こうじ神父今週の説教

日曜日の福音メッセージをお届けします。

主の昇天(マタイ28:16-20)その栄光は天にそびえる

2020-05-23 | Weblog
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こうじ神父
「今週の説教」
2020/5/24(No.1064)
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主の昇天(マタイ28:16-20)
その栄光は天にそびえる
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【期間限定】YouTubeで説教を視聴できます。チャンネル登録歓迎します。
(古いものは視聴可。しばらく中断します。)
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55日ぶりに公開ミサが再開されました。「天にも昇る喜び」という言い方がありますが、今年の主の昇天は、それほどに喜ばしい日になりました。主イエスのご昇天の喜びを、自分のためだけでなく、ミサに参加できないすべての人、もはや参加が叶わない生ける人死せる人、たくさんの人々のため持ち帰りたいと思います。

これに加えて、脳梗塞で入院して危険な状態にある駐日教皇大使ジョセフ・チェノットゥ大司教の一日も早い回復と、新型コロナウィルスの患者の回復のためにも、ミサを献げたいと思います。

この日までの公式ミサ中止期間、個人的なミサを献げてきました。その間、中止期間でも構わないのでとミサをお願いに司祭館を訪ねてこられた方が4名(5名いたかなぁ)おられました。嬉しかったです。中止期間は新たなミサの意向がないので、4月の終わりには手元に保管してあるミサは全部献げ尽くしました。5月は個人から依頼された意向をほとんど持たないままミサを献げておりました。これから皆さんがミサを依頼してくださることを期待するばかりです。

当然公式のミサがありませんから、ミサの献金もありません。およそ7週間、ミサ献金はゼロです。何と言いますか、張り合いのないミサ、ただ義務を果たすだけのミサを献げる状態に陥る危険は大いにあったと思います。そこで、ミサの最も中心部に当たる「奉献文」を、ふだんは第二奉献文ばかり唱えていたので、この機会に第一奉献文から第四奉献文まで日によって変えて使いました。

また、私自身の人生の記憶のために、ラテン語のミサ、英語のミサ、韓国語のミサを試してみました。実は韓国語のミサはまだ棒読みで意味を追いながら献げることができません。それでも「キリストによってキリストと共にキリストのうちに」の部分は、ある程度心の通う祈りを献げることができました。

誰もいない中で、諸外国語でミサを献げながら、こんなことを思いました。天に昇られたイエスは、どんな言葉を使っておられるのだろうか。地上での公生活中は、ユダヤ人に語りかけるために、ユダヤの国の言葉を語ったでしょう。けれども天に昇られたあとは、ユダヤ人ばかりではありません。日本語や韓国語を話す人は割合としては少ないでしょうから、天に昇られたイエスが話す言葉は日本語や韓国語ではないかも知れない。

ミサは、この地上だけでなく、天でも献げられていると思うのです。できれば、天上でイエスが献げているミサ、イエスがささげている言葉でミサに連なりたい。そう思うのです。天の国で、偶然にも、私が献げることのできる国の言葉でミサが献げられているならいいのになぁ。そう思いながら、外国語でのミサを没頭して献げてみよう。そんな思いで一人のミサを献げておりました。

さて、今年「主の昇天」を黙想するに当たって、第二朗読「使徒パウロのエフェソの教会への手紙」を参考に黙想しました。朗読された中から1章20節と21節を取り上げてみたいと思います。「神は、(中略)キリストを死者の中から復活させ、天において御自分の右の座に着かせ、すべての支配、権威、勢力、主権の上に置き、今の世ばかりでなく、来たるべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれました。」

特に前半部分です。「神はキリストを復活させ、すべての支配、権威、勢力、主権の上に置いた」と仰います。これが「イエスは天に昇られた」ということを理解させてくれると考えたのです。「天に昇られた」という意味を、今年は一から考え直してみました。

私たちの日常から出発しましょう。特別に優れた人に「高い」という表現を使うことがあります。名前を知らない人はいないという意味で「高名な方」と言いますし、人徳に優れた人を「徳の高い方」と言います。「高い」という表現で、特別な存在であることを言い表すのです。

エフェソの教会への手紙の一節も、これをヒントに考えることができます。「神はキリストを復活させ、すべての支配、権威、勢力、主権の上に置いた」今やキリストはすべての支配、権威、勢力、主権の上にあります。パウロにとって復活したキリストは、すべての上に高く上げられた存在だというのです。

主の昇天は、復活したキリストが私たちと同じ状態ではなく、「高名な方」「徳高い方」のように高い方になられたということではないでしょうか。何も、はるか雲の上に昇った姿ばかりが「上げられた」「昇られた」ということではないわけです。

すると今度は、福音朗読の言葉もしっくりきます。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。」(28・18)これは、高く上げられたイエス、天に昇られたイエスをよく表しています。復活したキリストは天に昇り、いっさいの権能の上に高く立っておられるのです。

この復活したキリストが、弟子たちに「洗礼を授け」「教える」という使命を与えます。揺るぎない権能をイエスは今、帯びています。すべての人より、高くおられるのです。だれもが納得し、たたえる姿で私たちを派遣するのです。「なぜあなたは復活したキリストを告げるのか?なぜ洗礼を授け、イエスの命令を守るように教えるのか?」その問いに、「今やイエスは天に昇られたからだ。高くおられるからだ」と自信を持って答えることができます。

もし、高くいるだけでしたら、鼻持ちならないでしょう。「人を寄せ付けない方」なら、近くにいたらむしろ肩が凝って迷惑でしょう。復活した主は、そのような方ではありません。「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(28・20)のです。

宣教し、教えることに専念する人々を励ましてくださいます。子供に洗礼を授け、信仰の教えを守らせようとする両親のそばにいて力づけてくださいます。「高くおられる方」「天に昇られたイエス」は、かつてガリラヤで宣教しておられたときよりも、私たちのそばにいる心強い方となられたのです。

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‥次の説教は‥‥
聖霊降臨の主日(ヨハネ20:19-23 )
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ちょっとひとやすみ
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▼イエスの宣教生活の背景には、四十日四十夜の断食がある。実際には40日は象徴的な数字で、旧約聖書のエジプト脱出の後にイスラエルの民が砂漠を40年さまよった、この出来事になぞらえているのかも知れない。
▼私は日数は問題ではなく、「飢えと渇きを実際に覚えられた」そういう日数の断食を経験されたということに意味があると考えている。十字架を経て、復活にいたることもそうだが、物理的にそれだけの「飢え」「渇き」「苦しみ」が必要なのだろうかとどうしても考える。
▼エジプト脱出を力強く導いてくれた神の僕モーセは、約束の地を目の前にして眠りについた。40年の間には一世代か、二世代は、「約束の地」を踏むことなくこの世を去っただろう。5月10日に書いた説教原稿にも繋がるが、「飢え」「渇き」「苦しみ」が、そのあとに来る「喜び」を深く理解させるものでなければ、とても耐えられないと私は思う。
▼そこで考えたのが、「緊急事態宣言解除」との関連である。これ以上無いと言うくらい、すべての人が試練にさらされた。心も身体も、限界まで「飢え」「渇き」「苦しみ」を味わった。これが「緊急事態宣言解除のそのあと」の喜びを深く理解させるものだったのだと考えたい。
▼司祭叙階式で当時「大崎教会」の主任であった先輩が、司祭叙階を受ける助祭にこう言ったのを忘れることができない。「司祭叙階までの準備は、ミサを献げるという尊い務めのためのものでした。たとえミサを一度献げただけで、叙階された新司祭がこの世を旅立ったとしても、それまでの長い準備は報われるのです。それほど、これから取り扱うミサは尊い務めなのです。」
▼だれもが、何かの務めに召されている。その務めが楽しいうちは悩みもないし、務めの重みもないだろう。しかしその務めがどうしても果たせなくなったとき、たとえば一年とか二年とか、務めから離れなければならなくなって、それから復帰したとする。
▼すると召された務めがただ楽しいだけではなくなり、務めに尊さがが増すことになる。この緊急事態宣言期間を、すべての人が、召されている務めの尊さを深く噛みしめる時期となることを願ってやまない。当然私も、ミサの尊さを噛みしめて、これから献げていくつもりである。

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今週の1枚
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第671回目。聖母月。見事に「バラ」がマリア様を囲んでくれている。

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今週の「笑える」
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「肉でも魚でもサルサミコスで決まり!」「・・・『バルサミコ酢』だよね」
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文庫本説教集「取って食べなさい」に問い合わせくださり
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† 神に感謝 †
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