自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

ラジオ体操は 65歳以上には 向かない   4   前屈の危険

2021-06-26 05:56:43 | 図書メモ
あまり美しくない写真ですが、全体像は「リュックサックの猫たち」を自撮り中。


p.64 腰に負担がかかる無理な前屈

   ラジオ体操第一と第二の6番目にある「体を前後に曲げる運動」
   第二の10番目「体を倒す運動」などの目的は、

   「背骨を柔軟にする。腹部への圧力の変化が、消化器官の働きを助ける」
   となっているが、これらの運動を高齢者が行うと、
   背骨を柔軟にするどころか、腰痛を悪化させる危険性がある

その理由がp.66以降、図や写真で説明されています。つまり、
高齢になると股関節が硬くなり、「股関節からの前屈」ができないので、
腰椎を無理に曲げてしまうから、腰痛に繋がる!

私は高齢の体操グループに指導する時は、リーダー研修で教わった
「腰痛予防体操」をお伝えして、喜ばれています。これは
「ゆっくり捻じりながら前屈(=頭の後ろで組んだ右ひじを左膝に向けて
 まげていく)と、反対側への捻じり反らし」で、非常にコツが要りますが、
ゆっくり動くのに効果があるので好評なのです。

ラジオ体操のように、テンポ良く、テキトーに動かしているだけで
「やった気持ち」になるのは、やはり考え物です。


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ラジオ体操は 65歳以上には 向かない   2

2021-06-24 08:06:38 | 図書メモ
懐かしいMariaの写真が出てきたので暫く楽しみたいと思います。


著者が危惧する(=効果がないばかりか、関節を傷める可能性あり)理由は、
p.52 ①上半身の不完全な体操を行っている
   
   ②ひざに負担をかける不自然な跳躍をしている

   ③腰に負担がかかる無理な前屈をしている


①は、「かんぽ生命」の解説によると、
   「肩関節を柔軟にし、肩コリや首筋の疲れをとる」のが目的。

   本来はひじを伸ばし、肩を外側に上げる筋肉(三角筋)を使って、
   身体の前で大きな円を描くように回すもの。ところが高齢者は
   ひじを曲げて体の前で小さな円を描く人が少なくない

私が思うに、高齢になると、肘も膝も伸ばせなくなってきます。
「あの人、美人だけど、な~んか動きが年寄りくさい」「なぜだろう?」と思うとき、
一目でわかるのは、
1.背中が盛り上がっていて(瘦せていても!)、首が前に落ちている
2.内転筋が弱く、脚の内側が締まっていない(立ち姿勢)
さらに体操が始まると、
3.肘がまっすぐ伸びていない
4.膝も曲がっている
5.跳躍ができない

なので、肘や膝裏のストレッチをしないで、勢いよく回したところで、
何の意味もない・・・・

でも、私はラジオ体操が好きです。
自分で工夫して、バレエ風にできるし、効果が上がるよう常に頭を使えます。
誰かから<褒め言葉>が来ることがあっても、誰も文句は言いません。
私の真似をしたい人が増えて、毎朝講習会のようになってきています。
そういう風に「ボランティアで人の役に立つ」ことが嬉しいのです。

しかも、色々なバックボーンの高齢者から沢山のことを学べます。
これこそが、ラジオ体操の一番の効果なのではないでしょうか。


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ラジオ体操は 65歳以上には 向かない  戸田佳孝・著   2016/3

2021-06-23 07:57:21 | 図書メモ


「ラジオ体操って、高齢者には良くないんだってよ」という声が
この2~3年、チラホラと聞こえていましたが、やっと本を発見しました。

著者は整形外科医でリウマチ科クリニック院長です。
本のタイトルは編集者の提案で、決して乗り気ではなかったそうですが、
p.197 「広く普及し、信じられている題材を科学的に検証する」という試みが、
   医学を進歩させる原動力になってきたことも事実なので決定

ごく真面目な、好感の持てる記述内容です。
私もリタイア後ずっとラジオ体操を続けているので、
我が意を得たり、という情報が満載です。

一番、面白かった話は、ラジオ体操誕生の経緯です。
p.135 ラジオ体操の起源は、1925年に米国メトロポリタン生命保険株式会社が
   ラジオ放送でひろめた体操にある。(中略)当時、生命保険には
   「死を待つ不吉な商売」という暗いイメージがあり、それを払拭するため
   宣伝の一環として体操を採り入れた。

   「朝の体操で長生きしよう」というメッセージを込めたこの体操は
   全米にブームを呼び、生命保険を明るいイメージに転換するのに効果があった。

   メトロポリタン社の体操は32の運動から構成されていて、その中には
   寝転んで行う脚上げ運動や腹筋運動、足まわし運動が含まれていた。
   現在の日本のラジオ体操とは異なり、筋肉を鍛える要素が多かった

   また、家庭で一人で行うことが想定されており、屋外で集団で行うような
   体操ではなかった。

p.136 このメトロポリタン社の体操を、当時(1920年代)の通信省簡易保険局
   企画課長が、日本に紹介した。(日本でも、簡易保険の販売に苦戦して
   いたので、ラジオ体操が効果的だと考えた。)

   (中略)ところが、日本のラジオ体操は、手本であるメトロポリタン体操とは
   ずいぶん違うものになり、運動が32種類から11種類に減り、かなり楽になり、
   簡易保険の宣伝もゼロに。

p.137 簡易保険の宣伝色が排除された理由は、NHKから
   「特定の商品の宣伝は日本放送協会の趣旨に反する」と疑問を呈されたから。
  
   さらに、「昭和3年に昭和天皇の即位御大典で陛下に奉納する」前提ができ、
   そのため、ラジオ体操は常に皆が前を向き、隣の人と一定の距離を置き、
   単純な動きでそろいやすいようつくられた

p.138 体力をつけるより、お立ち台から見てきれいに見えることが、
   ラジオ体操の大きな目的の一つとなった


   天皇陛下に向かってメトロポリタン体操のように寝転んで足をまわす
   ような運動は無礼なため、そうした部分は削られてしまい、筋肉を
   鍛える要素の少ない楽な体操になった

p.139 「過去の体操が、唯力一杯元気をだしてやる」といった形式で、
   「然も其の体操たるや、実に殺風景であった」という点から色々考えられて、
   「今度は、少しハイカラな所を取り入れ、唯元気一杯にやるのではなく、
   逆に力をぬかしてその結果力の這入るような体操を考案」親しそうです。

   この結果ラジオ体操は、体力をつける要素よりも   
   ダンスの要素が強い作品となった

p.142 ラジオ体操の放送開始から8年後、二・二六事件が起こり、日本は
   軍部独裁による政治的色彩が強くなり、徐々に戦時体制が強化され、
   物質面、精神面への統制が打ち出されるようになった

   これに応じてラジオ体操にも、心身を鍛えて愛国精神を湧起させる
   効果がますます期待されるようになった。ラジオ体操は
   「国民精神総動員」の中における重要な体育運動と位置付けられ、
   太平洋戦争下ではなかば強制的にラジオ体操参加が奨励された

色々な経緯を経て、ラジオ体操は生まれ変わり、多くの人に平和的に親しまれる
体操になったようですが、
p.144 その一番の特徴はやはり、「お立ち台からきれいに見えるよう、
   みんなが前を向いて、ダンスのようにそろった動きをすること」

明日からは、具体的な「問題のある体操について」紹介します。
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元女性自衛官かざりの 即やせ ダイエット   かざり・著  2021/1

2021-05-28 05:20:40 | 図書メモ


体操クラブや、ラジオ体操のアトラ劇場で楽しめそうな体操を
常に模索しています。書店でこの本を見て初めて、自衛隊体操の存在を知り、
youtubeで色々みてみました。

さすがに自衛隊!(?)、結構激しくて、高齢者には不向きかも。
なよなよしていないので、若い男性には分かり易いのかもしれません。
動きが速くて、運動強度は強いので、まともに続ければ痩せるかも。

ただし、現在は<筋肉質体形>は流行っておらず(特に女性向けには)、
<ボンキュッボン>体形で、しなやかに動ける身体能力が求められる時代。
少なくとも私の自力整体教室やアトラ劇場では、
①肩を上げない
②お腹を引っ込める
③耳が肩の上にのる<美姿勢>キープ
④体の外側の筋肉より、内側の筋肉を鍛える
などなど、変な所に筋肉がつかないよう、注意して誘導しています。


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60歳からは「小さくする」暮らし  藤野嘉子・著  2018/6

2021-05-26 05:57:56 | 図書メモ


のぞき見主義ではないけれど、常に書店や図書館で素敵な方々の
高齢になってからの住まい方、暮らし方、健康法の本を眺めています。
この本の著者は、夫婦揃って料理関係の方です。

驚いたのは、「持ち家を手放しで、賃貸マンションに移住」という選択。
今はURなどの洒落た物件を探しやすくなっているそうです。
私も既に庭の管理やガス・電気設備の故障などに悩まされているので、
「故障したら大家さんに連絡するだけでOK」という点は魅力的。

更なる驚きは、150㎡から65㎡へのダウンサイジングなのに、
そこに新たに著者の実母さん(90歳)が加わったという話。
私にも経験がありますが、実の母娘は遠慮会釈なく話ができるけれど、
お婿さんは、会話に入り難い・ついていけない、、、さらには
やっぱり本当の家族ではないので、夫だけ落ち着けない・・・・・

その辺は著者も色々工夫・気配りされたようです。
お母さんは、かなり自立心があって、行動派だし、趣味も多く、
著者の夫君とは気兼ねなく喋るタイプだから良いのかも。
でも、「三人暮らしでトイレが一つ」というのは、我が家では絶対無理。

次の驚きは、あまり運動が好きでなかった著者が一念発起で、
p.54 60歳を前にマラソンを始め、フルマラソンにまで挑戦していること。
私は、そんな長距離を走ったら「昔の古傷(左膝の痛み)」が爆発しそうで、
絶対にマラソンはしないと思います。でも、著者みたいに、新たな運動に燃え、
幸福感を味わえることは大切ですね。

以下、真似したいこと
p.149 一度怒るとあとに引けなくなるんです。
   自分にも非があるのに、素直になれない

p.150 そんなとき、お寺で教わったこと
   「怒るという感情は、
      あなたの良いものをすべて燃やしつくすんですよ


私も三人の子育て時代は、怒りまくって、とげとげしていました。
でもリタイアして、残り時間を有効に使わなくちゃ!と思う時、
怒っている暇はありません。

ただし、心地よいことだけに埋没して、
社会の不当な差別とか格差に対する怒りを忘れてはダメだと思っています。
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心を強くする300の言葉  メンタリストDaiGo・著   2016/5

2021-05-18 09:53:04 | 図書メモ


結構古い本ですが、全然色褪せていません。
著者の膨大な量の読書と思索から生まれた言葉で、
p.4 数年間に渡りTWitterで呟いてきた、
   ”自分の心理をコントロールし、人生をより充実させるための言葉”
   の中で反響の良かったもの
だそうです。

どのページを見ても、「さすが!」という珠玉の言葉ばかりですが、
今日は、私が最近とみに感じる内容の小文をコピーします。

p.11 自分に合う人よりも、
   この人になら合わせてもいいと 思える人を見つけよう。

   友人関係でも恋愛でも、本当に充実した人間関係というのは、
   自分が相手に合わせてでも付き合いたいと思える人としか築けない。

   自分が全く歩み寄らずに、ただ自分に無条件に合う人を探しても
   そんな人は存在しないのだから。

パレスチナほどの危険地帯ではないけれど、天災・人災は予測できません。
私たちに残された時間を大切にするために、積極的に時間を管理したいです。


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肋骨締め   makahou2・著   2020/5  

2021-05-14 05:48:39 | 図書メモ


副題は「タオル1本でくびれを作る」
エ~っ、、、ほんとぉ~~?と叫びたくなりますが、
説得力はあり、ちゃんとやれば効果があると思うのでメモします。

著者の主張は、
p.5  やせればキレイになれるわけじゃない

p.6  目指すは「筋肉質で引き締まった体ではなく、
      くびれと丸みのあるしなやかなボディライン

p.8  腹筋運動は<楕円形の横拡がりの体型に>なりがち。
     脇腹の脂肪をほぐすマッサージが効果的

私は「健康体操の普及を目指している」のですが、
健康なら、むくつけき(=たくましい)オバサン(orオバーサン)で良いワケ
ではなく、「幾つになっても、女っぽい魅力的な肢体と肌艶」が理想です。

実際の指導の場では、高齢男性たちは、
「カッコなんて、どうでもイイ。痛みさえなくなれば!」の大合唱。
方や女性たちは、
「カッコよく、美しくなりた~い! 痛みなんか我慢しちゃう!!」
という声が多いのです。

有難いことに、正しい健康法で心身をコントロールできるようになると、
「痛みのない、健康な身体と、しなやかに動ける美しさ」をゲットできます。
その分かり易い方法をお伝えするために、夜な夜な勉強しています。

著者の方法は、
p.16 ①準備運動として、くびれマッサージを行う。
     •肋骨と骨盤の間を伸ばして、くびれのスペースをつくる。
     •リンパの流れを良くし、老廃物を流す

p.32 ②実際の肋骨締めは、幅15㎝×長さ120㎝くらいのスポーツタオルで
     肋骨の下部からアンダーバストまでを3カ所に分けて締めていく
     この時、徹底的に腹式呼吸をして、肋骨を広げない意識が大切。

p.40 ③コツがわかってしまえば、タオル無しで、どこででも出来る。

他に歩き方、テニスボールやローラーを使ったセルライト退治など、
最近主流になっているケア法が分かり易く説明されています。
やってみたい方々は、本を買って写真や解説通りに実行してください。

私的に一つだけ困るのは、
声楽は「肋骨を広げまくる」ので、美容体型とバッティングすること。
これはミュージカル・ダンスやバレエの先生たちも仰っています。
声楽を重視する方は、肋骨を広げ、
踊りを重視する方は、声楽を諦めるようです。

因みに私の教室では「健康重視」なので、生徒さん用に100均手拭4本から、
120㎝(=90㎝+30㎝)× 15㎝(=三つ折り)のタオルを3本作って、
先日皆で試してみました。

肋骨の開閉が良く分かったこと。
正しい腹式呼吸を意識できたこと。
上記2点で好評でした。

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Draw a blank = 度忘れ !?!

2021-04-29 05:29:31 | 図書メモ
写真はアロエの仲間。7年育てていて、初めて御目文字の花の蕾。


再度、ビジネス英語3月号から<忘れたくない言葉>をメモします。
Lisa Vogtさんが担当のOur Magical Worldというコーナーで、
p.92 draw a blank
   「空くじを引く」というのが直訳ですが、
   思い出せない、答えられない、度忘れする、
   (求めていたものが)手に入らない
   といったSituationで使う
   用例としては、
   He asked for my home phone number, and I drew a blank.
   (彼が私の自宅の電話番号を教えて欲しいといったのだけれど、
     私は思い出せませんでした。)

こんな言葉、いきなり言われても全然理解できないです。
でも、文字で見ると何となく雰囲気は伝わるので面白いです。

*************************
p.23 シェアレンティングは、一部の親に見られるような、
   「自分の子供に関連するコンテンツを共有するために
    ソーシャルメディアを使いすぎること」を指します。
   (かわいい赤ちゃんの写真や、自分の子供たちのとても面白い日常を
   際限なく撮ったコンテンツをすぐにシェアしなくては、と思っている)

   多くの親が忘れがちなのは、
   ネット上で自分の子供の写真をシェアすると、
   子供をネットいじめの被害者になる危険にさらしかねないということ。

ネットいじめはCyberfullyingだそうです。

英語を話す機会は激減していますが、上記のような説明を見るのは好きで、
うぅ~ん、なるほどねぇ~~と感心して喜んでいる私です。
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自分の血液が「がんを治す!」  水町重範・著  2004/11

2021-04-11 05:58:45 | 図書メモ


がんの治療法の一つとして友人が紹介してくれた本です。
「がんと闘うのではなく、共存する」方法なので私好みですが、
結構古い本なので、現在、どのように評価されているのか
知りたいところです。

著者のクリニック(会員制)に通うには、当然、健康保険はきかないので、
かなりの治療費がかかりそうなことは確実です。

とりあえず、気になる「治療法のコンセプト」をメモすると、
p.27 ガンのような病気にかかる患者さんは、
   血液の中にあるリンパ球と言う免疫細胞の数が少なくなっていたり、
   あるいは細胞に元気がなくなっていたりします。
  
   そのために本来なら自然治癒力という、人間が もともと持っている
   抵抗力で癌細胞の動きを抑え込むことができるのですが、
   リンパ球の数が少ないためにそうした防御力が発揮できないのです。

   そこで患者さんの血液からリンパ球という免疫細胞を一旦取り出し、
   科学的に培養・増殖をして、力のついたリンパ球を再び体内に戻す、
   つまり自分の血液で癌を治すというのが活性化自己リンパ球免疫治療。

   この治療により、人間が本来持っている自然治癒力を高め、
   がん細胞の働きを抑え込むというのが狙いです。


p.61 その基本的な考え方というのは、従来のような
   がん細胞に直接アタックするというアプローチではなく、
   体が生まれながらにして持っている免疫力を向上させることで、
   がん細胞の働きを弱らせていくという考え方です。

   この考え方で重要な部分は、必ずしもがん細胞の撲滅を目指すものではない
   という点です。つまり免疫力ががん細胞の力を上回っていれば癌は
   それ以上進行することがないので、がんとの共存が可能なのです。


p.78 血中から分離したリンパ球に「抗 CD 3抗体」と「インターロイキン2」
   という物質を与えると、刺激を受けたリンパ球が増殖を始め、2週間で
   100倍以上にその数を増やすのです。しかも単に数が増えるだけでなく
   一つひとつのリンパ球が活性化、つまり元気を回復し、それを
   再び体内に戻すことでそれまで好き勝手に暴れまわっていたがん細胞の
   働きにブレーキをかけることができるのです。

   ならば、元気なリンパ球だけを工業的に大量生産してしまえば良さそうに
   思う方もいるかもしれませんが、リンパ球はあくまで免疫細胞であり、
   その人の体の一部をなす構成員なので、誰のリンパ球でもいいというわけでは
   ないのです。言い換えれば、自分自身の血液から取ったリンパ球だからこそ
   副作用を引き起こすことが少なく、極めて安全性の高い治療法となるのです 。


p.82 この抗 CD 3抗体とは、インフルエンザウイルスやがん細胞の代わりにリンパ球に
   増殖スイッチを入れる役割を持っていて、これに刺激されたリンパ球は増殖を
   始めようとします。その時に「インターロイキン2」という物質を加えると細胞の
   増殖の際の栄養素の役割を果たし、急速に増殖させることができるのです。

   こうした免疫細胞の働きを利用することで、当初は数が少なかったり元気が
   なかったリンパ球を、約2週間という時間の中で100~200倍もの数に増やし、
   活性化させることができるのです.

p.102 活性化自己リンパ球治療の元祖は、1980年代にアメリカの国立衛生研究所
   (NIH) でローゼンバーグという研究者らのグループによって始められた
   ラック療法という治療法であると考えられます。

   これは患者のリンパ球に活性化自己リンパ球治療でも細胞増殖の栄養素として
   使われるインターロイキン2という物質を投与する方法です。
   活性化自己リンパ球治療ではその前にこう CD 3抗体という細胞増殖の
   スイッチを入れる役割の物質を使うのですが、ラック療法ではその工程が
   ありません。その結果ナチュラルキラー細胞という細胞が増えていきます。
   この NK細胞とインターロイキン2を一緒に体内に戻すことでがん細胞の動きを
   抑えようというのがラック療法の考え方でした。

p.103 ただしこの治療法はインターロイキン2を直接体内に投与するため
   副作用が強く有効性と副作用の辛さを秤にかけると必ずしも効果的な
   治療法ではないと判断されることが多く次第に下火になっていってしまいます。

   しかしその考え方を発展させて、癌治療に役立てられないかと日本の
   基礎医学者等が研究を引き継ぎ、ラック両方をさらに進化させたものとして
   活性化自己リンパ球治療が確立されたのです。
   そうした経緯から現在では本家のアメリカよりも免疫治療の分野においては
   日本の方が先端を行くような状況になってきているのです 。

p.167 ラック療法の提唱者である NCI(米国国立がん研究所)のスティーブン・
   ローゼンバーグという外科医が、リンパ球にがん細胞を認識できる遺伝子 TCR を
   導入するとリンパ球が一気にがん細胞に攻撃を始めるという事実を突き止めました。

p.168 リンパ球に特定のがん細胞が持っている癌抗原を認識できるレセプターの遺伝子
    TCR を導入すると、全てのリンパ球が同じタイプの癌細胞に対しては攻撃を開始
   するというものです。特定の能力を持ったリンパ球だけをクローニングして体外で
   増殖させてからがん患者の体内に戻すという、がん治療の観点から見れば
   夢のような話なのです。
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中年体育  角田光代・著   2016/10  五本指シューズ  

2021-04-05 05:56:52 | 図書メモ

( ↑ 田貫湖畔で久しぶりにY字アップ)

図書館の健康本コーナーにあって、何気なく手に取り、
パラパラしたら目に入ったのがp.103の「ビブラム・五本指シューズ」。
私は3年位前に、ラジオ体操メンバーが履いているのを見て、
具合が良さそうなので購入。今も重宝している靴です。

イタリアのソールメーカーVibram社が開発した<知る人ぞ知る>靴で、
あまりに異様な(=お洒落じゃない)形状に、殆どの女性は引きます。
私は「お洒落でなくても、体に良さそうなモノなら何でも試してみる主義」。
なので、抵抗感はないのですが、

「KOMAさん、ついに土方のアルバイト始めたの? 似合ってるねぇ~」
「まるでゴジラの子供みたいだな」などなど、散々な言われよう。
で、反論するために文献などを探しても、見つからず
「雰囲気だけなのかも?」と思っていたら、この本に詳細が載っていました。

p.100 ベアフット・ランニングの第一人者、吉野 剛 氏の紹介。
以下、「裸足ランニング」のホームページより
   一般社団法人日本ベアフット・ランニング協会理事長。通称「裸足王子」。
   日本における裸足RUNの第一人者であり裸足走法の研究者。

   サンディエゴ州立大学修士課程で裸足ランニングの研究を行い、現在アメリカで
   裸足RUNのブームの火付け役となった1人としても数えられる。
   この分野の研究を始めたのは、サンディエゴの大学院で、
   人がよろめいた時のバランス修正速度を測定したことがきっかけ。

   2007年12月には全米で有名な『Wall Street Journal』の表紙を飾る。
   近年は2012年3月に日本経済新聞の全面記事で大きく取り上げられるなど、
   テレビや雑誌、ラジオ、各メディアからも注目されている。

私はランニングとか、マラソンに興味があるわけではなく、
「外反母趾が治る?」という文字に惹かれて、この項だけ、一気に読みました。
何故なら、外反母趾で悩む友人をたくさん知っているからです。

で、吉野氏の手助けで、ひどい変形足の著者が、この靴が履けたこと(p.101)。
吉野氏自身も自分の外反母趾を治せたという記述がある(p.109)ので、
おぉ~、早速友人たちに教えなくちゃ!と思いました。


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