挙の結果を見ますと、4つの政治勢力による奇妙なバランスが出現しているように思えたからです。当初、いわゆる‘極右’、あるいは、‘ポピュリスト’政党の躍進が予測されながら、蓋を開けてみますと、最も議席数を伸ばしたのが中道リベラル派と緑の党でした。この結果、欧州議会は、およそ、中道右派、中道左派、統合懐疑派(所謂‘ポピュリスト’政党)、並びに、環境派の四者に色分けされることとなりました。乃ち、青、赤、黄色、緑に…。なお、マクロン仏大統領が率いる共和国前進等のリベラル派はどの色に属するのかと申しますと、同大統領の経歴からしますとロスチャイルド財閥との関係が深く、おそらく‘赤’なのでしょう(共産主義と新自由主義は表裏一体…)。また、黄色の‘ポピュリスト’政党も、その政策綱領からしますと全体主義的な色彩が強いという特徴があり、真の意味において保守政党であるのかは疑問なところです。

 この四色、マイクロソフト社のロゴマークにも使用されているのですが、ここで、一つの仮説があり得るように思えます。それは、これらの四色とは、ドイツのフランクフルトのゲットーに設けられていたとされる東西南北の門の色なのではないかという…。上述したロスチャイルド家の家名は、同家が‘赤い門’の傍らに邸宅があったことに因んで命名されています。日露戦争で日本国の国債を大量に引き受けたことで知られる金融財閥のシフ家は、‘緑の門’の近くに屋敷を構えていました。フランクフルトのゲットーの門は、ナポレオン戦争に際して全て破壊されましたが(因みに、マクロン大統領はナポレオンの再来とも称されている…)、失われたはずの門の色は、シンボル・カラーとしてヨーロッパのみならず全世界を目に見えない壁で取り囲んでいるようにも思えるのです。

 しかも、メビウスの輪戦略が基本路線ですので(メビウスの輪のツイストは、二本の帯に限らず、三本でも四本でも可能…)、四色の門の勢力は、外見においては互いに対立しているように見せかけながら、裏側では相互に協調を保ちながら人類を自らの望む方向に囲い込んでいるのかもしれません。この戦略に一般の人々は気が付いておらず、何れかの政治勢力を支持して一票を投じたとしても、結果はみな同じとなるのです。かくして民主主義は形骸化され、国民の権利としての参政権も意味を失ってしまうこととなりましょう。

 フランクフルトのゲットーには、ユダヤ人のみならず、イスラム教徒といった東方の異教徒や異邦人も居住しており、さながら、様々な人種や民族が入り乱れる今日のグローバル社会をも髣髴とさせます。ゲットーは消えたのではなく、それは、目に見えない四つの門が象徴するカラーによる世界支配の仕組みとして全世界に拡大したのかもしれません。果たしてこの仮説、杞憂に過ぎず、既に失われた世界の幻影を見ているだけなのでしょうか。情報不足等から仮説を実証することは困難なのですが、今日、各国が直面している政治の現実、即ち、民主主義の危機をどことなく説明しているようにも思えるのです。

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コメント (2)
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