ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

柴田飴本舗 @岐阜県岐阜市

2016年09月19日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

何かの本で見かけてから、ずっと買ってみたいなと思い、何度も店(兼工場)に足を運んだが、いつも閉まっていて、店先に「御用の方は工場まで」と書いてあるわりにはどこから声を掛けていいか分からず、引き返して目的を果たせていなかった、創業昭和6年(1931)という「柴田飴本舗」。元々は「柴田製菓所」という名前だったんだとか。現在3代目。HPもあるのだが、これがまた読みづらい(笑)。ある日に近くの食堂へ足を運んだ際、店先を覗いてみたら(初めて)開いていた! 上に架かったブリキ看板は文字が判読出来ず、知らなければ飴屋とは分からない建物のガラス木戸をガラガラと開けて中へ入るが、シーンと静まり返っている。いわゆる店舗部分はごくごく小さく、小スペースに商品が並べてあるだけ。その他は全部工場といった感じで箱が山積み。納品中心でここまでわざわざ買いに来る人は少ないのだろう。思い切って声を掛けてみると、奥から女性の返事が返ってきた。

「見せてもらっていいですか?」と声を掛けると、「どうぞどうぞ」との事。並んでいる飴を吟味する。こちらの飴はいまだに全て手作りされているとのこと。もちろん添加物は無し。選んだのは、先代が「戦争当時、出兵する際に体があたたまりのどにもいいものをと考えてつくった飴を、当時のレシピをもとに現代の材料で再現した商品」だという「大根生姜飴」。

持ち帰って大きめの玉を口に入れてみた。これがガツンとくる結構ハードな辛さの生姜の風味。辛い生姜と大根おろしを固めて口に放り込んだ感じ。少し経って辛さと風味に慣れてくると、だんだん甘さがやってくる。大人の味。というか子供には無理だろう(笑)。包みを見ると材料は「大根」「生姜」「肉桂」「麦芽糖」「黒糖」とのこと。手作りらしいダイレクトで体に良さそうな味。能書き通り喉にも良さそうだ。昔ニガ手だった肉桂(ニッキ)が入っているので、自分はしょっちゅう口に入れようとは思わなかったが、嫁は気に入ったようで、着実に数を減らしているようだ。(勘定は¥250)

 

 


 

↓ 店に寄る前に訪れたのは(旧・安八郡)墨俣町(すのまたちょう)にある「旧・さくら湯」 (昭和28年・1953・建造)。残念ながらとっくに廃業しているが、タイル壁がなかなかの存在感。

 

↓ 中央にめでたいモザイクタイル画。ちょうどこの裏は番台になっているのだろう。更衣場所は格天井だそうだ。見てみたいナ。危険防止のため、煙突は撤去されたのだとか。

 

↓ 美濃路の宿場町として栄えた墨俣宿の「墨俣宿脇本陣跡」(明治24年以降に再建)。この界隈、かつて戦前は花街、そして戦後は「夜城園」と呼ばれた赤線地帯だった。

↓ 墨俣町と岐阜市を結ぶ「長良大橋」(昭和8年・1933・建造)。当初は鉄道との併用橋で、のちに自動車専用の橋に。

 

 


 

柴田飴本舗 

岐阜県岐阜市大宝町3-4

 

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