こうじ神父今週の説教

日曜日の福音メッセージをお届けします。

復活節第6主日(ヨハネ14:15-21)あなたがたをみなしごにはしておかない

2020-05-16 | Weblog
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(参考)実際の声を確かめながら読みたい方はこちらをクリック
↓↓説教者の意図が、より自然に伝わます。↓↓
http://ss104313.stars.ne.jp/voice/200517.mp3
(音声ファイルは、MP3形式です。再生ソフトをを用意してください。)
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こうじ神父
「今週の説教」
2020/5/17(No.1063)
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復活節第6主日(ヨハネ14:15-21)
あなたがたをみなしごにはしておかない
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【期間限定】YouTubeで説教を視聴できます。
https://youtu.be/Z0wO2HKkRPg

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復活節第6主日、予定では来週「主の昇天」から田平教会聖堂でのミサが再開されます。新しい生活の工夫をしながら日常生活を取り戻し、その中に宗教活動であるミサの再開も含まれます。中田神父からは、これまでミサを中止していた期間の意味づけをもう一度示して、ミサの再開までに見えない心の部分での準備を整える手助けをしたいと思います。

心の準備をするために、与えられた福音朗読の中ですぐに目に留まるのは、14章18節「わたしは、あなたがたをみなしごにはしておかない。あなたがたのところに戻って来る。」この箇所をよく理解することが鍵になるでしょう。この箇所が納得できれば、私たちが自宅で辛抱してミサ再開を待ち、自宅で何とかして日曜日の恵みを探し続け、不安の中で過ごしたことに意味を見いだせるはずです。

単純なたとえから入りたいと思います。土を掘り起こしたとしましょう。配水管を埋めるとか、建物の基礎を地面に置くためとか、何かしらの理由で土を掘り起こしました。すると見た目にはそれまであった土はなくなって、大きな空洞が生じます。しかしながら当然、掘り起こした土はどこかに存在するわけです。消えて無くなったりはしません。

掘り起こされた土は、必要な所で、また新しい目的のために用いられます。場合によっては保管されて、必要になったときに使われます。なかには悪意のある人が掘り起こした土は、不法に捨てられ、放置されるかも知れません。いずれにせよ、掘り起こされた土は掘ったその場所からはなくなっても、どこかにあるのがふつうです。

さて、このたとえを私たちが中止していたミサに当てはめてみましょう。田平教会の聖堂に集まって、それぞれの意向で与り、ミサの中で献金をお献げして、恵みも頂いて帰りました。ミサの中での恵みはすべて、司祭の手を通して、司祭を道具として、イエス・キリストが配ってくださった恵みです。3月29日の公式ミサ以降、およそ50日間、教会の典礼にたとえればご復活後40日のご昇天のその先、50日目の聖霊降臨くらいの期間、ミサの恵みを奪われてしまいました。

田平教会の神の民は、ミサが取り上げられ、「みなしご」になったのでしょうか?決してそうではありません。取り去られた恵みは消えてしまうのではなく、どこかですでに配られている。少なくとも恵みの出番を待ってどこかに保管され、出番が来たらいつでも配られる。きっとそうに違いないと私は考えています。

ではどこに、取り去られた恵み、奪われた期間の恵みは運ばれているのでしょうか。教区内すべての教会聖堂で配られていたはずの日曜日ごとの恵みは、地面から掘り起こされた土のように、どこかで活用されたのでしょうか。

明らかに、ここに運ばれたという場所を一つ紹介します。それは大司教館です。大司教館には髙見大司教様、中村補佐司教様、秘書の神父様、他にも引退の神父様方がおられますが、すでにご存知の通り、大司教館で聖木曜日から今週復活節第6主日まで、大司教様か補佐司教様の司式でミサの中継が行われてきました。司教様方が勇気を出して、利用できる手段を躊躇せず使ってくださったことで、一つのミサで最大2900回も、司教様のミサに参加したのです。

これは内緒の話ですが、司教様司式のミサが浦上教会で行われても、2千人を超える信徒・修道者・司祭が集まることはまずありません。直接のミサで、恵みははるかに多いはずですが、浦上教会を満杯にするなど、聞いたことがありません(あくまでも小声で話しています。大司教様の耳に入ったらえらいことです)。

その点を踏まえると、最大2900回、ミサの動画が利用されたというのは驚くべきことでしょう。大司教様が司式する堅信式のミサや、教区主催の各地のミサは完全に奪われてしまいましたが、その恵みは消えて無くなったのではなく、大司教館の、参列者が誰もいない小さなチャペルで、より多くの人を惹きつけていたのです。

長崎教区だけではありません。大阪教区、東京教区も同じような取り組みをしました。調べてはおりませんが、ほかにも世界中多くの国で、いろんな特色あるライブ中継ミサが行われたことでしょう。現代でなければ、このような取り組みは不可能でしたし、司教様方やお付きの方々、教区本部事務局の方々の尽力があって実現しました。教区内のすべての小教区聖堂で受ける恵みは奪われていましたが、その恵みがそっくり大司教館に運ばれて、教区全体のために配られていたのです。

今週の朗読でイエスは「わたしは、あなたがたをみなしごにはしておかない。あなたがたのところに戻って来る。」と弟子たちに約束なさいました。もしかしたら、大司教様、補佐司教様が決断しなかったら、長崎教区民は「みなしご」の状態になっていたかも知れません。けれどもイエスはそのような状態を決してお許しにならず、いろんな人を動かして、「復活していつも共にいるイエス」を示してくださったのです。

長崎教区、日本の教会だけではありません。「全世界の教会で、恵みは奪われてしまったように見えたかも知れないけれど、決して無駄に終わったのではないよ」と、証明してくださったのです。説教の中では一つだけしか例を挙げることができませんでしたが、ほかにも「イエスが私たちをみなしごにはしない」その証を見ることができます。

教会学校でも、実際の教会学校であれば一度参加した内容を繰り返してもらうことは不可能でした。けれどもこの機会に、「オンライン教会学校」を開いたカテキスタたちもいるでしょう。動画が保存、あるいはダウンロードされれば、繰り返し学び直すことも可能です。今までは不可能だった恵みの分配のしかたが、「みなしご」になったように思えたこの期間に実現したのです。

復活して、いつも共にいてくださるイエスの計り知れない力と恵みを、あらためて知ったミサ中止の期間でした。運び去られたかのように思われたもの、恵みも社会生活のさまざまなものも、三位一体の神の深い計らいによって、必ず巡り会うのです。イエスは決して、私たちを「みなしご」にはしないのです。

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‥次の説教は‥‥
主の昇天(マタイ28:16-20)
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ちょっとひとやすみ
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▼ご存知の方もおられると思うが、期間限定ではあるが「説教動画」を公開している。時間を与えられているから、何かの形で恩返しをしたいと思ったのが理由だ。映像で説教している中田神父を見ると興味を失ってしまう人もいるかも知れないが。
▼三脚をセットし、カメラを据えて、カメラの背景に拡大コピーした説教原稿を置く。それに目を通しながら撮影しているので、当然カメラから視線が外れていることが多い。どんなふうに映っているのか、メガネが乱反射しているのではないか、気になることを挙げればキリが無いが、恵みを受け取るチャンスを広げる糸口になれば幸いである。
▼この前、墓参に来た方々からの電話を受け取った。電話は墓の目の前からかけていたのだが、私はそれが誰か、途中で気がつくことになる。毎年5月の命日に墓参に来ている二つの会社の代表だった。
▼「お墓参りをさせていただきたいのですが。」「現在ごらんの通り規制をかけておりますが。」「自分たちで手を合わせて帰るだけで構いませんので、よろしくお願い致します。また例年通り、御ミサの奉納金をお預けしたいのですが。」
▼ここでようやく誰が来ているのかを理解した。私が赴任してから毎年5月の命日に墓参に来て、ミサを依頼していく亡くなった社員の親会社の人たちだった。墓参に来た時は欠かさず「墓前の祈り」を唱えてあげているグループだった。
▼ここで一気に事態を飲み込んだ。「急いで準備して、『墓前の祈り』を唱えに伺います。路上駐車を避けて、安全な場所に車を駐めてからおいでください。」それからしばらく墓前の祈りを唱え、今年も命日に関係者の方々と会えたことを喜び、ミサの依頼を無事に受け取って別れた。
▼ちなみにこの日は午前中釣りに出かけていた。ミサ奉納金がまったく当てにできないこの時期、司祭館に戻っていたのは神様の深い計らいに違いない。

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今週の1枚
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第670回目。近いうちに今村教会を電車と徒歩で訪ねよう(巡礼)と思っている。

ホームページもご覧ください。
http://ss104313.stars.ne.jp/
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今週の「笑える」
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「台所のゴタク、きれいになったでしょ。」それ、「五徳(ゴトク)」じゃ?
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【文庫本の問い合わせについて】
文庫本説教集「取って食べなさい」に問い合わせくださり
ありがとうございます。C年の文庫本がまた見つかり、
3冊セットの提供が可能になりました。ABC年セットで
2000円です。ご希望の方は住所と名前を添えて連絡ください。
† 神に感謝 †
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