別府温泉 鉱泥温泉(大分県別府市)
鉱泥と書いて「こうでい」と読むが、文字通り泥の温泉。泥湯で別府といえば、前出の健康保養センターが有名なのだが、こちらはもっとシンプル。天然記念物「坊主地獄」の至近にあり、知る人でないと全く気がつかない入口から入れば簡素な建物があり、脱衣所の先には透明な湯(おそらくこれも掛け流しの温泉と思われる)、その奥には泥の浴槽があるという構造。入浴方法は通常は書面で掲示してもよいはずだが、こちらでは地元の人に指南してもらうことをベースにしており、掲示物は一切なく、入り方は口伝でとのお達し。ただ、その構造から手前の湯で体を流した後に泥湯に入るのであろうことは容易に想像され、その通りに実践。期待の泥湯は灰色で透明度ゼロで6人がMaxという規模の浴槽だが、色の割には意外とサラサラしており、入浴後にうっすらと泥色がつく程度。決して泥パックの状態になるわけではない。しかし、白いタオルに付くと洗濯してもなかなか落ちないので要注意。付近には時計があり、常連と思しき方の入浴行動をみていると5分程度入ったのちに体を乾かしてまた入るといった様子。泥は蓄熱に優れるというが、湯は入れないほど熱くはないものの、それでも5分間入っているのは結構なる苦行で、次第に入れる時間が短くなる。また、透明度ゼロの泥湯ながら浴槽底にはなぜか固定された角材があり、ほとんどの人がそれでつまずく。浴槽内での転倒はないが、つまづいた弾みで静かに入っている人にバシャ~とやってしまいそう+逆にやられそうなのでヒヤヒヤするというアトラクション付き。周囲をみれば、さらにその奥には掘っ立て小屋のような休憩施設があり、皆ここでクールダウン。当方は出たり入ったりトータル30分ほどで充分だが、出た後にはかなりの保温感。ちなみに地元の方曰く「泥は顔に塗ってはいけない」ようで、カラダを温めてそれが回り回って顔の新陳代謝を促すとのこと。美容は内面からといった具合。ちなみに最後には透明の温泉に入って泥は流してくるものの、浴後には何だか粉粉した肌の感触と強めな温泉臭が残る。