P.138~139に「鍼灸治療」の説明があります。
私たちの体には、「経絡」と呼ばれる
「気(一種の生命エネルギー)」の通り道が走っています。
その要所要所にあるのが「ツボ(経穴)」です。
よく「経絡が”線路”だとすると、
ツボは”駅”のようなもの」というたとえが使われます。
「線路」の流れが悪くなると、病気や不調が起こります。
そのとき、「駅」であるツボに働きかけると、
流れが良くなって病気や不調が改善されます。
それが鍼灸治療の基本ですが、
「ツボへの働きかけ方」は流派によって違うのです。
現在、行われている鍼灸治療の多くは、
経絡上のツボに、深く長くハリを刺します。
その刺激によって、滞っていた経絡の流れが、
ムチでたたかれるように目覚めて動き出します。
つまり「刺激」によって気の流れをよくする方法です。
P.140 この方法は、もともと「気」がある程度以上あって、
流れだけが滞っている人にはいいのですが、
「気」そのものが乏しくなっている人には向きません。
深く刺して患者さんが「痛い!」と感じてしまうと、
かえって「気」が抜けてしまうからです。
(中略)私がS先生から教わったやり方は、
ハリをごく浅く刺しておいて、そこから気を送り込みます。
ハリは、気を送るための「導入管」のようなもので、
刺激具ではありません。
ですから、深く刺す必要ななく、痛みもないのです。
私自身は鍼治療を受けたことがないので、なんとも言えませんが、
「自力整体」ナビゲータとして、東洋医学の実態を垣間見る思いで、
とても参考になる本でした。