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九州全線阿房列車(7)

2022年08月06日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(7)
上伊集院付近にて、ちょうど真後ろに座っていた中年男性の携帯電話から異音が発生。これまで聴いたことのない異音=アラームで車内は騒然、携帯から小音量で聞き取りにくいながらも「放射性物質が漏れ出していませんか? 屋内退避を…」とまったく尋常ならぬ自動音声(女性)。聴いた瞬間に完全に凍りつく。川内には京セラがある(鹿児島空港でのバス行き先に表示されていた)ようだが、当方によって川内といえば完全に「原発(原子力発電所)」。東日本大震災後に電力会社研究を相当やったが、震災後の新規制基準の審査で初の再稼働をした原発でありそのイメージが非常に強い。そこに向かう途上でこのアラーム。危機的にヤバいことを自動音声はサラリと言っているが、逆にその冷静さが一層の恐怖心を煽る。「お風呂の栓の閉め忘れはありませんか」程度の軽妙さで人類に危機的なヤバいことを言っていることに一層の終末感があるも、携帯所有者は「ちっ」という感じ。周囲も別に慌てるふうでもなく、内心極めて焦っているのは当方だけという状況の中、列車は何事もないように淡々と川内に向かって進む。こちとらこのアラームに悶々として景色堪能どころではない。後ろの男性が放射性物質を運搬して乗車しており、もっている放射線検知装置からアラームが出ている?等の妄想が膨らむが、そのリスクを熟知している運搬者たる男性が冷静なのも解せず、また列車内に放射性物質を持ち込むか?という管理上の疑問(国交省の定める運搬基準があってまず不可能)もあり悶々としたまま1119川内着。
【写真】突然携帯電話に入ってきた「緊急速報」、詳しくは次回を待て!