Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

今日のご通勤CD

2004年08月09日 | CD批評
渡辺香津美「Spice of Life」
初の告白(Confession)ではないか、と思うのでありますが、意外に好きなのが、ジェフ=バーリン(いつもこんなように弾ければなと)。ミッドの出た、いかにもバルトリーニPUという音(正確にはバルトリーニとなる前の"Hi-A")で、僕の音に理想に近い感じであります(実は僕の6弦はこの音を勝手にイメージしています)。僕の中にあるバルトリーニの音はこの音ですので、非常に印象が良いのであります(世間ではバルトリーニをあまり良いとは聞いた事がありませんね)。ソロ等の弾いている内容もかなり恥ずかしい部分のあるPOPさ、クラシックさでありますが、これもまた好み(笑)。演奏に常にブリブリぶりっこ(死語)な”フリル”がついているのをイメージしていただければと思います。彼のソロアルバムもなかなかの物(高校生の時、無謀にもコピーしてました)で、必聴。しかも絡んでいるギタリストがホールズワースだったり、スコヘンだったり(本作は勿論、渡辺香津美)でこのチョイスの好み。ちょっと外見がテキサス風(イメージ)、かつ頑固そう(これは雑誌のインタビューに依る)なのが気になりますが、好きなベーシストトップ5にランクインしています。演奏的にはビル=ブラッフォードの演奏の荒さ(特に気が抜けたJFKとか)が気になるものの、全体的な演奏と曲は渡辺香津美の作品の中では最高ではないだろうか、と思うのであります。中でも"City"のベースソロは勉強になります。再び脚光を浴びてきたポールリードスミス(PRS)を最初に見たのはこの作品で、楽器屋でPRSを見るたびにこのアルバムを思い出し、聴きたくなるのは不思議です。

ふとした質問コーナー(4)

2004年08月05日 | SideSteps
実はSM400を中古で購入、しかも7万円と激安(定価は2~30万円程度だったか?)だったこともあり、内部を改造している変なものを買ったのか、とも疑いましたが、当時の正規代理店であったオカダインターに確認すると、どうやらこれが本当の仕様のようなのです(読者でこの仕様の意図するところをご存知の方、メールをくだされば幸甚です→koichi_iwai@mail.goo.ne.jp)。加えて問題だったのは2)エフェクトセンドに接続した機器のリターン側について、ステレオリターンになっているにも関わらず、ラインアウトはモノになってしまう、という点であります。リターンはステレオで受けることができるのですが、ステレオで出力されるのはステレオ接続したスピーカーからのみであり、ラインアウトはモノなのであります。私個人のセッティングでは、ステージ上のモニターはモノですが、PAに送るラインはステレオであり、オーディエンスにはステレオで聴こえるようにしているので、これは甚く不都合でありました。よってこの2点を解決すべく、改造することにしたのですが、これを持ち込んだのはアンプ製作でも有名なアルビット。アイデアとして、1)Vol位置をパワーアンプ前に移動。2)リターンをパラってStereo-Outを作る。 この際、X-Over Out(クロスオーバーアウト)を使用していないので、これをツブしてL/Rアウトに充当する、というものでしたが、アルビットに持ち込んで相談すると容易に実現する模様。改造費用も2万円程度と、これまでの不満を一気に解決する点では安く感じられたので、お願いすることにした次第です。

ふとした質問コーナー(3)

2004年08月04日 | SideSteps
マニアックなMさんから、リアルタイムで質問を頂きました。どうもありがとうございます(笑)。
質問「アンプを改造していると聞きましたがどういう改造しているのですか?」
回答:僕が使用しているのはSWRのSM400というものです。SM400は数度マイナーチェンジをしており、バージョンがいくつかあるのですが、所有しているものはTransparent(いわゆるツイータ域のハイをコントロールする)ツマミが付いたものです。購入したのは94年だったと思いますから、もう10年も使っていることになります。ご質問の趣旨は「どのように改造しているか」でありますが、これは本来の問題点を改良したものであると認識しております。では、本来の問題点とは何か。1)アウトプット=ボリューム(音量:以下Vol)がエフェクト=センド前についていること、これが大問題であります。Volの位置がプリアンプ→Vol→エフェクトセンド→リターン→パワーアンプとなっているのであります。ここのVolがあると、その後ろのエフェクト部分がVolの干渉、影響を受けることは至極当然でありますが、例えばこのエフェクトセンドにコンプレッサーをつないだ場合、Volを上げるとコンプレッサーへの入力レベルが上がり、コンプレッションが深くかかるだけで音量は上がらないという状態になります。空間系エフェクタをつないだ場合、それへの入力レベルが上がることから空間系エフェクタ内で歪むという事態も発生することから、この状態であればVolの存在の意味がないということになるのです。「Volのないアンプ」というのも、何か形容矛盾的であり、哲学的でもあります(笑)が、実用には全く適さないのは、ご想像の通りであります。

東京タクシー伝(5)

2004年08月03日 | SideSteps
「好きはものの上手なれ」という言葉がありますが、タクシーにおいてもこれは成立します。この場合の「好き」とは勿論、運転であります。深夜にいつもの個人タクシー乗り場に向かおうとすると、郵船ビルの前に一台の個人タクシーが。これに乗ることに決めたのですが、車の形状が通常の高級セダンとはちょっと違うスポーツカータイプだったのが気になりました。乗って行き先を言うと、運転手さんは寡黙な職人タイプ。必殺仕事人かなにかに出てくるのをイメージしていただければ良いのですが、「高速でよろしいですか?」との問い。高速”道路”のことと思って「お願いします」というと、おもむろにグローブケースから革のドライビンググローブを出して装着です。グローブ装着のためピンと張る指をみると、なんとなく嫌な予感。高速とは道路のことではなく、”運転”のこと?と思うやいなや、信号が青に変わると急発進。当時は出始めだったECTも装備しており、「料金所でイチイチ止まるのも煩わしい」といった感じ(その後の傾向としてECTは領収書の問題や深夜の段階的料金設定等でタクシーではあまり使われていない模様)。首都高のカーブも全速で突入し、深夜とはいえ、遅い車を抜きまくります。スピード重視のせいか、車のサスはかたく、カーブではGをもろに体感しながら、通常45分程度のところを30分を切る時間で到着したのでありました。勿論、会話が交わされることは全くありませんでした。。。。

投機的エフェクタ(8)

2004年08月02日 | 機材マニアック
誰も持っていなかったスペクトラムに対して、スローギアは高校時代のバンド仲間C君が持っていたのでありました。これは一部で「早すぎたエフェクタ」と言われているように、バイオリン奏法(ピッキング時にはボリュームを絞ってその後上げることでアタックのないバイオリンのようなサウンドを得る奏法)をボリュームペダルなしで自動的に実現するエフェクタであります。自動ですので、つまり、どんな早い足技をもってしても追従し得ないパッセージでもバイオリン奏法可能というスグレものです。ただ、あまりに速く弾きすぎるとボリューム上昇せずに、最悪”無音”となる悲しいエフェクタでもあります。そのC君が所有していた当時でもビンテージとして滅多に見ることのないものでしたが、最近では逆にビンテージということで注目が集まっていることが幸いして、徐々にマーケットでは目にするようになりました。このモデリングがBOSS のマルチエフェクタで復活していることも注目されている証左であり、結果として「早すぎたエフェクタ」と言われているようであります。市場実勢はボロくても3~5万円は下らないという感じです。