長崎邸 岡本公園民家園

旧小坂邸からの急な下り坂を六郷用水まで下り、用水を上流にさかのぼれば、やがて岡本公園へと至る。ここには、瀬田村から移築された長崎家住宅がある。


長崎家は瀬田村の名主の分家だそうだ。移築といっても、せいぜい数キロの範囲に移動した訳で、家の周りの環境などもそれほど変わっていないのではないかと、推測する。


この家の上段の間は、なかなか格が高い。公園の敷地内から切ってきたらしい花なのだが、不思議なくらいに家や建具に馴染んだ印象を受ける。


障子の間から、今が旬のアジサイがみえる。梅雨時の、ねっとりとした曇り空越しの日の光が、いかにもふさわしく感じられる。




この住宅を支えるボランティアの方々が、毎日のように囲炉裏に火を入れる。そのお陰で、家が生きている。
庭先には畑まで作られ、それなりの収穫がありそうだ。
このところ、何軒か世田谷の古民家を巡ってみたが、いずれも生き生きと再利用されているところが本当に素晴らしいと感じた。