ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Condensed 21st Century Guide To King Crimson 1969-2003 / King Crimson

2016年09月20日 | プログレッシヴ・ロック

The Condensed 21st Century Guide To King Crimson 1969-2003 / King Crimson (2006)

今まであまり芳しくない結果に終わりながら、またもやプログレにチャレンジ(←しつこい)。今度は大御所キング・クリムゾン(King Crimson)。鬼才ロバート・フリップ(Robert Fripp)率いるクリムゾンだが、メンバーの変遷や、音楽性の変遷も、ほとんど知識は無く…。フリップ自身の活動は、デビッド・ボウイ(David Bowie)やブライアン・イーノ(Brian Eno)との共演で聴いてはいる。誰もが知る代表作「In the Court of the Crimson King(クリムゾン・キングの宮殿)」は高校生ぐらいの時に、どこで借りたのだか、カセットテープに吹き込んだもの(死語)を持っていた。もちろん当時もプログレなるものはよく知らず、ロックの名盤という括りで聴いたに過ぎず、1曲目を除いて強い印象は持っていない。このベスト盤でも、そのアルバムの1曲目「21st Century Schizoid Man(21世紀の精神異常者)※」で始まる。

※現在は過剰な自主規制の為か、過去に普通に使用されていた言葉や題名まで規制がかかり、「21世紀のスキッツォイド・マン 」という変な邦題になっている

熱狂的なファンに支えられているバンドなので、永年に渡ってファンの心を掴んで離さない”何か”があるのだろうけど、自分は正直それが何か、まだ全然分からない。ま、たぶんファンからしたらこのガイド盤から聴くなよ、っていう話なんだろうけど。彼ら(もしくはフリップ自身)の独特の世界観は、決してコマーシャルなものではないので、なかなか取っつき難いが、70年代の曲はむしろロック・バンドとしてではなく、ジャズ・ロックのバンドとして捉えた方がしっくりくるのかもしれない。

今回このガイド盤を聴いてみて、80年代からのエイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)を起用してからの音楽性(まるっきりニューウェーヴ!)にはびっくりした。この辺りに当時少しでもかすっていたら大ファンになっていたかもしれない。自分が好きだったボウイ、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)、ブライアン・イーノ、ポリス(The Police ※アンディ・サマーズのギター)辺りと寸分違わぬ雰囲気。エイドリアン・ブリュー(なぜかフルネームで呼んでしまう)のヴォーカルはヘッズのデイヴィッド・バーン(David Byrne)そっくりだし、フリーキーなギターはボウイの「Scary Monsters」(80年)収録の「It's No Game」や「Scary Monsers (And Super Creeps)」でフリップ御大が見せた演奏と直結。いいなァ、この感じ。まるっきり同じ土俵の上だ。クリムゾンがこんなだったとは(ひょっとしてこの時期はクリムゾン・ファンに不評だったりして…)。

この2枚組を聴いて、少なくとも1973年の「Larks' Tongues in Aspic」、それに1981年の「Discipline」は買おうと思ったので、ガイド盤としての役割は充分に果たしている。

中古店にて購入(¥380)

  • CD (2006/11/22)
  • Disc : 2
  • Format: Original recording remastered
  • Label : WHDエンタテインメント
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柴田飴本舗 @岐阜県岐阜市

2016年09月19日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

何かの本で見かけてから、ずっと買ってみたいなと思い、何度も店(兼工場)に足を運んだが、いつも閉まっていて、店先に「御用の方は工場まで」と書いてあるわりにはどこから声を掛けていいか分からず、引き返して目的を果たせていなかった、創業昭和6年(1931)という「柴田飴本舗」。元々は「柴田製菓所」という名前だったんだとか。現在3代目。HPもあるのだが、これがまた読みづらい(笑)。ある日に近くの食堂へ足を運んだ際、店先を覗いてみたら(初めて)開いていた! 上に架かったブリキ看板は文字が判読出来ず、知らなければ飴屋とは分からない建物のガラス木戸をガラガラと開けて中へ入るが、シーンと静まり返っている。いわゆる店舗部分はごくごく小さく、小スペースに商品が並べてあるだけ。その他は全部工場といった感じで箱が山積み。納品中心でここまでわざわざ買いに来る人は少ないのだろう。思い切って声を掛けてみると、奥から女性の返事が返ってきた。

「見せてもらっていいですか?」と声を掛けると、「どうぞどうぞ」との事。並んでいる飴を吟味する。こちらの飴はいまだに全て手作りされているとのこと。もちろん添加物は無し。選んだのは、先代が「戦争当時、出兵する際に体があたたまりのどにもいいものをと考えてつくった飴を、当時のレシピをもとに現代の材料で再現した商品」だという「大根生姜飴」。

持ち帰って大きめの玉を口に入れてみた。これがガツンとくる結構ハードな辛さの生姜の風味。辛い生姜と大根おろしを固めて口に放り込んだ感じ。少し経って辛さと風味に慣れてくると、だんだん甘さがやってくる。大人の味。というか子供には無理だろう(笑)。包みを見ると材料は「大根」「生姜」「肉桂」「麦芽糖」「黒糖」とのこと。手作りらしいダイレクトで体に良さそうな味。能書き通り喉にも良さそうだ。昔ニガ手だった肉桂(ニッキ)が入っているので、自分はしょっちゅう口に入れようとは思わなかったが、嫁は気に入ったようで、着実に数を減らしているようだ。(勘定は¥250)

 

 


 

↓ 店に寄る前に訪れたのは(旧・安八郡)墨俣町(すのまたちょう)にある「旧・さくら湯」 (昭和28年・1953・建造)。残念ながらとっくに廃業しているが、タイル壁がなかなかの存在感。

 

↓ 中央にめでたいモザイクタイル画。ちょうどこの裏は番台になっているのだろう。更衣場所は格天井だそうだ。見てみたいナ。危険防止のため、煙突は撤去されたのだとか。

 

↓ 美濃路の宿場町として栄えた墨俣宿の「墨俣宿脇本陣跡」(明治24年以降に再建)。この界隈、かつて戦前は花街、そして戦後は「夜城園」と呼ばれた赤線地帯だった。

↓ 墨俣町と岐阜市を結ぶ「長良大橋」(昭和8年・1933・建造)。当初は鉄道との併用橋で、のちに自動車専用の橋に。

 

 


 

柴田飴本舗 

岐阜県岐阜市大宝町3-4

 

( 岐阜 ぎふ 墨俣 すのまた 柴田飴 しばたあめ しばたあめほんぽ 手作り飴 近代建築 夜城園 銭湯 赤線 色街 花街 妓楼 ごう天井 トラス橋 近代土木遺産 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大脇 @愛知県一宮市 (※閉店)

2016年09月18日 | 愛知県(尾張)

以前からずっと行きたいと思っていた一宮駅の南にある中華そばの店「大脇」。バイクを近くの高架下に停めて、歩いて店へ。駅近くではあるがのんびりとした住宅街で、すぐ隣にはもう店を閉めてしまっているが大衆食堂(上州屋)もあったようだ。赤い暖簾をくぐって中へ。年季の入った店内は、右側がガラス木戸で仕切られた厨房、左側の壁に沿って土間のテーブル席がある。テーブルは一応4人掛けだが、間口が狭いので大人4人は無理だろう。この日は先客が2組。さっそく多くない品数の御献立表から「やきそば」の並と「雲呑(ワンタン)」を注文した。厨房には老齢のご夫婦。鋳物コンロの上には中華鍋がのっている。のんびりと店の風情を味わいつつ待つ。木製のおかもちが置いてあるのが目に入る。調理中にも出前らしき電話が入っていた。

しばらくしてほぼ同時に両品が置かれた。「雲呑」は派手な配色の店名入り丼ぶりに入っている。さっそくスープから味わう。とても優しい味。細かく刻んだ葱が散らしてあって、他にチャーシューと細メンマ。そしてワンタンはぎっしり。透き通った皮から少な目の餡が透けて見える。つるんとした舌触りのワンタンは、想像通りゆるゆるで、旨い。そしてやきそば。こちらのやきそばはいわゆる「ソース後がけ焼きそば」。あまり数は多くないかもしれないが、各地方にこういった焼きそばを出す店が点在している。詳しくは調べていないが、この近辺にもそういった焼きそばを出す店がまだあるようだ。さてこちらのやきそばは、平打ちの麺で、揚がってバリバリになっている部分も見える。麺の上にはたっぷりめのキャベツと肉、一番上には青のりと紅生姜というスタンダードな具だが、ソースがかかっていないので白い。とりあえず何もかけずに食べてみたが、塩や胡椒の味も全くついていないようだ。大きめの瓶に入ったウスターソースを回しかけ食べ進む。なんだか不思議な感じだが、炒めが無い分、ダイレクトにソースの味なのでソースの選択が重要だナ(どこのソースかは不明)。あまり食べる機会は無いが、なかなか旨いものだった。

食べ終わり、ごちそうさま、と主人に勘定を渡す。渡した千円札を透かして見るお茶目な主人(笑)。「これちゃんと使える?」なんてボケをかますもんだから、「うーん、怪しいから銀行でしっかり調べてもらって」と言っておいた。(勘定は¥900)

この後の記事はこちらこちら

 


 

 ↓ 「丸八株式會社」(建築詳細不明)。表は近代建築らしさいっぱいの洋風な意匠だが、屋根はしっかりと瓦葺き。

 

↓ 「木曽川資料館」に行く途中で見つけた名鉄名古屋本線のすぐ東側に建つ下見板貼りの洋風木造住宅(一般住宅・建築詳細不明)。薄っすらと壁面のパステルカラー塗装が残っている。

 

↓ 最近はバイパスを通らず、その脇にある旧街道沿いを走るクセがついてしまった。木曽川町の旧道交差点にある商店。下左は現役の時計店。下右はスクラッチタイル壁と、庇のデザインがいい。

 

 


 

中華そば処 大脇

愛知県一宮市新生2-12-5

 

( 一宮 いちのみや おおわき 大脇 中華そば やきそば 焼きそば 焼そば ソースあとがけ焼そば ワンタン 雲呑 炒飯 チャーハン 近代建築 閉店 廃業 )

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロムビア @岐阜県岐阜市 (3) (※閉店)

2016年09月17日 | 岐阜県(岐阜)

9月いっぱいを以って閉店を知らせている岐阜市北一色の喫茶レストラン「コロムビア」。こちらも今までは通っていなかったくせに、最近になって通っている。この日は最初から好物の「オムライス」に決め打ち。日曜日の昼どきだったが、客はいっぱいで、駐車場は満車。その割にはすんなり停められてラッキー。店に入ると圧倒的に2人以上のグループで来ている客が多い。もちろんみんな食事中。給仕は3人もフロアに出ていて大忙し。ちょっと硬いソファに腰かけるなり「オムライス」を注文し、ランチ時に選べる赤だしかサラダは赤だしをお願いした。今まで気付かなかったが店内にはクラシック音楽が流れている。他の客に運ばれる旨そうな品々を横目に見ながら結構長い時間待っていると「オムライス」がやっと登場。

少し深めの平皿に入れられたオムライスにはケチャップがかけられている。福神漬の赤とパセリの緑が黄色い玉子のアクセントに。玉子は薄焼きだが、しっかりと底まで包まれていて、きれいな紡錘形。スプーンを入れると中からはマッシュルームとグリーンピースが沢山入ったケチャップライスが出てきた。しっとりとした出来の中身で、玉子一緒に口に入れると幸せがやってくる(好物なんです)。肉片は見当たらなかったが、旨いオムライスだ。合わせ味噌で濃いめに作られた味噌汁が合うんだ、これがまた。(勘定は¥720)

別の日には、以前メニュー落ちしていて、近年復活したという「カツ丼」を注文。蓋付きの丼ぶりで運ばれたカツ丼は、スタンダードなカツ煮・玉子とじタイプ。味噌汁と漬物が付いている。丼ぶりの一面に隙間無く敷かれたカツは、かなり盛りがよく、つゆもたっぷり多め。そのつゆは濃い目の色で、少し甘め。ひょっとして八丁味噌が入っているのかなというような味わい。少し普通のカツ丼と違っていて面白い。一度メニューから無くなって、また復活したいきさつは知らないが、常連客のリクエストでもあったのだろうか。さもありなんというヴォリュームと味。旨かった。(勘定は¥850)

以前の記事はこちら (1)(2

この後の記事はこちら (4

※9月末を以って閉店されました

 

コーヒー&レストラン コロムビア 

岐阜県岐阜市北一色7-25-17

 

( 岐阜 岐阜市 ぎふ きたいっしき コロンビア 喫茶 コロムビアランチ 生姜焼き定食 唐揚げ定食 カツ丼 サービスランチ ナポリタン 鉄板スパ 鉄板スパゲティー 閉店 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一触即発 / 四人囃子

2016年09月16日 | ロック(日本)

一触即発 / 四人囃子 (1974)

いわゆるロックの名盤というものに少しでも興味がある人なら、一度は名前を聞いた事があるだろう日本のバンド「四人囃子」。自分も随分と昔からその名前は聞いたことがあったけれど、実際に彼らの音楽に触れたことは無く、サンプルでさえ聴いた事が無かったので、どんなタイプの音楽を演っているかも知らなかった。それが何かの機会にチラッと聴いてから気になってしょうがなかったので、これは”買い”のサイン(自己基準)だとばかりに購入。もちろん購入したのは名盤の誉れ高い実質ファーストの「一触即発」(彼らにはこのアルバムの前にサウンドトラックで1枚作品がある)。こちらは1975年に発売されたシングル「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」とB面の「ブエンディア 」(写真下)の2曲がボーナス・トラックとして8cmCDに追加され1988年に発売された2枚組。とてもシュールで独特なジャケット・アート・ワークを見ても中身は全く想像が出来ない。

びっくりした。物凄く高い演奏力。モップスなどの例はあるが、日本のロックはまだ黎明期と言っていい70年代の初めに、こんなに豊潤なプログレッシヴ・ロック・アルバムが存在していたとは。素直に驚き。誰だったか忘れたが、日本のロックの大御所がインタビューで「当時は映像が全く無かったので、クリーム(Cream)のアルバムなどで多用されていたチョーキングさえ、どうやって音を出しているのか知らなかった」と発言していたのを覚えている。そんな時期から僅か数年で、曲も、音も、質感も、世界的に見ても何ら劣ることのない音楽が作られていたとは…恐るべし。今と比べて圧倒的に情報が少ないあの時代の日本のアーティストの探求心と、テクニックの飛躍的な向上は奇跡的としか言い様がない。実際、海外にはこの頃の日本のロックのファンだというマニアックな連中も居ると聞く。緩急織り交ぜて、日本人離れした演奏と、ドラマチックな展開が繰り広げられ、またそこに日本語の歌詞を違和感なくのせているのも素晴らしい。プログレの大御所のアルバムと肩を並べても恥ずかしくない出来だ(ちょっと言い過ぎ?…)。

中古店にて購入(¥1,013)

  • CD (1988)
  • Disc : 2
  • Label : ポニーキャニオン
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひゃくにんごはん @愛知県犬山市

2016年09月15日 | 愛知県(尾張)

食事をする時にいつも店に困る犬山方面。もちろんチェーン店は沢山あるのだが…。この日訪れたのは駅周辺の市街から少し離れた郊外のバイパス沿いの場所にポツンとある「ひゃくにんごはん」。変わった名前の店だが、モーニングやランチで人気がある店だという。11時過ぎ頃に到着し、広い駐車場に車を停め、中に入ると、いわゆる喫茶店のような造り。それでも大きめのテーブルも多い。喫茶目当ての客が5割程の入り。場所を考えるとなかなかの入りだ。ソファに腰をかけメニューを眺め、こちらで人気がありそうな「Cランチ(ハンバーグ&タレからあげ定食)」を注文すると、「ランチは11時30分からとなりますが、お待ちになりますか?」とのこと。あとほんの15分程だが、その辺りきっちりしておかないと、モーニング目当ての客とランチ目当ての客が交錯して大変なんだろう。ま、店の中に座って待ってよいとのことだったので、そのまま居座り続け、待たせてもらう。その間にメニューを詳しく眺めていると、一日中モーニング・サービスがあり、ヴォリュームのあるサンドイッチや、トーストやサラダが付くとのこと。昼過ぎだとデザートも選べるようで、昼近くになってもそれ目当てだろう客が次々と訪れていた。

11時30分にきっちり調理が始まったようで、やっと料理が届いた。平皿にのった唐揚げは2個。にんにく醤油を使った濃いめの味付けのタレが絡めてある。九州産の醤油を使っているんだとか。なので甘辛。衣はサクッとしていて食感もいい。そしてハンバーグ。和風タレを選んだが、こちらも少し甘めの味付けで、ご飯にピッタリ。旨い。軟骨入りだそうで独特の風味がある。つけ合わせは千切りキャベツにポテサラ、これに漬物、味噌汁、茶碗に多めのご飯が付く。ヴォリュームたっぷりで、人気があるのも頷けるランチだった。食べ切れない人には持ち帰り用の入れ物も用意していて、気が利いている。サービス精神も大盛り。他にもメニューには、きつねうどんや焼きそば、もつ鍋まであるという。次はステーキ丼を食べてみようかな。(勘定は¥1,118)

 


 

↓ 犬山方面から可児市方面に向かう木曽川沿いにある「迎賓館サクラヒルズ川上別荘・迎賓館 (旧・後藤恕作邸)」(大正13年・1924・建造・鵜沼から移築)。玄関先にある象の置物も移築前からあったものだとか。敷地内には登録有形文化財の「旧・川上貞奴別荘(萬松園)」もあるが、結婚式場として使用されていて、一般の立ち入りは出来ない(たぶん)。

 


 

ひゃくにんごはん

愛知県犬山市塔野地東前田26-1

 

( 犬山 いぬやま 喫茶 喫茶店 コーヒー 洋食 ランチ モーニング モーニングサービス 近代建築 川上貞奴 川上別荘 貞照寺 二葉御殿 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とらや本店 @岐阜県岐阜市

2016年09月14日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

「虎屋(とらや)」という屋号の和菓子屋は全国各地に数多あり、最も歴史ある屋号のひとつ。元を辿るとどちらの始祖も京都の店に集約されるのかどうかは知らないが、何しろ歴史のある店が多い。この岐阜市の「虎屋本店」も創業は嘉永元年(1846)だとか(ちなみに京都のとらやの創業は室町時代後期まで遡る)。岐阜市内にも加納に分店があったり、同名の店が柳ヶ瀬や長良にもあるが関係は不明。建物は大きなビルになっているが、道路に面した店舗1階のしつらえは古く風格もある。店に入ると誰も見当たらなかったが、声を掛けると奥から年輩の女性(女将だろうか)が出ていらっしゃった。ガラスショーケースに菓子が並んでいるが、その上にも値打ちな菓子が並んでおり「わらび餅」がパックに入っていたのでそれと、「献上腰高饅頭」という菊花紋章の絵柄の付いた饅頭、それに「和らぎ」という最中を選んで購入した。

家に帰ってお茶を淹れ、嫁と味見。わらび餅は餡の入っていないシンプルなもの。きな粉がたっぷりとかかっていて、ぷるぷるとした弾力はまだ失われていない。蜜などは付いておらず、きな粉にまぶされた砂糖の甘さでいただく。形は不揃いで食感がいい。「和らぎ」は円型の典型的な最中。中はつぶ餡でしっかりとした甘さ。「腰高饅頭」は、皮に意外な硬さがある。その皮もしっかりと甘く、むしろ落雁を柔らかくしたような不思議な食感と味だった。包み(写真下)を見ると明治天皇の大婚の際に献上されたようだ。「腰高」はこんもりと盛り上がった饅頭の形から来ているのだと思うが、その食感にちょっと意表を突かれて、しっかり味わう前に食べてしまったので(笑)、もう一度買ってみないと。(勘定は¥700程)

この後の記事はこちらこちら

 


 

↑ 店舗裏手の旧街道沿いで見つけた古そうな建物(建築詳細不明)。きれいに補修・塗装がされているが、どことなく古い建物が持つ柔らかい味を残している。

 


 

御菓子処 虎屋本店 (とらや本店)

岐阜県岐阜市金園町4-23

 

( 岐阜 ぎふ 虎屋 とらや 虎や とらやほんてん 羊羹 和菓子 明治天皇 献上 御菓子処 最中 もなか 蕨餅 わらびもち カステラ 老舗 近代建築 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地雷也本店 @名古屋市東区・徳川

2016年09月13日 | 名古屋(東区・北区)

バイクで代官町から徳川園方面に向かっていた時、小腹が空いていたが、ちょうどいいところに「地雷也本店」があった。ご存じ「天むす」の有名店。名古屋地区はもちろん、東京やその他の地区でもデパートやサービスエリアに出店する大規模な店だ。そういった場所で見たり買ったりしたことはあるが、この本店に来るのは初めて。もっと古い店だと思っていたら、創業は昭和62年(1987年)というからまだ新しいんだね(と言っても天むすの知名度が上がったのはまだ80年代初め頃の話)。店舗の脇にバイクを停め、立派な建物の中へ。こちらがセントラルキッチンにもなっているようで、配送すると思しきトラックが頻繁に出入りしていた。

店の中で食べる事が出来るのかなと思っていたが、持ち帰りのみ。なので店の中もこじんまりとしたスペース。5個入りを注文し、しばらく待って受け取った。温かくはないので、本店であってもその場で作る訳ではないようだ。帰ってから包みを開ける。外は竹皮に包まれていて、その中から電子レンジで温め直す事が出来る「エアーミック」とやらの特殊包装紙に包まれた天むすを取り出す。小海老の天ぷらはやや大きめ。海苔がたすき掛けされている。ひと口で放り込むと、冷めてからでも美味しく頂けるようにか、やや強めの味付け。これはこれで旨い。きゃらぶきを挟みながらポンポンとあっという間に胃の腑の底へ。どこの天むすを食べても思うが、天むすに付いたきゃらぶきの相性の良さには感心する。天むすの時にこれ以外の漬物は考えられない。(勘定は¥680)

 


 

↓ 何度も足を運んでいる「徳川園」で休憩。「黒門」(写真下左:明治32年・1899・建造)と「脇長屋」(写真下右:明治33年頃・1900・建造のち改修)。どちらも登録有形文化財。

 

↓ 園内にある「蓬左文庫旧書庫」(明治33年・1900・建造・昭和10年改築)。尾張徳川家の蔵書を保管する。「蓬左(ほうさ)」とは江戸時代に使われた名古屋の別称だそうだ。こちらも近年、登録有形文化財に指定された。

 


 

地雷也本店

愛知県名古屋市東区徳川1-739

 

 ( 徳川 とくがわ 徳川園 じらいや 地雷也 じらいやほんてん 天むす 天むすび 千寿 名古屋名物 名古屋めし 近代建築 国登録有形文化財 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Destroyer / Kiss

2016年09月12日 | ハードロック・へヴィーメタル

Destroyer / Kiss (1976)

Kiss(キッス)の最高傑作と評されることもある通算4枚目のアルバム「Destroyer(邦題:地獄の軍団)」。最近「Destroyer-Resurrected」と題したリミックス盤が出て話題になった(未聴だが、別物との噂も)。プロデューサーにボブ・エズリン(Bob Ezrin)を迎えて、SEを使ったり、オーケストラを使ったりと新機軸に挑んでいる。ボブ・エズリンの関与した作品と言えば、自分はアリス・クーパー(Alice Cooper)の「Killer」(1971)や、ルー・リード(Lou Reed)の「Berlin」(1973)といった傑作アルバムで聴いている。そちらを知っているので、アルバム冒頭のギミックでも驚きはなかった。

アルバム収録曲の中でも1「Detroit Rock City 」、3「God Of Thunder」、7「Shout It Out Loud」、9「Do You Love Me」などは、ほぼ毎回演奏される定番曲となっていることからも、このアルバムの充実度が分かる。ただセカンド・シングルが、5「Flaming Youth」だったのは知らなかったので驚いた。何でこの曲が?(明るくて分かり易い曲だけれど…)。シンプルでストレートなロックンロールから脱皮しようとしたアルバム製作は、ボブ・エズリンの厳しさもあって色々な衝突を生んだらしいが、現在ではメンバーも”通らなければならなかった道だった”と認めているようだ。こうして遡って聴いていると、これでも充分にシンプルでストレートなロックンロールなので、特に当時のファンが戸惑ったかどうかは知らないのだが、実際にはどうだったのだろう。

70年代の様々なアーティストの他の名盤と同様、このアルバムも全編で40分弱という尺。この尺っていうのも重要だ。CD時代の不幸は、70分収録出来る為にアルバムの尺の標準を伸ばしてしまったこと。小品を詰め込んで内容が薄まったアルバムを3~4年に1度出すよりも、凝縮された濃厚な内容のアルバムを1年か、2年に1度出した方が絶対にイイのだ。

中古店にて購入(¥380)

  • CD (2011/10/12)
  • Disc : 1
  • Label : USMジャパン

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

itamen(イタメン) @岐阜県羽島郡岐南町 (※移転)

2016年09月11日 | 岐阜県(岐阜)

昔は東海三県(愛知・岐阜・三重)をはじめ、東京や、他の地方までラーメンの食べ歩きのような事をしていたので、ラーメン屋はそこそこ行っているが、最近はめっきり少なくなった。興味が他に移ったこともあるのだが、新店を巡っていても、どこかで食べたことがあるような味ばかりで、流行るとすぐに飛びつく業者が多いので魅力が無くなってしまったのだ。では食べていないかというと、意識的に記事は書かないものの、時々食べには行っている。今、気に入っている店は両手で数えられる程になってしまっているが、時々どれどれ?と試したくなる店がある。ここもそんなうちのひとつだった岐南町の「itamen(イタメン)」。中華麺と豚骨スープを使ったイタリアンというのがコンセプトのよう。民家を改造した店舗で、岐南インターのすぐ近くだが、場所は何故ここに?というような通りから外れた住宅地(民家改造だから当たり前か)。驚くことにこちらが本店で、高山や京都、それに小倉にも店があるのだとか。

玄関から土足で上がると、元居間らしき空間にテーブルが並べてある。その奥が厨房。さすがに客層はカップル率が高く、居づらい(笑)。年輩の女性が給仕、若い女性が調理を担当していた。自分がパスタなどのイタリア料理を外で食べる場合は、トマト系のシンプルなソースは避けることが多い。というのもトマトソースは畑で育てているバジルとイタリアン・トマトを使って自作してたくさんストックしてあるから、自分が家で作らないソースを試してみたいのだ。こちらはクリーム系のソースがメニューの先頭にあったので「ぺスカクリーム」というペスカトーレとクリームを合わせた(だろう)ものをセット(パンか締めのライス、飲み物が付く)で注文した。厨房からなのか、なぜか時々熱風が顔に当たる席で調理を待つ。

小さいサラダの後に平皿で運ばれた。麺はいわゆる中華麺。特に特徴のない麺で箸でズルズルといただく。あまり豚骨スープが感じられないのはクリームが入っているからだろうか。不思議な感じだけれど、パスタの一種と思えば全然合わない訳ではない。具は海老とアサリ、多めの水菜がのっている。常々思っているが、水菜って本当に難しい食材だと思う。値段も安定していて使いやすいし、彩りになるので多用する調理人が多いのだろうと思うが、これが入ると独特の苦味が他の食材の風味を殺してしまっている場合が多いのだ。味の濃いラーメンでも、他の料理でも然り。本場イタリアでパスタのソースに水菜を使うのかどうかは知らないが、ソースと麺(パスタ)の一体感がパスタ料理の持ち味だと個人的には思っているので、その点からいくとこの皿のまとまりは今ひとつかな。

残ったスープとライスは、サービスでリゾット(生米から調理する訳ではないので正確には”おじや”)に調理してくれるというのでお願いする。しばらくしてちゃんと別皿に盛られて出てきた。一体感はこちらの方が上(当たり前か)。これに小さい杏仁豆腐のデザートと、コーヒーをいただいた。ラオタ(ラーメンオタクの意)が食べたら「違う」と言うと思うが、あくまで”イタリアン”だそうなので、少なくとも他とは違うし、凡百の、真似っこだけで商売するラーメン屋よりはずっと面白い。(勘定は¥1,350)

 

 


 

 ↓ 食事の後に寄った各務原市那加の「今尾家住宅表門及び塀」(写真下左:明治元年頃・1868・建造・)、「同離れ」(写真下右:大正元年頃・1912・建造)。旧・中山道新加納宿にある。

 

↓ 「同主屋」(明治33年・1900・建造)。表門や塀の角には七福神の瓦人形が飾られていて楽しい。表門には「今尾醫院」の看板があり、医院は隣にある新しい建物で現在も開業している。以上、全て国の登録有形文化財に指定。

 

 


 

itamen (イタメン)

岐阜県羽島郡岐南町平成3-79

※現在は移転しています

 

( 岐阜 ぎふ 岐南町 イタメン イタメン本店 パスタ ラーメン イタリアン イタリア料理 近代建築 国登録有形文化財 中山道 新加納宿 今尾医院 )

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする